新星・中田青渚が恋愛映画の旗手・今泉組で重ねた成長 「長回しですごくいいシーンが生まれた」
「監督がセリフをわざわざ関西弁で書き直してくださり…」
――中田さんは兵庫県出身です。イハは関西弁を使っていて、もしかしたら素の中田さんと共通する点があったのでは。
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「もともとの脚本ではイハのセリフは標準語で書かれていました。監督と打ち合わせをしている中で、私は無意識だったんですけど、監督からすると、私が関西弁をしゃべっているほうがナチュラルじゃないか、と思っていただきまして、監督がわざわざ関西弁で書き直してくださったんです」
――それはいつのことですか。
「本読みの前に監督と髭野純プロデューサーとの打ち合わせがありまして、『関西弁でもいいんじゃないか』となりました。長回しのシーンの本読みをやった時に私が関西弁でやってみたら、『やっぱり関西弁のほうがいいね』となったんです。これで、私とイハがちょっと近付いたんじゃないかと思います。監督が、私にイハを寄せてくれたのだと思っています」
――改めて、本作で観てほしいところ、感じてほしいものは。
「この映画は、誰かに向けて、というより、どういう性別でもどの世代でも楽しめる映画です。普段は映画を観ることがない人でも、楽しめると思います」
――青を取り巻く“4人のヒロイン”が登場するところもポイントですね。
「観る人によっては、イハに共感する人もいれば、ほかの登場人物に共感する人もいると思います。自分に合う登場人物、自分に重なる登場人物を見つけてほしいなと思います」
――文化・演劇の街で知られる下北沢でロケを行いました。街のイメージはどうですか。
「撮影まであまり行ったことがなくて、撮影前に下北沢で友人とご飯を食べたのですけど、渋谷から近いのにこんなに空気が違うんだと。東京はせわしないイメージがありますが、時間がゆっくり流れているような街だなと感じました。居心地がいいなと思いました」
――お気に入りのお店は見つけられましたか。
「ラーメン屋さんの『珉亭』の前でずっと撮影をしていて、あそこのラーメン屋が美味しいとずっと聞いていたのですが、結局行けずじまいで……。いつか行きたいなと思っています」
――1月に二十歳になりました。“ハタチの決意”はありますか。
「思ったより実感がないのと、もう二十歳という思いもあります。20代になったので責任感を持たないといけないという思いと、もっとどん欲に仕事をしていきたいという思いがあります」
――今後、やってみたい役柄・キャラクターは。
「年を取るにつれて、学生の役はどうしてもできなくなると思うので、学生の役をやってみたいです。今回の作品はナチュラルなお芝居になりましたが、個性の強い役にも挑戦したいです。今はなんでもやりたいという気持ちが大きいです」
――なりたい女優像はありますか。
「共演者やスタッフさんから、『また一緒に仕事をしたいな』『この役は中田さんにやってもらいたい』と、そんな風に思ってもらえるような役者になっていきたいです」
映画「街の上で」は5月1日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって公開延期となった。新たな公開時期は決まり次第、公式サイトやSNSなどで発表するという。また、このインタビューは3月上旬に行われた。
□中田青渚(なかた・せいな)、2000年1月6日生まれ、兵庫県出身。2014年、「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」でグランプリを受賞。主な出演作に、ドラマ「dele」(テレビ朝日)、「中学聖日記」(TBS)、映画「ミスミソウ」(内藤瑛亮監督)、「見えない目撃者」(森淳一監督)、Base Ball Bear「Flame」MVなどがある。