新星・中田青渚が恋愛映画の旗手・今泉組で重ねた成長 「長回しですごくいいシーンが生まれた」

新進気鋭の女優・中田青渚が、自然体のヒロインに挑戦した。映画「愛がなんだ」「mellow」と話題作を発表する今泉力哉監督がオール下北沢ロケで臨んだオリジナル脚本による長編最新作「街の上で」(近日公開)だ。飛躍を遂げる20歳に、今泉組の経験や深めた演技観、自身の将来像について聞いた。

映画「街の上で」で“4人のヒロイン”の1人を演じた中田青渚【写真:山口比佐夫】
映画「街の上で」で“4人のヒロイン”の1人を演じた中田青渚【写真:山口比佐夫】

【単独インタビュー】今泉力哉監督作「街の上で」を通して深めた演技観

 新進気鋭の女優・中田青渚が、自然体のヒロインに挑戦した。映画「愛がなんだ」「mellow」と話題作を発表する今泉力哉監督がオール下北沢ロケで臨んだオリジナル脚本による長編最新作「街の上で」(近日公開)だ。飛躍を遂げる20歳に、今泉組の経験や深めた演技観、自身の将来像について聞いた。

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〈本作の主人公は、古着屋で働く荒川青(若葉竜也)。恋人(穂志もえか)に浮気されたうえにフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青のもとに、美大生の女性監督(萩原みのり)から自主映画への出演依頼が舞い込む。撮影現場の衣装スタッフ(中田)と、青が通う古書店の店員(古川琴音)も登場。青は行きつけの飲み屋で常連客から、「それは“告白”だ!」とそそのかされるが――というストーリーだ〉

――恋愛映画の旗手といわれる今泉監督作品への出演が決まった時の気持ちは。

「うれしいというのはもちろんあったのですけど、それより不安というか緊張が大きかったです。『愛がなんだ』を観させていただき、今泉監督の映画にリアルさを感じました。みなさんがナチュラルにお芝居をしていらっしゃるので、この作品で自分が浮き出ないようにしないといけないと思って、緊張が一番大きかったです」

――現場の雰囲気はどうでしたか。

「今泉組のスタッフさんが多くて、みなさん顔なじみで、アットホームな感じでした」

――今回、自主映画の衣装スタッフ・城定イハを演じました。自然体の演技が印象的です。独特な雰囲気のイハをどのようにとらえて演じたのでしょうか。

「イハは一見、あっけらかんとして明るく見えるのですけど、友達がいないと言っていたり、自分のことを『アウェー』と言っていたり、つかみにくいところがあると思っています。突然、青の人生に現れて、濃厚な時間を過ごします。けっしていやらしいキャラクターではなくて、青の人生に溶け込めるようなキャラクターでありたいなと考えていました。私自身、イハは結構好きです」

――イハの家で、青と恋バナや人生について会話を続けるシーンがあります。映画の展開で重要な場面ですね。

「あのシーンは長回しでした。切らずにずっと撮ることで気持ちの乗り方が違ってきますし、長回しによってすごくいいシーンが生まれたと思います」

――セリフは台本通りですか、それともアドリブもまじえてだったのでしょうか。

「ほとんど全部が台本です。完成版では間に、別のシーンが入っているんですけど、撮影では通しで17、18分間、2人で語り合っていました」

――台本を覚えるのは大変ではなかったですか。

「しっかりと入れてきました。あのシーンは失敗しちゃいけないという感じはあったのですが、若葉さんには、私がどういう風にセリフを投げてもちゃんと返してくれるという信頼感がありました。若葉さんの安心感は大きかったです」

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