出演者は全員女性! “落語界の宝塚”を意識…蝶花楼桃花が仕掛ける「桃組」公演
落語家の蝶花楼桃花らが31日、都内で会見し、出演者全員が女性芸人という「桃組」公演の全容を明らかにした。
出演者全員が女性の寄席「ショーウィンドウになれば」
落語家の蝶花楼桃花らが31日、都内で会見し、出演者全員が女性芸人という「桃組」公演の全容を明らかにした。
東京・浅草演芸ホールで3月上席(3月1日~10日)の夜の部で開催されるもので、高座返しをする前座以外はすべて女性という、都内の寄席では史上初という試み。
昨春の真打昇進後、約4か月のスピードで桃花を主任(=トリ)に起用した同ホールの松倉由幸社長は、「時期的にも3月ということもありまして、演芸界のひな祭りとして開催したいと思います。2度目の桃花師匠の主任興行をお願いするにあたりまして、今までの寄席の歴史にないような奇抜なスタイルでやりたいと希望が出されました。それを受け意見交換した結果、女性だけの出演者の興行をやってみたいという企画になりまして、『桃組』の公演にこぎつけました」といきさつを説明した。
仕掛け人の桃花は「色物の先生、外部出演の枠もすべて女性ということにしました。桃の節句ということで『桃組』と名付けさせていただきました」と女性一色になる興行に意欲たっぷり。
とはいえ「女性という側面で戦っている、女性ということだけでこの興行を打つわけではない。女性対男性という構図を作りたいというわけではございません。寄席の流れを最初から見ていただきたいという願望がありまして、特別興行という形にしないでください、とお願いしました。イベントのようになってしまうと意味がない。定席の中でこれをやっていただくことを一番お願いしました。3000円で昼席から見られるんですよ。通販番組みたくなってしまっていますが、寄席の流れをすべて楽しんでいただける、プログラムになります。唯一無二の公演だと思っています」と意気込みを示した。
「桃組」というネーミングの背景としては宝塚歌劇団のシステムを意識したそうで「もし、これが定着して他の寄席でやることがあったら、何々組とやかやろうと思っておりました」と、“寄席の宝塚”を狙っていることを明かした。
この日の会見には、女性芸人が12人出席したが、「楽屋はみんなでワイワイがちゃがちゃしゃべりながら、女子会みたいな感じになっている。ちょっとテンション上がりましたね」と桃花。「着物も、みんなで相談して、かぶらないようにしました」と息の合った結束を見せた。
師匠の春風亭小朝にも「浅草(演芸ホール)さんの意向と君の好きなようにと任せてくれました」と、後ろ盾もバッチリ。「寄席のショーウィンドウのような意味合いも込めます。2回目以降も考えておりますし、私がトリを取るということではなく、そのときそのときの企画を考えてやっていきたいと思っています」と、仕掛け人の風格を見せた。
○会見出席者のひと言(発言順)
三遊亭律歌
「女性だけの寄席が開かれるということで、桃花師匠のため、寄席のため、お客様のため誠心誠意頑張っていきたいと思います」
柳家かごめ
「女性であることが最大の個性であるという時代はもう終わるのかなという風に思っているので、ぜひその新時代を目撃に来てください」
林家なな子
「女性だらけの公演ではございますけど、私は明るく元気をモットーに、日本一、男前の噺家を目指して頑張っています」
古今亭雛菊
「いちばん香盤(入門順)が下で、年齢もいちばん年下なんですけど、楽しく、明るく、元気よくやっていきたいと思います」
古今亭佑輔
「先輩たちが道を作って来てくださったので、私も負けないようについていきたいと思います」
林家あんこ
「本当に画期的な公演ですので、寄席の歴史が変わる瞬間を、ぜひ皆さんに見届けてほしいと思います」
林家あずみ
「桃花師匠の直前に“ひざ”というポジションで上がります。その場の空気を和やかにして、桃花師匠に合う空気に整えて、一生懸命つとめさせていただきます」
一龍齋貞鏡
「入門して15年間なりますが、15年ずっと背中を追い続けていました桃花姉さんの芝居に出させていただくことを光栄に思います。浅草演芸ホールに出演させていただくことも初めてでございます。精一杯つとめさせていただきます」
林家つる子
「こんな素晴らしい会にご一緒させていただくこと、本当にうれしいですね。桃花師匠と一緒の時代に生まれたこと、うれしく思います」
春風亭一花
「これをきっかけに若い世代、女性も男性もですけど、寄席というところが面白いところなんだと見ていただきたいと思っております」
林家きよ彦
「きょうの時点で楽屋が楽しくて。楽しいものをいっぱい詰め込んだ寄席になると思いますので、皆さんぜひお越しください」