タイ・バンコクのムエタイの聖地で「ルンピニー・スタジアム」でアジア最大級の格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」が毎週金曜日に開催するシリーズ「ONE Friday Fights 2」が27日、開催された。MMAとムエタイの計11カードが行われた。

　中でも注目となったのはムエタイ世界王者に4度輝いた経験のあるヨードレックペット・オー・アトチャリア（タイ）のデビュー戦。第6試合でシルビュー・ヴィテズ（ルーマニア）と対戦し2R・2分10秒のTKO勝ちを収めた。

　ヨードレックペットは2016年にRIZINの「やばいだろ」「爆肘」「学ばせ」が話題の梅野源治と対戦し判定負け。19年には現RISEスーパーフェザー級王者の“バリ強いのび太”チャンヒョン・リー（韓国）と戦い判定勝ちを収めている日本になじみのある選手だ。20年には現在、武尊との対戦機運が高まっているロッタン・ジットムアンノン（タイ）と対戦している。

　対戦相手のヴィテズもなじみがある。18年6月のK-1で初来日。第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントの1回戦で芦澤竜誠に1R・KO負けをしている。その後はスペイン、メキシコ、タイで経験を積んだという。ヴィテズも今回がONE初参戦だった。

　ヨードレックペットの“ローキック”そして肘が炸裂した。視聴者からは「ローが厳つい」「やっぱり攻撃力凄い」「強すぎ」「ヨードレックペットのパワハラ」「相変わらず鋼鉄」「懐かしい」などの声が上がっていた。

　1R序盤はヨードレックペットがローキックを内、外と打ち分けペースをつかみ、ボディー攻撃などは完璧に捉えていた。しかし、残り40秒ほどでシルビューの左ハイキックを絡めたコンビネーション攻撃を被弾。劣勢に立たされた。

　2Rは前に出る打ち合いにヨードレックペットはローキックで完全に壊しにかかる。シルビューはこれらをカットをできず、そのまま受ける形に。脚は薄い紫色に変わり始め、顔面への肘攻撃も当たり始めていた。

　それでも引かないシルビューに試合は打ち合いの様相になるがヨードレックペットの左肘が額上部にヒットしパックリと割れ、流血。血が収まらなくなり、残り50秒のところでレフェリーが試合を止め、ヨードレックペットが2分10秒のTKO勝ちとなった。

●第1試合（バンタム級、MMA）
○3R・TKO　ジャコブ・ウェイマン（米国）―リカルド・カンティディグ・スタグ（英国）

●第2試合（53.9キロ、ムエタイ）
○判定　マリー・ルーメット（エストニア）―タイ・ナン・リー（米国）

●第3試合（フライ級、ムエタイ）
○判定　エリアス・ガザリ（マレーシア）―アヤド・アルバドル（イラク）

●第4試合（ミドル級、MMA）
○失格　アラシュ・マルダニ（イラン）―ハリー・グレッシュ（オーストラリア）

●第5試合（68.9キロ、ムエタイ）
○判定　ポンシリ・PK・センチャイ（タイ）―フェルザン・チチェキ（トルコ）

●第6試合（63.5キロ、ムエタイ）
○2R・TKO　ヨードレックペット・オー・アトチャリア―シルビュー・ヴィテズ（ルーマニア）

●第7試合（アトム級、ムエタイ）
○判定　ソンチャイノーイ・ゲッソンリットー（タイ）―ヨットーイ・カウサムリット（タイ）

●第8試合（フライ級、ムエタイ）
○判定　ナクロブ・フェアテックス（タイ）―シャーゾット・カブトフ（キルギス）

●第9試合（フェザー級、ムエタイ）
○判定　モハメド・シアサラニ（イラン）―アバター・PK・センチャイ（タイ）

●第10試合（ストロー級、ムエタイ）
○判定　チャラムカオ・PK・センチャイ（タイ）―ペットン・キアソンリット（タイ）

●第11試合（バンタム級、ムエタイ）
○判定　クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ（タイ）―センマニー・PK・センチャイ（タイ）