ABEMA西澤由夏のターニングポイント “アナウンサーもどき”と呼ばれて広がった世界
担当レギュラー番組は『チャンスの時間』『ニューヨーク恋愛市場』など7本、今秋からはニュース番組へも出演している「ABEMA」アナウンサーの西澤由夏。少年誌のグラビアを飾ることになった現在と“ネットテレビ局アナウンサー”いじりについて西澤本人に話を聞いた。
レギュラー番組は7本、ネットTVアナウンサーを語る
担当レギュラー番組は『チャンスの時間』『ニューヨーク恋愛市場』など7本、今秋からはニュース番組へも出演している「ABEMA」アナウンサーの西澤由夏。少年誌のグラビアを飾ることになった現在と“ネットテレビ局アナウンサー”いじりについて西澤本人に話を聞いた。(取材・文=島田将斗)
“アナウンサーもどき”。番組で共演しているお笑いコンビ千鳥のノブが西澤につけたあだ名だ。
今やABEMAのどの番組をつけても西澤アナが映るといっても過言ではない。千鳥・ニューヨークら人気芸人たちと一緒になってバラエティー番組を進行。はたまたニュース番組では真剣な表情を見せる。まさにカメレオンな活躍ぶりが目立っている。
昨年9月には『週刊ヤングジャンプ』でグラビア姿も披露。「今でもドッキリじゃないかと思うくらい信じられていない」と笑う。周囲もテレビ露出とはまた違う反応だった。
「撮影のときよりもコンビニとか書店に並んだときのほうが信じられなくて。発売されたあとにどの番組でも祝福モード。大学の友達とか普段やり取りをしない人からも連絡がきて、誕生日のときよりも携帯がにぎやかでした(笑)」
毎日異なる番組を担当する週もある。特に忙しい週について教えてくれた。
「『チャンスの時間』や『ニューヨーク恋愛市場』は終日撮っているんですよね。月に1回まとめて収録の日もあって、その日は結構大変です(笑)。例えば秋から始まったニュース番組だと午前中はナレーション収録。次の出番が夕方の出演になるので、その間にニュースの確認や別の仕事に行ったりします」
この準備を西澤は特に徹底している。「出演よりも準備の時間の方が長い」とうなずいた。
「スポーツの取材やリポートの際は自分用の資料等をイチから準備することが多いんですけど、レギュラー番組になると共演するMCの方のその月や週にあったニュースを調べて臨むようにしています。いつそういう話が飛んできても対応できたらと思っているんです。ご一緒させていただく方が多方面でご活躍されている方ばかりなのですべてを見るのは難しいですが、芸人さんの場合は単独ライブに行ったり、配信で視聴したりもしてます。できる限り近況を把握できるよう心掛けています。」
「キー局には歴史がある。ABEMAはこれから歴史を作る必要がある」
ここまで頑張れるのには理由がある。元々キー局アナウンサーを目指していた西澤は就職活動で全落ち、その後にサイバーエージェントで営業職として働き、ABEMAアナウンサーになるチャンスをつかんだ苦労人だ。
悔しさも知っている西澤だが“アナウンサーもどき”いじりは意外にも感謝しているという。
「テレビ朝日の弘中綾香アナもいる収録での“いじり”だったので最初はびっくりして、混乱しました(笑)。でもノブさんもいろいろ考えて言ってくださった言葉。今となっては『もどき』で知って応援してくれる人も多い。今振り返ると、私の中でターニングポイントとなったのが確実にあのタイミングでした。ノブさんから頂いた大切な言葉です」
そんなインターネットテレビ局のアナウンサーという肩書き。西澤のなかでそれは責任感にも似た感情になっていた。「キー局には歴史がある。ABEMAはこれから歴史を作る必要がある。成長過程だなっていうのは常に感じながらやっています」と熱がこもる。
さらに「キー局には先輩がいて、お手本となる方がいて、アドバイスをもらえる環境があります。ABEMAのアナウンサーは私たちが歴史を作っていかないといけない。インターネットのアナウンサーは周りにもいない。自分たち次第だからチャレンジできる幅は自由なのかな」と続けた。
「カメラの向こうに視聴者がいると思って」。テレビ局のアナウンサーはこのように教わることもあるというが、これこそがインターネットテレビ局と全く違うポイントだった。
「ABEMAは視聴者とかなり距離が近い。特に生放送はリアルタイムでコメントが入ってくる。視聴者と本当に会話をしながらやっている感じなんです。入ってきたコメントを私が拾えば視聴者も参加している気持ちになることができる。この近い距離感をプラスにとらえています」
2021年からは『MLB(メジャーリーグベースボール)』の中継、格闘技でも『THE MATCH 2022』のPPV配信、『FIFA ワールドカップカタール2022』の全試合中継など常に新しいことにチャレンジしているABEMA。西澤アナも同じ気持ちを持って仕事をしている。
「いい意味でも悪い意味でも1期生。何をやるにも責任感があります。ABEMAを大きくしていかなきゃという気持ちとそのためにはアナウンス室も大きくしていかなきゃという思いがあります。アナウンサーを目指す学生のなかに『ABEMAのアナウンサーになりたいです』という学生が出てくれたらアナウンス室を大きくできたのかなと思えますよね」
“アナウンサーもどき”が新しい時代のテレビアナウンサーに。「楽しいことばかりじゃない、めちゃくちゃ難しい」と話すも西澤の目は輝いていた。ネットテレビ局アナの挑戦はこれからも続いていく。