共通テスト終了 注目の数学に大手予備校「易化」判定も 問題量多く厳しさ残る

大学入学共通テストが15日、全国各地の会場で行われた。前日14日の試験教科は『地理歴史・公民』、『国語』、『外国語』の文系。15日は理系教科で午前9時半から『理科①』、『数学①』、昼休みをはさんで『数学②』、『理科②』の順に行われ午後5時50分に終了した。

共通テスト2日目が行われた上智大学【写真:ENCOUNT編集部】
共通テスト2日目が行われた上智大学【写真:ENCOUNT編集部】

予備校講師指摘「数学にも読解力が必要」

 大学入学共通テストが15日、全国各地の会場で行われた。前日14日の試験教科は『地理歴史・公民』、『国語』、『外国語』の文系。15日は理系教科で午前9時半から『理科①』、『数学①』、昼休みをはさんで『数学②』、『理科②』の順に行われ午後5時50分に終了した。

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 この日の試験科目で注目を集めたのは何といっても数学だ。『数学I・数学A』の21年の平均点は57.68点(100点満点、以下同)だったが、22年は37.96点と急激に落ち込み過去最低を記録した。『数1』に至っては21.89点という低さ。これに対し、大学入試センターは6月、共通テストに関する外部評価の結果をまとめ、過去最低の平均点だった『数学1』と『数学1・A』の難易度について「あまり適正でない」と指摘されたことを公表した。同センターは「計算量の多い設問もあり、時間に余裕がなくなった受験者が多かったとみられる」と分析していたことから、問題量の削減を検討していた。

 実際、今年の数学はどうだったのか。大問数は昨年同様5問。第1問は「数と式」と「図形と計量」、第2問は「データの分析」と「2次関数」、 第3問は「場合の数と確率」、第4問は「整数の性質」、第5問は「図形の性質」だった。

 対話文形式の問題もあり、第2問の〔2〕はバスケットボールのシュートを題材にしていた。プロ選手と花子さんがそれぞれ打ったシュートのボールの軌道を2次関数式で求め、ボールが最も高くなるケースを導き出させた。第4問でも一部が対話文形式で出題された。この花子と太郎の会話調の設問は「主体的・対話的で深い学び」という学習指導要領に沿ったためだろう。大手予備校講師は「会話の流れと出題者の意図を理解するためには読解力が必要です。数学にも読解力が必要とされていることを肝に銘じるべきでしょう」と対策を呼び掛けていた。

 外部評価で「あまり適正ではない」と指摘された『数学1・数学A』についてベネッセコーポレーション/駿台予備学校(データネット実行委員会)は「昨年と比較して各問題の導入部分で取り組みやすいものが多く昨年より易化」と分析。河合塾は「昨年は典型的な問題が少なかったが、今年は典型的な問題が適度にあり、取り組みやすい構成であった。また、初めてみるような問題でも誘導が丁寧であり、解きやすかったと思われる」とこちらも“易化判定”。

 一方、代々木ゼミナールは「昨年よりはやや解きやすくはなっているが、分量は少ないとはいえず、煩雑な設定もあるので、時間内に解答するにはやや厳しい内容であった。昨年よりはやや丁寧な誘導ではあるが、完答にはかなりの力が必要」と総評している。東進ハイスクールも「易化」とするなど同様の分析だが、「問題文の文章量はページ数が昨年度と同程度であるものの、具体的に計算する量、考察する部分は昨年度比では減少している。それでも試験時間に対して分量が多いことに変わりはない」と指摘している。

 昨年に比べ「易化」と判定した大手予備校。ただ、「問題量の多さ」はあまり変わらなかったようで、そう甘くはなかった。共通テストを終えた受験生は16日に在籍している高校に戻り自己採点をする手はずだ。「問題量が多い」と指摘されているため平均点が伸び悩む可能性もありそうだ。昨年は共通テストの中間集計が19日に発表された。今年の最終発表(受験者数、平均点、最高点、最低点、標準偏差等)は2月6日の予定。

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