危険な無意識のあおり運転 ベテランドライバー嘆き「瞬間で詰められるのが一番多い」

一向になくならないあおり運転。車間を急激に詰め、猛スピードで前方に回ったかと思えば急ブレーキをかけるなど公道で命を危険にさらしかねない迷惑行為だ。ドライブレコーダーの普及にもかかわらず、ネット上では連日被害者の悲痛な声が上がっているが、ベテランドライバーを取材すると意外な傾向も浮かび上がっている。

あおり運転はなぜ減らない?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
あおり運転はなぜ減らない?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「後ろからあおってくると、もうわざとスピード落とす」

 一向になくならないあおり運転。車間を急激に詰め、猛スピードで前方に回ったかと思えば急ブレーキをかけるなど公道で命を危険にさらしかねない迷惑行為だ。ドライブレコーダーの普及にもかかわらず、ネット上では連日被害者の悲痛な声が上がっているが、ベテランドライバーを取材すると意外な傾向も浮かび上がっている。

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「旧車に乗っているときはないけど、軽トラのときはよくありますよ。本当に車種によるんだよね。朝なんか、みんな急いでいるから」

 埼玉県の60代男性は自身のあおり運転被害についてこう現状を明かした。

 根っからの運転好きで、貴重な旧車を始め4台の車を所有。そのうちの1台がスズキの軽トラだ。後ろにドライブレコーダーを積み、「録画中」と記したステッカーも複数個所に貼っている。法定速度を守り、スピードが遅すぎるということもない。それでも、後続車から理不尽なプレッシャーをかけられることが続いているという。

 最近気になるのは、それらのあおり運転の大半が、“意図的”ではないと感じることだ。

「本当にイラついてくっついてきているヤツもいるけど、8割方は自分でもあおり運転しているか分かっていない。瞬間で詰められるのが一番多い」

 軽トラの車体に対し、車間距離の認識が甘く、運転しているうちに自然と距離が詰まり、結果的にあおり運転のような状態になる。加害ドライバーに自覚がない分、双方にとって危険な状態だ。ほかにも車の性能に任せ、互いの意思疎通マナーを欠いたドライバーが増えたといい、「おじぎするとか、手を上げるとか。無理やり入ったならハザードを2、3回つけるとかね」と不満を口にする。

 バスの運転手をしている別の男性も、「最近の運転で一番考えるのが車間が近いことですよね。結構詰まっている。全体的に余裕がないのかな」と問題点を指摘。自身の車間については、「2台は軽く入る」とし、「今の子は1台くらい。後ろの車がほとんどピタッとつけるけど、何かあったとき止まれるのかなと思っちゃう」と続けた。

 あおり運転による被害を防ぐため、「後ろからあおってくると、もうわざとスピード落とす。わざと制限速度で走る」と、挑発に応じないようにしているが、ピタリとつけられミラー越しに車体が大きく映ると威圧感を感じるという。

 車間距離を十分に取ることは安全運転の基本ルール。無意識に車間を詰めていないか再度確認し、余裕を持った運転を心がけたい。

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