心は女性…トランスジェンダー告白の34歳マジシャン「逆に抵抗あったヒゲ面ができるように」
昨年10月にトランスジェンダーであることを告白したマジシャンの魔法使いアキットが7日、東京・恵比寿のシアターアルファ東京で上演される「STORY MAGIC LIVE(魔法使いの頭の中~雪の降る音~)」を前に取材対応し、カミングアウトした理由などを語った。
魔法使いアキット 7日夜から東京公演
昨年10月にトランスジェンダーであることを告白したマジシャンの魔法使いアキットが7日、東京・恵比寿のシアターアルファ東京で上演される「STORY MAGIC LIVE(魔法使いの頭の中~雪の降る音~)」を前に取材対応し、カミングアウトした理由などを語った。
体は男で心は女。昨年10月19日、アキットは自身のYouTubeチャンネルでトランジェンダーであることを告白した。約2か月で5万8000人が視聴。年末のテレビ報道番組でも紹介された。ファンの中には戸惑う人もいたが、大半は「言ってくれてありがとう」などで好意的なものだったという。
自身の心が女性であることは、幼少期から気づき、中学時代に確信。家族には伝えて理解はされていたものの、公にすることでの「怖さ」があり、「ずっと言わないでおこう」と決めていた。だが、次第に気持ちが変わり、カミングアウトに至ったという。
「言えば楽になる。そして、アキットとして面白くなれる。エンタメとしても『生かせる』という思いもありました」
アキットは今、2つの人生を生きているという。「アキ(愛樹)」として過ごす女性としての日常で、「ウィッグを付け、女性服を着ていれば、男性であることは気づかれません」。恋愛対象は男性だが、アキットとしてステージに立つときは男性の姿を通している。今回の公演も「マジックを子供たちに見せるホームレス」がコンセプトで、ひげ面になっている。
「まだ、ステージ上で女性の姿になったことはなく、それでマジックを披露したことはありません。ただ、カミングアウトをしたことで、皆さんに『心は女性』と理解していただいているので、逆に抵抗のあったヒゲ面もできるようになりました」
カミングアウト後は、2つの人生を歩む「忙しさ」も増したという。4歳から始めたマジックのキャリアは約30年。ストーリーの中にマジックを散りばめる手法で、マジック界では「唯一無二の存在」としても知られている。そのパフォーマンス力を披露する東京公演は、今月7日夜~11日で計7公演。同28、29日には、大阪市の世界館で3公演を開催する。