つまみ枝豆、妻と満喫する3台の愛車生活 ベンツに魅せられた“洗車好き”のこだわりとは

お笑いタレントのつまみ枝豆は、師匠・ビートたけしの運転手を務め、数々の名車や高級車を運転してきた。“たけし軍団一のクルマ好き”としても知られ、自身もこれまで多くの愛車を乗り継いできた。愛車との思い出やこだわり、現在のカーライフについて話を聞いた。

つまみ枝豆
つまみ枝豆

初めてのベンツは師匠との思い出が詰まった1台

 お笑いタレントのつまみ枝豆は、師匠・ビートたけしの運転手を務め、数々の名車や高級車を運転してきた。“たけし軍団一のクルマ好き”としても知られ、自身もこれまで多くの愛車を乗り継いできた。愛車との思い出やこだわり、現在のカーライフについて話を聞いた。(取材・文=猪俣創平)

 車に興味を持ち始めてからハマったきっかけは“ハコスカ”との出会いだった。「アニキですね。姉貴の旦那さんが乗っていた車がかっこよく見えて、『クルマいいなあ、俺も乗りたいな』って思えました。スカイラインのハコ型。GTRのハコ型が好きになって、そこからずっと車が好きになりましたね」。

「デカい車に乗りたかった」と愛車への憧れを募らせた。もっとも、ハコスカは高くて手が出せない。18歳の免許を取りたての頃、初めての愛車「日産・セドリック」を手に入れた。その喜びは今でも深く心に刻まれている。「どんな車であろうが、初めてのマイカーってうれしいもんですね。金額とかじゃなくて。とにかく毎日洗っていた記憶があります。雨の日も洗っていましたから」。

 その後も数々の愛車との出会いと別れを繰り返したが、「好きで買っているので、すべてが思い出深いんです」と名残惜しそうに振り返った。その中でも、最もインパクトが残っているのは“最初に乗ったベンツ”だという「メルセデス・ベンツ560SEL」だ。

「一番記憶に残っているし、うれしかったですね。もちろん中古車ですけど、乗っていた頃はそんなにお金を稼いでいなかったので、周りの芸人からは『ベンツなんか乗りやがって』みたいなことは言われましたけど、たけしさんが『コイツは好きだからいいんだよ』って言われたことは覚えていますね」と振り返り、思わず笑みがこぼれた。

 たけしさんの運転手を務めていた当時、目標の車だった。運転しながら欲しい車を聞かれ、たけしさんに話すと700万円の現金が入った紙袋を渡されて「買ってこい」と言われた。悩んだ末にお金を返し、1年後に自腹で購入。たけしさんからは「お前がんばったな、よかったな」と声をかけられた。

 師匠との思い出が詰まった1台は、こだわりも満載だった。「エアロを付けて車高を落としていました。それで、所(ジョージ)さんの番組に出て、『関東一低いベンツ』って言われました。よく下を擦っていましたから。自分の感覚ですけど、箱型のやつを落とすのが好きだったんで、かっこいいと思っていましたし、珍しかったと思いますね。エアロシートから出ている多少低いベンツはありましたけど、そんなにベッタベタに落としているのはなかったので」と、笑いながら愛車の二つ名を紹介した。

現在の愛車は3台 とりこになったベンツSクラスの魅力

 そんなつまみ枝豆が現在所有する車はメルセデス・ベンツSクラス、メルセデス・ベンツGLC、ポルシェ911カレラS(997型)の3台。もっとも、事務所の社長になる前はさらに何台か持っていたそうだが、泣く泣く手放すことになったそうだ。

 現在の愛車3台それぞれの特徴や購入した経緯について尋ねると、「一度Sに乗っちゃうとS以外変えられなくなっちゃうんですよ」と明かした。「現行の前のSも乗っていたんですけど、いい車すぎてグレードを落とせなくなっちゃうんです。Sはやっぱりいい車で乗りやすいし、長距離も楽なので。ゴルフに行くときなんかはSに乗って行きますね」と、その魅力から離れられないという。

 GLCは、「雪が降ったときのこともありますし、カミさんが運転しやすいようにSUVにしようっていうので、GLCにしました。本当はもう少し大きいGLEというのがほしかったんですけど、ニッポン放送のタワーの車庫の幅がGLCでいっぱいいっぱいで、それより大きなものは買えなかった。それで、GLCのPHEVにしまして、役に立っていますね」と話し、夫婦で重宝している。

 メルセデスはセダン、SUVと使い勝手もよく“乗りやすさ”も快適だという。長年、メルセデスに乗り続けている理由は総合力にある。

「スタイリング、ボディー剛性、居住性も含めて、もちろん値段はそれなりにしますけど、総合的にメルセデスになりますね。他に乗りたい車ってものがないですね。もしかしたら、メルセデスよりいい車が見つからないから選んでいるのかもしれません。スタイリングも最近変わってきていて、そんなにいいとは思っていませんし、もちろん悪い部分はあります。でもなかなか他にお気に入りのものがないんですよ」

 一方、そんな2台とは大きく異なるスポーツカーのポルシェ911カレラS。購入した理由は奥様にあるそうだ。「カミさんも車が好きで、ポルシェに一度は乗りたいってことで買いました。僕らは子どもがいないので、そこらへんで贅沢(ぜいたく)ができるっていうこともあるかもしれないですね。べつに贅沢をしているとも思っていないですけど。ただ、今はガソリンも高くなったので燃費の悪いポルシェにはあまり乗らなくなりましたね。分かりやすいでしょ、そのへんが」と冗談めかしに笑いながらも、夫婦の絆の強さをうかがわせた。

愛車へのこだわりポイント “洗車好き”の一面も

 セダン、SUV、スポーツカーと、3台それぞれの特徴を生かした愛車生活を満喫している。初めてのメルセデスこそ車高を下げていたが、現在はカスタムへのこだわりは特にない。「ドノーマルですね。メーカーもそれを良しとして作っているわけですから、それがベストであろうと僕も思っているので」。

 現在の愛車へのこだわりポイントは、「スタイリング重視」「車内に何も置かない」「ボディーの色は白」だという。

 さらに、雨の日でも洗車をするほど大の“洗車好き”でもある。「家の前で俺が洗車してると、近所の人に『こんなに良い車に乗っているんだったら、お店とかで洗車してもらった方がいいんじゃないの?』ってよく言われるんですよ。でも、自分でしないと納得しないので、ちょっとした細部が気になるんですね。汚れていたら雨が降る日でも洗車しますから。足回りで、よくホイールが黒になったり真っ赤になったりするじゃないですか? どんな良い車に乗っていても足回り、足元は絶対に綺麗にしなきゃいけない、最低限。だから忙しくて時間がないときでも、タイヤホイールだけは綺麗にします」と、こだわりを熱弁した。

 現在は事務所の社長としても多忙な日々を送り、車へのこだわりも変化してきている。「車にかけられる時間が減りましたし、歳をとったせいもあるでしょうし、スタイリングも気にはしますけど、昔ほどではなくなりましたね。人に車について聞かれると『それやめろよ』とか言いますけど、いざ自分のことを聞かれると『うーん』と黙ってしまうかもしれませんね」。

 運転が好きなものの、今後のカーライフにおける心配の種もある。「今気にしているのは、車をいくつまで乗れるかということなんですよ。今64歳なので、いつまでも乗りたいってわけじゃないんですけど、『乗らせてもらえる』ことと『乗りたい』ってことは違うので。運転はすごく好きで、運転していたいなって思っているんですけどね。安全性は大丈夫かって考えちゃうんです」と、将来のクルマ生活も見据えている。事務所の社長だが、仕事などの移動は専ら自ら運転する愛車だ。「誰も代わりに運転してくれないので。そんな状況でも嫌いじゃないので大丈夫です」と笑う。

 現在気になっている車を聞くと、「カミさんにはベントレーって言っているんですよね」と明かした。

「ゆったりした車になると思います。値段も高いので買えないと思うんですけど。あとは、1台ワンボックスがあれば楽かなとも思っているので、アルファードくらいがあれば何かと便利なのかなって。だからスポーツタイプをほしいって言っても、値段と見合っているかと考えたら別にいらないかなと。人も乗れないし荷物も載らないし、ガソリンも食うし、維持費が大変だってなるので」。

 最近はライフスタイルにマッチしたクルマ選びをしている。「もう走り屋じゃないので。カリカリ走ってたらバカみたいに見えるじゃないですか、社長だし」と笑い交じりに話しつつ、生粋の“クルマ好き”はこれからも妻との愛車生活を楽しむ予定だ。

□つまみ枝豆(つまみ・えだまめ)1958年6月1日、静岡県出身。ビートたけしに弟子入りし、「たけし軍団」の一員としてバラエティー番組や映画、ドラマなどに多数出演。クルマ好きとして知られ、ビートたけしの運転手も務めた。現在の愛車は「メルセデス・ベンツ Sクラス」「メルセデス・ベンツ GLC」「ポルシェ911 997型カレラS」の3台。妻はタレントの江口ともみ。

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猪俣創平

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