山田杏奈、生見愛瑠、河合優実…キラリ輝く魅力を発揮、23年さらなる飛躍期待の若手俳優【女性編】

2022年もさまざまな映画やドラマが公開、オンエアされ、魅力的な新たな役者たちが観客や視聴者を魅了した。ここでは22年にキラリ光る演技を見せ、23年、さらなる飛躍が期待される若手女優たちの活躍を振り返りたい。

山田杏奈(左)、生見愛瑠【写真:ENCOUNT編集部】
山田杏奈(左)、生見愛瑠【写真:ENCOUNT編集部】

今年活躍し、来年の飛躍期待の若手俳優を特集

 2022年もさまざまな映画やドラマが公開、オンエアされ、魅力的な新たな役者たちが観客や視聴者を魅了した。ここでは22年にキラリ光る演技を見せ、23年、さらなる飛躍が期待される若手女優たちの活躍を振り返りたい。(文=磯部正和)

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○山田杏奈

 現在21歳にして、すでに実力派女優としての高い評価を得ている山田。22年は木村拓哉主演の連続ドラマ「未来への10カウント」(テレビ朝日系)をはじめ、「17歳の帝国」(NHK)、「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」(日本テレビ系)、「鵜頭川村事件」(WOWOW)、「テレビ版 山女」(NHKBSプレミアム)、「早朝始発の殺風景」(WOWOW)、劇場映画「HOMESTAY」と出演作が続いた。山田の大きな特徴と言えば、ファニーなルックスからは想像できないようなリアルな表情ができるところ。自身も「女優は汚いところを見せるもの」という言葉を大切にしていると言うが、デフォルメされたマンガチックなキャラから「ここまでやるの」という表情までけれん味なく見せる。役柄ならばどこまでも……という気概が感じられるからこそ、出演のオファーが絶えないのかもしれない。「30代になっても女優を続けていきたい」と語っていた山田。23年は、第35回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された「山女」で主演を務める。森山未來、永瀬正敏らベテラン俳優と真っ向から対峙(たいじ)するその姿は、今後の大いなる飛躍が期待できる。

○藤原さくら

 アーティストとして活動している藤原が、22年は2本の連続ドラマに出演し、視聴者に大きな共感を与える演技を披露した。藤原の女優業と言えば、16年に福山雅治主演のフジテレビ月9ドラマ「ラヴソング」で吃音症のため対人関係に臆病なヒロイン・佐野さくらを演じてデビュー。その後も舞台やミュージカルへの出演はあったが、22年の連続ドラマ「ファイトソング」(TBS系)で、清原果耶演じる主人公・木皿花枝の幼なじみ・萩原凛役で出演し、存在感を示した。凛は花枝と、花枝に子どものころから思いを寄せる夏川慎吾(菊池風磨)の幼なじみ。慎吾への思いを抱きながらも、慎吾と花枝がうまくいくことを願うという切ない役柄だ。さっぱりと男らしい雰囲気でありながら、慎吾への思いを秘める乙女心を見事に表現し、多くの視聴者から「凛ちゃん頑張れ!」と共感を得ていた。続く「束の間の一花」(日本テレビ系)では、余命宣告された女子大生・千田原一花を演じた。一花は、過酷な運命を背負いながらも、京本大我演じる萬木昭史へ思いを寄せる明るく前向きな女の子。どちらも視聴者に“共感”させる藤原の演技は素晴らしかった。23年は、いまをときめく城定秀夫監督作「銀平町シネマブルース」に出演する。商店街の一角にある映画館のアルバイト・足立エリカ役で出演。小出恵介、吹越満、宇野祥平らクセ者ぞろいの俳優のなか、どんな芝居を見せてくれるのか、いまから楽しみだ。

○生見愛瑠

 ファッションモデルとしてティーンから絶大な人気を誇る“めるる”こと生見。モデル・タレントとしての活躍が目立つが、22年は映画「モエカレはオレンジ色」でヒロイン・佐々木萌衣を演じると、連続ドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」でも、第4話のゲスト出演ながら、その演技は大きな反響を呼んだ。生見が演じたのは、運転するキックボードで事故を起こしてしまい、ひき逃げの容疑で訴えられてしまった堂前一奈。法廷での生見の迫真の演技が見られる。本作でプロデューサーを務めた新井順子氏は、生見のシーンについて何度も粘って撮影したことを明かすと、普段の華やかな印象を完全に消した生見の芝居に「めるるがすごくよかった」とワンシーンにかける思いを称賛していた。生見自身も23年は女優業を頑張りたいとイベントで発言していたように意欲十分。年明け2月には生田斗真主演の映画「湯道」への出演も決まっており、モデル・タレントだけではなく女優・生見愛瑠の活躍が大いに期待される。

○伊原六花

「バブリーダンス」で注目を集めた大阪府立登美丘高等学校ダンス部のキャプテンだった伊原。芸能界入り後も、ドラマ「チア☆ダン」(18年/TBS)など自身のポテンシャルを活かした作品への出演もあったが、22年は、伊原の潜在能力を存分に発揮したDisney+オリジナルドラマ「シコふんじゃった!」で圧倒的な存在感を示した。本作は1992年に劇場公開された周防正行監督の「シコふんじゃった。」の30年後を描いた物語。伊原は廃部の危機を迎えた名門大学相撲部の、たった一人の部員・大庭穂香を演じた。相撲の実力はすごいが「人生音痴」と言われるほどの女の子。劇中伊原は、天にまで届こうかと思うほど足を伸ばした四股を披露し、体幹の強さを示すと、東北なまりを見事に操り、素朴さとひたむきさ、力強さを見せつけた。コロナ禍により公演中止になってしまったが、ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリーSeason3」ではヒロイン・マリア役を射止めるなど歌もダンスも実力を兼ね備えた女優。2023年は1月クールのTBS火曜ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」に出演。北川悦吏子脚本、広瀬すず主演という話題作でどんなキャラクターを演じるのか非常に楽しみだ。

○河合優実

 22年、「愛なのに」「ちょっと思い出しただけ」「女子高生に殺されたい」「PLAN75」「冬薔薇」「ある男」「百花」「線は、僕を描く」と8本の映画に出演した河合。監督陣も、城定秀夫、早川千絵、阪本順治、川村元気、小泉徳宏と日本映画界のキーマンと呼べるような人物たちばかりだ。それぞれ主演という立ち位置ではなかったが、作品に欠かせない役柄を務めた河合。「線は、僕を描く」のような等身大の女性から、「愛なのに」のような一風変わった女子高生、さらには「PLAN75」のように社会人の役も難なくこなす。22歳ながらにして、年齢的にもレンジの広い役を演じられるミステリアスさもある。23年は、映画「桐島、部活やめるってよ」の原作者である朝井リョウの小説を実写映画化した「少女は卒業しない」で映画初主演を務める。映画畑で培ってきた演技力はさらに磨きがかかり、ジャンルを問わず躍進することは間違いないだろう。

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磯部正和

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