クリスマス、丸の内で笑顔届ける“神出鬼没”サンタの素顔 8年前から子どもたちに無料プレゼント

師走に入り、街はすっかりクリスマスムード。千葉・松戸市で特殊車両のレンタルサービスと特殊なコーティングを扱う「ジープカフェ東京」を経営する和田裕之さん(50)は、クリスマスにイルミネーションで有名な東京・丸の内の仲通り周辺にクラシックカーで出没。無料で記念撮影や子どもたちにミニカーを配る取り組みを8年前から続けている。いったい、なぜなのか?

赤いサンタに扮した和田裕之さん【写真:ENCOUNT編集部】
赤いサンタに扮した和田裕之さん【写真:ENCOUNT編集部】

丸の内仲通り周辺で活動 イルミネーションと旧車がマッチ

 師走に入り、街はすっかりクリスマスムード。千葉・松戸市で特殊車両のレンタルサービスと特殊なコーティングを扱う「ジープカフェ東京」を経営する和田裕之さん(50)は、クリスマスにイルミネーションで有名な東京・丸の内の仲通り周辺にクラシックカーで出没。無料で記念撮影や子どもたちにミニカーを配る取り組みを8年前から続けている。いったい、なぜなのか?

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 11月下旬、仲通り周辺に和田さんの運転する真っ赤な1959年式キャデラック・デビルが登場すると、イルミネーションを楽しんでいた歩行者の目が一斉に注がれた。サンタクロースの姿で車から降ると、「写真撮ってもいいですか」と声がかかる。集まった子どもたちには、大きな袋から取り出したミニカーを配った。予期せぬプレゼントに、「サンタさんにもらったよ!」と歓声が上がった。

 この日はキャデラックのほかに、1929年式のフォード車など2台の車も後続した。イルミネーションを開催中、仲通りは長時間の停車ができないため、撮影は周辺で行う。ドレスアップした子どもが車をバックに親子でカメラに収まっていく。もちろん、珍しい車の運転席に座ることも可能だ。華やかな雰囲気と風格のあるクラシックカーが絶妙にマッチしている。

「これは8年前から通りがかりの子どもたちに車に乗っていただいてミニカーをあげるという活動なんですね。去年はコロナでできなかったんです。いつもは丸ビル前なんですけど、このごろ人が多いのでちょっと閑散としたところでやっています」

 とはいえ、告知せずとも、通行人が自然と人だかりを作り、にぎわいを見せた。

 和田さんはかねてクリスマスの時期に独自に養護施設を訪問し、子どもたちにお菓子を配っていた。仕事上、クラシックカーにかかわることが多いことから、8年前に現在のスタイルに変えた。

「車が好きになってくれればいいなと。たくさん面白い車に乗って、車が好きになってくればいいなってことで始めました」

 すべての活動をボランティアで行っている。「車も撮影代も全部無償です。でもそのために仲間が集まってくれる。本当は13台ぐらいいるんですけど、コロナが増えてきたので、今日は誰も誘わずに来てくれる人だけでいいよと話をしていました」

 用意する車はそのときの気分で変えている。基本は「ピカピカに磨かれた古い珍しい車ですね。これすてきだなという車を持ってきています」。いくら古い車でも車検を取って、動態保存しているのが特徴だ。

「普段は触れられない車ですね。博物館に行ってもドアが閉まっていて前で写真を撮ることしかできない。だったらもうドアを開けて乗ってもらって、体感してもらう。そこはうちの主旨ですね。運転席に座っても助手席に座ってもいいですよという条件で貸し出しています。きれいな車はすてきだな、かっこいいなと歓声を生む。子どもたちに、こんな車に乗ったんだよと記憶に残ってくれればいいですね」

サンタとクラシックカーは親子連れに大人気【写真:ENCOUNT編集部】
サンタとクラシックカーは親子連れに大人気【写真:ENCOUNT編集部】

24、25日の両日に登場 「ぜひぜひ遊びに来てください」

 和田さんは「日本に1台」という米国ロサンゼルス市警のポリスカーも保有している。パトカーに乗ることなど通常はできないだけに、子どもたちの反応も格別という。

「いやいや大変です。もう喜んでしまって。クリスマスは20人ぐらい並びますね」

 仲通りを選ぶのは、「やっぱりイルミネーションがきれいだからですね。そこに尽きると思うんですよ。丸の内って日本の首都東京のど真ん中じゃないですか。そこでこういうことできるとうれしいですよね。赤ちゃんでも10歳でも道ゆくご老人の方でもぜひ触れていただければ」との理由だ。

 ミニカーを配るのは、「ちょっとおもてなしじゃないすけど、最後お土産をという意味で渡しています。車乗ったよね、これを見て思い出してねっていう。深い意図はないですね。会社の名刺が入っているとかないです(笑)」。これも企業の協賛は受けておらず、奉仕の精神で行っている。

 24、25の両日に仲通り周辺に繰り出す予定だ。神出鬼没だが、夜のとばりが下りるころがスタートの合図となる。

「楽しい街でございますので、ぜひぜひ遊びに来てください。時間を見ながら、どこかにいますので。サンタの格好でお待ちしています」と和田さんは結んだ。

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