憧れの1台を還暦祝いでゲット 車に乗る仕事で「病気治った」 筋金入り女性の愛車物語
還暦祝いに、若い頃からどうしても欲しかったアメ車を“自分へのご褒美”でゲットーー。清井智江子さん(62)の愛車は、1972年式の「シボレーコルベット C3」だ。板金業を営む夫と、“二人三脚”でこだわりの極上仕上げ。「出会いに感謝」というクルマとともに歩む愛車物語を聞いた。
「そこはやっぱり、夫の腕ですね」 72年式「シボレーコルベット C3」を夫婦で整備
還暦祝いに、若い頃からどうしても欲しかったアメ車を“自分へのご褒美”でゲットーー。清井智江子さん(62)の愛車は、1972年式の「シボレーコルベット C3」だ。板金業を営む夫と、“二人三脚”でこだわりの極上仕上げ。「出会いに感謝」というクルマとともに歩む愛車物語を聞いた。
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ナンバーは生まれた年にちなんだ「1960」だ。
「20歳の時からずっと思っていたんです。『赤のコルベットを買おう』って。40年たって、還暦のお祝いとして手に入れました。私にとっては、赤いちゃんちゃんこではなく、赤いクルマだったんです」
元来のクルマ好き。18、19で免許を取ってから、ディーラー店舗や配達業で働くなど、クルマは仕事にも深く関わってきた。
マツダ・ファミリアに乗ってレースに出ていたことも。カーイベントに通い詰めて、カーライフを満喫していた。
20代の頃からコルベットに憧れてきたが、周囲に乗っている人はあまりいなく、なかなか縁に恵まれなかった。「自分で買って乗るしかない!」。ずっと心に熱い思いを秘めてきた。
現在の愛車と出会ったのは、販売店からの連絡がきっかけ。「カリフォルニアから持ってきたばかりの1台があるよ」。子どもが巣立ち、ファミリーカーに乗る必要もなくなった。しかも、還暦の絶好のタイミング。無事にローンが通り、手に入れることができた。
手に入れた当時はすすが付いており、色もあせていた。整備が必要だった。
ここで、夫の出番だ。本業の後、夜な夜な1、2時間、毎日コツコツを整備を重ねた。ボディーの割れている部分も丹念に修復した。
最もこだわったのは、カラーリング。「当時のカラー番号を見て、色を混ぜて再現したんです」と夫が明かす。最終的な色合いは、智江子さんが決めた。鮮やかな赤の仕上がり。原色はもう少し黒の色味が入っているというが、少しオレンジが強めになっているという。
夫婦二人三脚でのオールペン(全塗装)。智江子さんは「そこはやっぱり、夫の腕ですね」と笑顔を見せる。
存在感を放つ、2シーターのオープンカー。自慢ポイントはたくさんある。「何とも言えない」ボディーライン、自ら手がけたカラーリング、アイアンバンパーなどなど。それに、「内輪差が短いので、曲がりやすく、乗りやすいですよ」。自然と、アメリカ雑貨にも凝り出し、おしゃれな内装にコーディネート。アメ車だけに、クッションは星条旗、カーイベント時はベティー・ブープの人形を飾り、雰囲気抜群だ。
コルベットを手に入れてから、インスタグラムを始めたところ、世界中の“コルベットファン”がフォロワーになってくれた。その数は約300人。「クウェートの方からもフォローされています」。これからも多くの人たちと触れ合うことのできるカーイベントに参加するつもりだ。
人生と寄り添う旧車生活。ガソリン車は時代の変化の波にさらされているが、「ガソリンをまき散らして走っていますが、私はガソリン車しか知らないんです。もちろん、ハイブリッド車もいいと思いますが、今のクルマはどうも覚えられない。同じような顔をしているように見えるんです。昔のクルマは1台1台に『これだ』という特徴があります。その個性が魅力的なんです」。思いがあふれる。
実は1度、クルマから離れた時期があった。そこで、痛感したことがある。
「クルマに乗らなくなったら、病気になっちゃったんです。そうしたら、子どもたちから『お母さんはまたクルマに乗った方がいいよ』って言われて。お菓子の販売店で働いていたのですが、配達の仕事に変えて、またクルマに乗るようになったら、病気が治ったんですよ」。運転することが、まさに原動力なのだ。
現在は、個人で介護タクシー業を営んでいる。「お年寄りの方々に、『私が自信があるのは、運転だけなんです』とお話すると、皆さんホッと安心されるんですよ」。仕事でも夫婦でも楽しむカーライフは、もっともっと充実していきそうだ。