車いすでも愛車はジムニー 介助なしで乗降、手動運転で「世界が広がりました」

車いすでありながらも、愛車のジムニーで人生を楽しんでいる20代女性がいる。10年ほど前、事故で車いす生活を余儀なくされたきよみさんは、知人の紹介で4年前に運転免許を取得。スズキのワゴンRとジムニーの2台を乗り継ぎ、充実のカーライフを送っている。

カーイベント「ガールズカーコレクション」でのきよみさんと愛車ジムニー【写真:ENCOUNT編集部】
カーイベント「ガールズカーコレクション」でのきよみさんと愛車ジムニー【写真:ENCOUNT編集部】

事故で車いす生活を余儀なくされるも、知人の紹介で運転免許を取得

 車いすでありながらも、愛車のジムニーで人生を楽しんでいる20代女性がいる。10年ほど前、事故で車いす生活を余儀なくされたきよみさんは、知人の紹介で4年前に運転免許を取得。スズキのワゴンRとジムニーの2台を乗り継ぎ、充実のカーライフを送っている。

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「10代で車いすになって、自分に車が運転できるとは思っていなかったんですが、知り合いから『車いすでも手動操作で免許取れるよ。取っちゃいなよ!』と勧められて。今のジムニーは2年半くらい前に、四駆もいいなと思って、手動装置の改造費込みで約200万円で購入しました」

 アクセルは足で踏むペダル式ではなく、ハンドル脇に取り付けられたレバーで手動で操作する。気になるのはその車高の高さだが、車いすからどうやって乗りこむのかと思いきや、開いたドアを手がかりに介助なしで難なく車内へ。乗降から運転まで、一人でもまったく問題ないという。

「私の場合、多少立ったりはできるので。それでも、目的がないとどうしてもおっくうになってしまう。大好きな車だからもっと乗りたい、走りたいという気持ちで、いいリハビリになってます」

 購入後は世界が一気に広がった。

「行動範囲は広がりましたね。オフロードで自分の足では絶対に行けないところにも行った。山の上、川の中、砂浜など、この子とだったらどこへでも行ける。世界が広がったこと、それが一番うれしいです」

 現在は四駆の運転技術の正確さを競うトライアル競技に熱中。制限時間内にテープに触れずコース内を走り切る競技で、初心者向けの大会に積極的に出場している。

「スポーツ競技って、障がい者と健常者とで分けて行われることがほとんどですけど、モータースポーツなら私でも同じ土俵で競技ができる。トライアルはレースなどと比べると年配の男性の方が多い競技ですが、いつかジムニー女子限定の大会を主催するのが今の目標です」

 免許を取得し、ジムニーと出会って大きく広がった可能性。これからも愛車とかけがえのない思い出を作っていくつもりだ。

次のページへ (2/2) 【写真】ハンドル脇に取り付けられた車いす利用者用の手動運転装置
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