下着モデル、白人主流から日本人が台頭 「生々しい」印象打破する元ギャルモデルの挑戦

モデルの中北成美がランジェリー業界で注目を集めている。かつて下着の広告といえば、外国人モデルが起用されることが多かったが、今は日本人モデルが主流だ。中北は元ギャル雑誌出身という経歴を生かし、異例となる最大15社の下着モデルを務め、自らも下着をプロデュースしている。キャリア14年目に入った中北に、活躍の理由を聞いた。

中北成美【写真:舛元清香】
中北成美【写真:舛元清香】

最大15社と契約 下着業界を席巻する元ギャルモデル

 モデルの中北成美がランジェリー業界で注目を集めている。かつて下着の広告といえば、外国人モデルが起用されることが多かったが、今は日本人モデルが主流だ。中北は元ギャル雑誌出身という経歴を生かし、異例となる最大15社の下着モデルを務め、自らも下着をプロデュースしている。キャリア14年目に入った中北に、活躍の理由を聞いた。

 中北がモデルの世界に踏み入れたのは19歳のとき。「高校生のとき、仲良かった友達に芸能界を目指している子がいて、それがきっかけですかね。そこからいろいろ紐づいてモデルになりました」。憧れたモデルは山田優。モデルとしての最初の仕事がランジェリーだったという。

 その後は雑誌でモデルとして活躍。2011年に雑誌「PopSister」で専属デビュー。さらに、「EDGE STYLE」に移籍し、ギャルモデルとして知られるようになる。同誌が14年に休刊した後は、モデルとしての方向性を模索。ドラマやバラエティーにも出演しながら今後、何を軸に活動すればいいのか悩みながら過ごしていたところ、増えていったのがランジェリーモデルとしての仕事だった。

 2016年には「美おっぱいコンテスト」で準グランプリを獲得。「そこからさらにランジェリーの仕事が増えました」と、勢いをつけた。最初は強くやりたいと思う方向性ではなかったが、「何か経験を生かしてそれを誰かに発信したい気持ちがあったので、やっているうちに楽しいなと思えるようになってきて、やりたかった仕事になっていったのかもしれないです」と、意識が変わった。

 ランジェリーモデルの中で、元ギャルモデルの中北は異色の存在だ。独特の個性として受け止められ、モデルを務めた商品は売れるようになっていく。「あるブランドさんから『売り上げが何パー上がったよ』と言っていただいたり、『ランキングに全部成美ちゃんがいろんなブランドでいるね』とか言われたりします。実際に販売サイトのランキングが全部私で埋まって、全部企業さんが違っていたこともありました」

 雑誌ではよく目にする“専属モデル”という肩書ではない。それもまた「異色だと思います。そこまで各ブランドさんにお世話になっているモデルはたぶんあんまりいらっしゃらないと思います」。契約数は、時期によって上下するものの、最大15社にのぼる。

 ギャル雑誌時代のファンも取り込み、企業とコラボし、自身で下着もプロデュース。そのデザインは「女性の悩みを取り入れて、こんなランジェリーがあったらいいなというコンセプトで生地とデザインを両立させたものです」。ここにも今までの経験を生かした視点があり、好評だという。

取材では自然体の笑顔を見せてくれた【写真:舛元清香】
取材では自然体の笑顔を見せてくれた【写真:舛元清香】

日本人は「生々しく見えちゃう」 下着モデルの印象打破

 同じモデルであっても、ファッションとランジェリーは異なる。仕事の中身も、携わるモデルの人数も違いはあるが、中北は「どっちもやりがいの幅は一緒で、あまり変わらないと思います」と言う。

「まずはだらしなく見えないようにするのが一番ですかね。繊細な感じで動くというか。本当に難しいですし、たぶん正解はないです」

 女性の下着モデル業界は長年、白人中心の外国人モデルがほとんどを占めた。「基本的にもう下着といえば外国人さんというイメージがありますよね」。日本人モデルは性的な視線を集めてしまい、「生々しく見えちゃうことがある」と控えられてきたという。

 日本人を起用した下着の広告は構図も独特だったと振り返る。

「今は本当に自然な感じで撮ることが増えたんですけど、昔はセットもヘアメイクもすごく作り込んだ撮影をしたんですよ。ランジェリーだけど、ランジェリーに見えないようにみんな作品みたいに作って、冊子で作ったりとかしていて。そこからちょっとずつ変えていったみたいな感じですかね。日本人だけど生々しく見えないように一つの作品にしちゃうみたいな感じでした」

 最近ではそうした慣習も徐々に変わり、日本人モデルが台頭。「ちょっとずつ日本人を起用していって、コロナで外国人モデルが帰ってしまったのもあって、さらに日本人を増やしたと思います」。その中で、中北も一つの中心的な役割を果たしており、「日本人モデルの起用が増えて、希望されるイメージを表現できるようにしています」と話した。

 今後は、ランジェリーだけでない分野で活躍の幅を広げていくことが目標だ。

「例えばスポーツウエアのモデルとかもやってみたいですね。いろんなことに挑戦していきたいので、変化を楽しんでもらえたらなと」と意気込んだ。

□中北成美(なかきた・なるみ)滋賀県出身。2011年4月号より雑誌「PopSister」を経て「EDGESTYLE」の専属モデルとして活動。ファッションモデルのみならず、抜群のプロポーションを生かし、ランジェリーモデルとしても活躍している。「美おっぱいコンテスト2016」準グランプリ。下着ブランド「アブソール」とのコラボ商品をプロデュースしている。

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