15日開催予定だったGAEA復活興行は2021年に延期!苦渋の決断もさらなるグレードアップを誓う

本来ならば、4月15日(水)は東京・後楽園ホールにて「GAEAISM -Decade of quarter century-」が開催されるはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、GAEA JAPAN(ガイア・ジャパン)の一夜復活大会は延期(2021年1月を予定)に。GAEAとはクラッシュ・ギャルズで一世を風靡した長与千種を中心に1995年4月15日、後楽園にて旗揚げ、解散までの10年間、女子プロレス界の中心を担ってきた伝説の団体である。

(左から)長与千種、彩羽匠、中島幸一郎GAEAISM運営事務局長、橋本千紘、里村明衣子【写真:新井宏】
(左から)長与千種、彩羽匠、中島幸一郎GAEAISM運営事務局長、橋本千紘、里村明衣子【写真:新井宏】

運営事務局は「時間を頂いた分、よりグレードアップした大会に」とコメント

 本来ならば、4月15日(水)は東京・後楽園ホールにて「GAEAISM -Decade of quarter century-」が開催されるはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、GAEA JAPAN(ガイア・ジャパン)の一夜復活大会は延期(2021年1月を予定)に。GAEAとはクラッシュ・ギャルズで一世を風靡した長与千種を中心に1995年4月15日、後楽園にて旗揚げ、解散までの10年間、女子プロレス界の中心を担ってきた伝説の団体である。

 実に15年ぶりとなるGAEA復活がアナウンスされたのは、今年2月5日に行われた記者会見だった。この頃、ウイルスについてはすでににニュースになってはいたものの、日本を含む世界的拡大にまで至るとは誰も予想していなかった。実際、発表後に販売されたチケットは初動で6割ほどがさばけたという。今回の問題がなければ立ち見券も出す予定だった。開催が危ぶまれていた状況にあっても、8~9割のチケットがすでに売れていたとのこと。普通に行われていれば超満員確実。まさにファン待望の復活だったのだが……。

 大会のため設立されたGAEAISM PROJECT運営事務局は、2月中旬あたりから開催と延期両面での準備を進めていた。開催の場合も検温器での体温測定や、それに伴うスタッフの増員、消毒液や配布用マスクの用意など、大会進行での演出面と並行しておこなっていたのだ。

 しかし、時が進むにつれて事態は大会が開催できない状況に流れていく。次々と中止に追い込まれたのはプロレスだけではない。観客が集まるイベントのほぼすべてが開催不可能になってしまったのだ。会場や関係団体などと協議を重ねた結果、大会延期の発表がされたのが4月3日。「お客様の安全確保が第一。そして、気持ちに不安のない状態で楽しんでいただきたい思いがあり、2021年に延期しました。単発のイベントなので、何かあった時に業界や選手たちにも迷惑はかけられないですから」とは、GAEA時代にリングアナウンサーを務めていた中島幸一郎運営事務局長。そして4月7日、安倍晋三首相による7都府県への「緊急事態宣言」が発令された。

 東京オリンピック同様、2021年に持ち越された「GAEAISM」。“GAEAの歴史と未来”を基本とするコンセプトは変わらず開催される予定である。発表されていたメイン&セミのカードも意味合いは変わらない。ただし、プロレスは生もの。メインで争われる長与千種と里村明衣子の弟子同士による頂上対決、彩羽匠(Marvelous) VS 橋本千紘(センダイガールズプロレスリング)は、決して延期の確約がされたわけではない。開催時に2人がどういった状況に置かれているか。「個人的にはもちろんこの2人にメインを任せるつもりです」と中島氏は言う。ただし、「一年経てば2人に取って代わる選手が現われることだって考えられます。お互いステータスを上げ、高いレベルでファンを納得させてほしいと思います」と、中島氏は彩羽と橋本にさらなる期待を寄せている。

 セミでおこなわれるGAEAオリジナルメンバーによる6人タッグマッチも同様だ。長与千種&里村明衣子&広田さくら組 VS KAORU&永島千佳世&植松寿絵組。ブランクがあり、この試合のために身体作りをおこなっていた長与、植松とも延期には賛成。とくに植松は現役ではないだけに精神的負担もより大きかったと思われる。それでも、「コンディションは作り直せばいいし、延期に向けてのコンディションを作り直します」と、運営事務局に伝え、理解を示したとのことだ。

 なお、大会にはスケジュールや負傷などにより出場できない選手もいたというが、延期によって彼女らが“復活”する可能性も出てきたのではなかろうか。「お客さんのニーズが第一ですが、枠争いになる可能性もゼロではないですね」と中島氏。発表前に延期が決まってしまったカードも含め、GAEAの歴史を振り返りGAEAISMを未来につなげるコンセプトに合致する選手であれば、21年開催のカードに割って入る可能性はあるということだ。

 現段階で大会は21年1月を予定しているという。購入済のチケットは次回そのまま有効で、特典のついた「プレミアムチケット」として利用でき、都合がつかない場合は払い戻し対応をとるとのこと。また、アーカイブから過去の試合映像を公開し、当時を知らないファンにもGAEAとはなにかを知ってもらえる機会を用意したいという。期間限定のはずが活動期間延長となった中島運営事務局長は、「時間を頂いた分、よりいっそうグレードアップした大会にしていきます」とコメントした。

 里村を筆頭に脅威の新人たちを輩出した旗揚げ戦から25年。日付(4・15)も会場(後楽園)も同じという、またとない奇跡を取り上げた新型コロナウイルスが恨めしい。さらには前日4・14ではスターダム後楽園という興行戦争も幻となった。長与が考える「仕掛け」も影響を受けること必至。それでもいまは事態の収束に向けて一人ひとりが協力することが必要だ。そうすれば、GAEAは必ず最高の状態で再び私たちの目の前に現われる。振り返ってみれば、突然ながらもGAEAは発表から解散まで半年間の時間があった。復活となる今回も時間がある。プロレス&エンターテインメント界の復活とともに、GAEA JAPANも蘇るのだ。

次のページへ (2/2) 【ギャラリー】長与千種、里村明衣子も参加!2月5日に行われた記者会見の模様
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