「ネタがなかったら、吉住という芸人は意味がない」THE W王者が語る強烈な自負

「キング・オブ・コント2022」で事務所の先輩・岡野陽一(40)とのコンビ「最高の人間」で決勝進出した女芸人の吉住(33)。11月16日に第3作DVD「吉住第5回単独公演『咲かないリンドウ』」を発売した。マルチな活躍を見せる吉住が今、考えていることは?

インタビューに応じた吉住【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた吉住【写真:ENCOUNT編集部】

第3作DVD「吉住第5回単独公演『咲かないリンドウ』」発売

「キング・オブ・コント2022」で事務所の先輩・岡野陽一(40)とのコンビ「最高の人間」で決勝進出した女芸人の吉住(33)。11月16日に第3作DVD「吉住第5回単独公演『咲かないリンドウ』」を発売した。マルチな活躍を見せる吉住が今、考えていることは?(取材・文=平辻哲也)

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 2020年には女芸人の日本一を決める「THE W」で優勝、「R-1グランプリ」では2021年、22年と2年連続で決勝進出を果たした実力派の最新DVDは今年7月に東京・新宿のシアターサンモールで開催した最新単独公演を収録したもの。一つ一つの短編が最後には約30分の大作「部屋という場所」に集約していく連作短編集といった趣向。吉住は観客をクレイジーな世界に迷い込ませ、クレイジーな人々を一人で演じきる。今の吉住の集大成といっていい。

「東京03の飯塚さんから『吉住はストイックな単独をやった方がいい。ストイックが似合うから』と言われたんです。だから1時間ちょっとでスパッと潔く終わっていいから、濃度の濃いすごいものを見せられたら。それで終わった後にちょっと立つのが億劫になるぐらいのものをお見せしたい、と。それで、今回は色々考えて単独全体が一つに繋がっていく構成にしました」

 毎回、ヤバい人たちが登場するネタ。どのように作っているのか。

「設定から考えることが多いです。ただ、自分の思い出の中から出てきたのもあります。例えば、(共感力の強すぎる女を主人公にした)『わかる女』は高校の時の話。私は硬式テニス部だったのですが、軟式の人数が足りないから3年の先輩の引退試合のために1週間だけ助っ人で加入したことがあったんです。正直1週間だと、そんなに関係性もできていないのに、3年の先輩を差し置いて、私が一番号泣したんです。きっと、みんな引いていたんだろうな。今回はヤバい自分自身をいじるネタも多かったかもしれないですね」と笑う。

 吉住はテレビ番組でもコントを披露しているが、10か月に1回のペースで開催している単独ライブのネタはひと味違うものになっている。

「単独は私の軸。バラエティーが得意な芸人さんもいますが、私はネタが勝負。ネタがなかったら、吉住という芸人は意味がないと思っています。ネタ番組や賞レースは時間の縛り、コンプラもあるので、『こんなことはテレビでは無理だよね』みたいなこともやっちゃうぐらいの感じで自由にやっています。だから、納得できるものを出し続けたい。あんまり自分に自信があるタイプでもないですけど、今回の単独は特に『良かったよ』という声をいただけたので、自信になって、いろんな仕事に臨めている気はしますね。お客さんの人数もだんだん増えているのはすごくありがたい」と感謝する。

マルチに活躍する吉住【写真:ENCOUNT編集部】
マルチに活躍する吉住【写真:ENCOUNT編集部】

マルチな活躍「ドラマや映画に出て、ちゃんと吸収して帰っているのかな」

 今年に入ってからは1月放送の「科捜研の女 Season21」(テレビ朝日)に女優としてゲスト出演し、6月にはフジテレビの「脚本芸人」で初のドラマ脚本も執筆した。

「今回は、芸人さんから『演技がヤバかった』と言ってもらうことが多くて、ドラマや映画に出て、ちゃんと吸収して帰っているのかな、と。今回の最後のネタが30分くらいの長さになったのも、脚本の仕事をさせていただいたのが大きいかもしれないです。元々は3分のネタしか書けない人間だったので、長尺のネタを書く筋力がついたのかな。全部やってきた経験をいかせているのかなって」と自信をにじませる。

 今もマルチな活躍を見せているが、今後もやりたいことは山積みだ。

「単独を大きくしていきたいですし、ドラマや映画にも出たいし、脚本もやりたい。小説も書きたい。バカリズムさんが超かっこいい活躍をされていますね。芸人でも安心して脚本を任せるとなったのは、バカリズムさんが切り開いてくださったからだなと思っています。バカリズムさんは『俺が開拓した土地に、気づいたらみんながいた』と言われていたことがあって。だけど、疎ましいなって思われるぐらい頑張って、背中を追っていけるようになれたらいいなとは思っていますね」と声を弾ませる。

 キング・オブ・コントでは惜しくもファイナルステージ進出とはならなかったが、今はどんな思いか。

「コントをやっている人間なら、立ちたい舞台だと改めて思ったし、みんなコントが好きな人たちの空間だから、最高なんですよね。やっぱり反響が一番大きかった気がするから、またやってみたいという気持ちはありますね」とリベンジを誓った。

□吉住(よしずみ)1989年11月12日、福岡県北九州市出身。スクールJCA23期生。血液型:O型。趣味:テニス・他人の子供の成長を見守る。特技:球技・単純作業に耐える・映画開始10分で物語のラストを想像して泣く。

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