【ONE】青木真也、「BreakingDown」の全否定に違和感「やんちゃな子を排除したら居場所ない」

アジア最大の総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」が開催する「ONE 163」(ABEMAでPPV配信)は19日、シンガポールのインドア・スタジアムで行われる。第2代、第6代ONE世界ライト級王者・青木真也(Evolve MMA)はザイード・イザガクマエフ(ロシア・ダゲスタン)と対戦する。試合が2日後に迫った青木が急速に消費されていきながらも盛り上がりを見せている現在の格闘界について語った。

現在の格闘界を語った青木真也【写真:ENCOUNT編集部】
現在の格闘界を語った青木真也【写真:ENCOUNT編集部】

「結局さバイアグラみたいなもんだから」

 アジア最大の総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」が開催する「ONE 163」(ABEMAでPPV配信)は19日、シンガポールのインドア・スタジアムで行われる。第2代、第6代ONE世界ライト級王者・青木真也(Evolve MMA)はザイード・イザガクマエフ(ロシア・ダゲスタン)と対戦する。試合が2日後に迫った青木が急速に消費されていきながらも盛り上がりを見せている現在の格闘界について語った。(取材・文=島田将斗)

 2022年の格闘技界。フロイド・メイウェザー(米国)やブアカーオ・バンチャメーク(タイ)のエキシビションマッチが日本では大きく取り上げられた。そして朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める1分間最強を決める格闘技エンターテインメント「BreakingDown」は社会現象とも言える広がりを見せている。

 11月2日に開催された「BreakingDown6」の前日会見ではとある参加者がパイプ椅子で別の参加者を奇襲。顔面から流血する瞬間が生配信された。これにたちまち格闘技界から非難の声が殺到。有名選手までが言及する事態となっていた。

 明言を“あえて”避けてきた青木だがこの件について「バイアグラ」に例えて語り出した。

「俺、全然否定しない。なんかさ二極論になってない? こう『BreakingDown』ファックの人たちと『俺たちが格闘技だ』って言ってるのが“バカ発見器”なんだよね。朝倉未来ってずげーなって思った。結局さ、バイアグラみたいなもんだから。心臓の薬作ったら勃起薬できたみたいな」

「PRIDE」「DREAM」プロレスと日本の格闘技が盛り上がるどのシーンにも青木はいた。そんな“レジェンド”だからこそ有名人がこの件に反応することに「え、うそ?」「お前も?」と大きな違和感を抱いていたようだ。

「あれにムキになっている人に『えー?』って思った。格闘技の一部、格闘技のはんちゅう。あれもPV数とか再生回数とかの話と一緒じゃないですか。缶コーヒーに怒ってるコーヒー屋のおやじみたいなもんだよ。だって缶コーヒーって飲み物じゃん。それとこだわってるコーヒーって別じゃん。缶コーヒーまで下りていっちゃダメでしょって」

「BreakingDown」が批判の的になる原因には刺青や参加者の黒い過去などさまざまな問題がある。そういった人たちをこのイベントで活躍させ、救うという意味合いもあるのがこの大会だ。

 やんちゃな人間も含めて格闘技の一部だという。「そもそもやんちゃな子たちをそこから格闘技から排除しちゃったらどこ行くの? その子たちは。居場所ないじゃん。そもそもさ、格闘技とかボクシングだって昔はさ、例えば学校から外れちゃった、うまくできないって人たちが、一般で勝負するのがボクシングとか格闘技、プロレスだったわけじゃないですか。それをコミュニティーのなかでどんどん排除していったらそいつらはどこ行くの? 格闘技ってセーフティーネットじゃなかったのって」と強調した。

 その上で「結局調和だから。いかにみんな調和できてうまくできてその人たちが形になっていけばいいんじゃないのって。『子どもたちが見てどう思うんだ』『あこがれないね』とかみんな言うけれど、それを教えるのが周りの大人の仕事でしょって。ネガティブな要素がそんなに多いと思っていない。それはそれで救われる人がいるんだったらいいんじゃないって、思う。攻撃する人たち、結構信じられない」と語った。

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