「キユーピー3分クッキング」番組Pが明かす舞台裏 収録時間は30分、スタッフが躍動

日本テレビ系お昼の長寿料理番組「キユーピー3分クッキング」(毎週月~土曜、午前11時45分)が年明けに放送60周年を迎える。「簡単」「便利」「毎日の献立作りに役立つ」をキャッチフレーズにおいしいレシピを届けてきた同番組だが、“還暦”を前に少子化や1人世帯、環境意識の高まりなど時代の流れに応じた変化に取り組んでいる。スタジオ内のキッチンで次々と出来上がる料理はどれも食欲をそそる。収録の合間に日本テレビ放送網コンテンツ制作局の清水真美子プロデューサーが取材に応じた。

「料理が主役」と話す日本テレビの清水真美子プロデューサー【写真:鄭孝俊】
「料理が主役」と話す日本テレビの清水真美子プロデューサー【写真:鄭孝俊】

収録は月4回、1か月先を見越した旬の食材選びが必要

 日本テレビ系お昼の長寿料理番組「キユーピー3分クッキング」(毎週月~土曜、午前11時45分)が年明けに放送60周年を迎える。「簡単」「便利」「毎日の献立作りに役立つ」をキャッチフレーズにおいしいレシピを届けてきた同番組だが、“還暦”を前に少子化や1人世帯、環境意識の高まりなど時代の流れに応じた変化に取り組んでいる。スタジオ内のキッチンで次々と出来上がる料理はどれも食欲をそそる。収録の合間に日本テレビ放送網コンテンツ制作局の清水真美子プロデューサーが取材に応じた。(取材・文=鄭孝俊)

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

――「キユーピー3分クッキング」は60年続く長寿番組ですが、番組タイトルに古臭さを感じません。

「『簡単』『便利』『毎日の献立作りに役立つ』といった番組コンセプトが現代という時代においても家庭での食生活のスタイルにマッチしているからだと思います。番組には今井亮、小林まさみ、近藤幸子、田口成子、ワタナベマキ、計5人の先生がいらっしゃいますが、どの先生も派手な調理手法ではなく家庭で誰もが作れるように配慮しながら料理しています。料理が主役、それが『3分クッキング』の最大の特徴です」

――「3分クッキング」というタイトルに「番組の尺は10分だよね」とツッコミを入れる声があります。

「『3分クッキング』の放送開始当時は5分間の枠で実際の料理部分が3分だったことに由来しています。現在の放送枠は10分間で、実際の内容部分は7分強。そのため、前もって食材を炒めたり、焼いたり、茹(ゆ)でたり、などの下ごしらえが必要です。スタジオではキッチンで先生が料理を進める一方、カメラに映らないスペースでスタッフが並行して料理をしていきます。先生が『このまま3分間煮ます』と説明した後、すぐに3分間煮た食材をキッチンに運ばないといけません。このタイミングを合わせるのがすごく大事です。平均すると7分強の料理部分にだいたい30分ぐらい時間をかけています。料理のシーンは和やかで楽しそうに見えるでしょうが、実際はキッチンの周囲を多くのスタッフが鍋やフライパンを持って慌ただしく動き回っているので活気にあふれています。収録は月4回あり1日で1週間分、計6本を収録します」

――旬の食材を使った料理もおいしそうです。献立は誰が考えていますか。

「まずそれぞれの先生が提案して、スタッフとの打ち合わせで食材や料理がかぶらないよう調整していきます。食材については秋ならさつまいも、里いも、大根、ごぼう、きのこ類、サンマなどがすぐ頭に浮かびますが、実は収録は放送日の1か月前というサイクルで回しています。1か月先を見越した旬の食材選びが必要となるわけですからサンマなど漁獲量によっては視聴者の方々が入手しにくい食材もありますので、その場合は冷凍を使って代用しています」

――この60年で料理方法はどう変化しましたか。

「いまスタジオでは中華料理の大根餅を作っています。じっくり料理するなら蒸篭(せいろ)や蒸し器を使って大根餅を蒸していきますが、家にそれらがないご家庭も多いので番組ではフライパンや電子レンジを使ってさらに簡単、手軽に作る方法を見せていきます。シューマイもフライパンでしっかり作ることができます。作り方がシンプルだと『私も料理してみよう』という気持ちが生まれてきます。家で、そして自分で料理を作る楽しさを体験していただけたらうれしいです」

――季節によって番組内容は変わりますか。

「年間を通してみると、3月と4月は大学生や会社員が新しい生活を始めますので誰でも家で簡単に作ることができる初心者向きの料理を土曜企画で特集しています。食材の切り方、分量の測り方も紹介して料理の垣根を低くするよう心掛けてます。外食もいいですが、家で作ると経済的だし、できたてはやっぱりおいしい。夏休み期間中になると親子で作る『夏の親子クッキング』を企画して、子どもたちにも料理に関心を持ってもらえるよう知恵をしぼっています。『親子クッキング』ではお絵描き気分でトッピングできる『お顔ピザ』やレンジで作れるロールケーキ、牛玉丼がおいしそうに仕上がりました」【後編に続く】

□清水真美子(しみず・まみこ)1979年生まれ、東京都出身。上智大学外国語学部卒業。2001年に日本テレビ放送網入社。『キユーピー3分クッキング』『世界まる見え!テレビ特捜部』『読響プレミア』などをプロデューサーとして担当。

次のページへ (2/2) 【写真】たくさん準備されているキユーピー人形の手編み衣装
1 2
あなたの“気になる”を教えてください