コロナ禍の現場で対応する医師の本音を緊急アンケート  「マスクが足りない」「手に入っても高額」切実な声

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、医療現場で対応する医師たちの間で、マスク不足が未だに深刻な状況にあることが、民間企業によるアンケート調査結果で浮き彫りになった。医療機関の現状と最前線で働く医師の本音についてのアンケートで、マスクを3日で1枚使用する、2月からマスクの納入が止まっているなど、マスク不足の中で治療を継続していくことに不安を感じる声が寄せられた。

診察・医療現場のイメージ【写真:Getty Images】
診察・医療現場のイメージ【写真:Getty Images】

新たに解禁となる初診オンライン診療は「賛成が50%、反対が19%」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、医療現場で対応する医師たちの間で、マスク不足が未だに深刻な状況にあることが、民間企業によるアンケート調査結果で浮き彫りになった。医療機関の現状と最前線で働く医師の本音についてのアンケートで、マスクを3日で1枚使用する、2月からマスクの納入が止まっているなど、マスク不足の中で治療を継続していくことに不安を感じる声が寄せられた。

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 今回のアンケート調査は、医師人材総合サービスを手がけ、「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を運営する株式会社エムステージ(東京都)が4月9日、「Dr.なび」会員医師を対象にインターネットを用いて実施したもの。有効回答数は180人。

 10日に同社が公表したプレス資料によると、ポイントの一つとなるのが、医療機関でのマスク不足だ。回答者180人のうち、149人がマスク不足を訴えた。

「新型コロナウイルス感染症拡大前後で先生方を取り巻く環境に変化はありましたか?(複数選択可)」の問いに対して、「マスク不足」の回答が最も多く、149人を記録。そのほか、アルコール消毒液や防護服など、治療に欠かせない物資の不足などに困っているという声が多数上がった。また、感染を恐れることで、受診が必要な慢性疾患の患者や、軽症で自宅療養可能な患者の通院が減少したとの声もあった。

「新型コロナウイルス感染症拡大の前後で環境に変化はありましたか?」アンケート結果の画像【画像提供:株式会社エムステージ】
「新型コロナウイルス感染症拡大の前後で環境に変化はありましたか?」アンケート結果の画像【画像提供:株式会社エムステージ】

 コメント抜粋として、「マスクが足りない、3日で1枚の利用になっている(精神科)」、「マスクは3日に1枚になりました(小児科)」、「マスクの入荷は2月よりなし(内科)」、「アルコールが手に入らず超音波での骨密度検査ができなくなった(乳腺外科)」、「マスクや防護服が少なくなっているので節約している(消化器内科)」、「マスク・手袋などが不足。もしくは手に入っても高額(麻酔科)」、「コロナを心配してか、患者数が減りました(整形外科)」、「風邪症状の初診患者さんが増加した(内科、泌尿器科)」、「医療資源の供給が滞っており、不安がある(産婦人科)」などがあった。

 医師が患者に求めることについては、「手洗い・うがいなど感染予防の徹底」、「不要不急の外出を控え感染を予防すること」、「医療従事者への根拠のない差別をしないこと」、「症状が軽度の場合は自宅療養をすること」といったポイントが挙げられた。

 コメント抜粋として、「外出自粛。熱発しても初期は自宅安静で経過を観て欲しい(基礎疾患の無い患者は)(整形外科)」、「医療従事者への風評被害をやめて欲しい(皮膚科)」、「根拠のない医療者差別は是非止めて頂きたい(呼吸器内科)」、「定期薬がなくなるようであれば、必ず処方してもらうようにして、飲まないことがないようにしてほしい(血液内科、一般内科)」、「抗ウイルス薬やワクチンが実用化されるまではご自身で身を守る努力をしていただきたい(内科)」、「心配だからと言って、特に症状がないのに検査目的だけで医療機関を直接受診しないでほしい(救急、プライマリケア)」など。

 また、今回解禁となり、注目されている初診からのオンライン診療について、賛成が50%、反対が19%、31%がどちらでもないとの回答が得られた。初診解禁のメリットとしては、「ウイルス感染予防」の回答が最も多く、そのほかに、「受診の利便性が高まる」「医療従事者の負担軽減につながる」などがある一方で、デメリットとしては、「誤診や症状などの見落としの可能性が出てしまう」が多く、「導入時のコスト」「高齢者には利用しにくいのでは」などがあった。

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