女優の深津絵里が11日、都内で行われた新海誠監督の最新アニメーション映画「すずめの戸締まり」の初日舞台あいさつに出席。意外にもキャリア初となる声優に挑戦した深津は「とっても怖かったです」と声だけの演技を振り返った。

「君の名は。」（2016年）、「天気の子」（19年）に続く、新海監督の3年ぶりとなる最新作。日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く現代の冒険物語。深津はすずめの叔母・岩戸環を演じた。

　初めてのアフレコは「思い通りにできなくてどん底まで落ち込んで、でも次の収録があるからなんとか気分を変えようとあてもなく街を歩き続けたり、新幹線に乗って京都のお寺で心を静めたり」と苦労を吐露。それでも「この年齢でトライできて、うれしい。監督に感謝申し上げます」と笑顔で話した。

　新海監督から「どうして出演していただけたのか？」と聞かれると、深津は「逆になぜ私にやってほしいと？」と質問返し。新海監督は「僕は環を演じるのは難しいと思っていた。嘘のない叫びを聞かせてもらわないとキャラクターとして成立しにくい。そこで、ふっと深津さんが浮かんだんです」とオファーの理由を明かした。

　オファーの際、「すずめの戸締まり」の脚本と絵コンテを受け取った深津は「世界中のファンがいてみなさんに届く作品を作っているけど、今回はたった1人の、その人だけに届けばいいというピュアなものを感じた。経験のない私にやってほしいと思うには何かあるのではと。下手くそながらもぶつかろう、そう思ったんです」と語った。

　舞台あいさつにはそのほか、原菜乃華、SixTONESの松村北斗、染谷将太、花瀬琴音も登壇した。