バイク女子4人の愛車物語を取材 子育て中にハマった“バイク沼”、大けがからの復活…

人生と同様に、バイクへの巡り合いや楽しみ方も十人十色だ。名車「カワサキWシリーズ」が大好きな女子仲間4人組に聞くと、子育てが落ち着いてから復活した“バイク愛”や、子育て中にひょんなことからバイク道をまっしぐら、けがからの復活、思わず珍しい型をゲット……。さまざまなストーリーが紡ぎ出された。

バイク女子仲間4人組の人生ストーリーを聞いた【写真:ENCOUNT編集部】
バイク女子仲間4人組の人生ストーリーを聞いた【写真:ENCOUNT編集部】

名車「カワサキWシリーズ」が大好きな4人組 紡ぎ出される人生ストーリー

 人生と同様に、バイクへの巡り合いや楽しみ方も十人十色だ。名車「カワサキWシリーズ」が大好きな女子仲間4人組に聞くと、子育てが落ち着いてから復活した“バイク愛”や、子育て中にひょんなことからバイク道をまっしぐら、けがからの復活、思わず珍しい型をゲット……。さまざまなストーリーが紡ぎ出された。

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 自身にとって8台目となるカワサキW800SEを駆る葉子さんは、根っからのバイク好き。高校1年の時に大ファンだった、もんたよしのりの「バイクはええで~」のひと言に感化された。雑誌「ミスター・バイク」を愛読するようになり、女の子がバイクで日本中を旅する片岡義男のバイク小説「幸せは白いTシャツ」にハマった。17歳で中型免許を取り、バイクの魅力にどっぷり漬かった。

 ライフステージとともに、1つの決断をした。30歳で結婚と同時に、一度バイクを降りた。子どもが大きくなり、「ふつふつと寂しさが沸いてきたんです」。子どもの習い事などの送り迎えのため生活の足として、ネイキッドの250CCを買ったのが9年前のこと。16年間バイクから離れていたが、「そこからどんどんツーリング欲が高まったんです」。行きつけのバイク屋の客仲間を集めてツーリングクラブを発足。そして、大型免許を取得し、“大型デビュー”を果たした。

 W800を手に入れてからは、「長距離ライダーに変身しました」。10月のシーズン中は磐梯吾妻から那須2泊1220キロや、オフ会で下呂温泉1泊800キロなどを満喫。「私は下道で四季折々の景色を眺めながら走るのが好きなんです。食べ物や観光もそうですが、それより道中を楽しむのが私のスタイルです」。長く楽しむバイクライフを見据えており、「夢は、細切れになってもいいので、いつかバイクでキャンプをしながら日本一周してみたいですね」と目を輝かせた。

 衣花(きぬか)さんの愛車は、2019年式カワサキW800ストリートだ。「W3アズキカラーのオリジナルカスタムで、世界に1台の800なんですよ」。中古で見つけた激レアものだ。800シリーズが欲しくて、毎週のようにバイク屋を巡っていたところ、半年後にぽろっと出てきた。「3年落ちで800キロしか走ってない。それに、まったく傷の入っていない状態。即決でした」。去年の秋にゲットした。

 貴重なカラーリングが自慢で、「よく高速のSAのバイク駐車場に止めていると、『おおっ、W3カラーなのに、なんでW8なの?』とオジサマ方から声をかけられます。それに、バイク仲間たちの間であだ名が『キノコ』と言うのですが、よく『どこどこでキノコ発見した』と目撃情報が上がっています(笑)」。

 実はバイクに乗り始めたのは、子育てがきっかけだ。「子どもが小学生になって自転車では重くて大変、でも、坂の多いところに住んでいるので、生活の足としてバイクが便利なのかなと思ったんです。小型免許を取ったら、中型AT限定、そして大型。1年間で3回、教習所に通いました(笑)」。一気にのめり込んだという。

 3年前にハマった“バイク沼”。それまで趣味を持っていなかったが、一生楽しめる趣味が見つかった。「ママ友や会社の友達以外に、バイクでつながる世界が広がりました。バイクに乗ることはストレス発散になりますし、バイク仲間との世界をこれからも楽しみたいです」。1日800キロ走るのはざらにある。そして、何より大事にしているのが、希少カラーの車体に傷を付けないことだ。「タンクは絶対に傷付けないように死守したいです。もし倒れる時は、タンクを守りながら倒れます」。熱い思いを聞かせてくれた。

名車「カワサキWシリーズ」の愛車が4台そろった【写真:ENCOUNT編集部】
名車「カワサキWシリーズ」の愛車が4台そろった【写真:ENCOUNT編集部】

事故から見事に1年で復帰 バイク歴3年で「フェイスブックは私の成長記録」

 もともとバイクに乗るつもりはなかったのに、すっかり筋金入りのバイカーがもう1人。W650aki.tさんだ。05年式カワサキW650クロームエディションをめでる。きっかけは仕事仲間から誘われ、お付き合い程度に免許を目指した。自転車で練習して1発で中型を取得。さらにその友人に勧められ、教習所に通って大型免許を取得。約10年前のことだ。

 その後1年間何もしなかったが、「せっかく取ったのにもったいない」とバイク屋に行って中古で見つけたのが現在の愛車だ。お気に入りはクロームメッキの輝きで、安全に乗れるようカスタムを施している。バイク歴は8年。「自分だけで10万キロ以上走っています。先日は『111111キロ』のゾロ目になって記念写真を撮りました」と笑顔を見せる。長距離をぐんぐん走るようになり、九州には4年連続ツーリング。1年目はオール陸路で行きは13時間の予定が18時間以上かけて走った。1300キロ以上の道のりは「きつかったので、さすがにフェリーを使うようになりました」。

 だが、思わぬ悲劇に見舞われた。2年前の秋、熊本・阿蘇で坂道Uターンに失敗して転倒。右足の甲の骨4本を折る大けがを負った。2度の手術、1年間のリハビリ。「事故当時は、一緒にツーリングに行った人や家族・友人に迷惑をかけてしまったという思いでいっぱいでした。自分自身のけがについては、周囲が思うよりは自分はへこんでいなかったです」。足の腫れが引くまで2週間入院し、手術。ボルトを抜くためにもう1度手術をした。小さなホンダ・モンキーでリハビリを始め、見事に1年で復帰を果たした。「元に戻れるかという不安もありましたが、今はこうして長距離を楽しんでいます。私はバイクを磨くことも好きです。子どもが大きくなったので、自分の時間でバイクに乗ったり、ピカピカに磨いたり、カワサキW仲間ともツーリングを楽しんでいきたいです」と声を弾ませた。

 最後に登場のkiyomiさんは、バイク歴3年。生活の足としてバイクが欲しかったことから免許を取得。当初はカワサキ・エストレヤを買いたかったが、「初心者にぴったりということで、サイズ感、足つきのいいカワサキW175SEにしました。カワサキインドネシアからの逆輸入モデルだったそうで、どうも珍しいようです。『かわいいバイクですね』『かっこいいバイクですね、何て言うバイクですか?』と声をかけられます」という。

 免許取得後、少しでも走れるように1人で練習を重ね、観音崎まで行った時に出会ったのが、カワサキW800SEに乗る葉子さんだった。そこから交流会のフェイスブックに参加し、仲間が増えていった。練習を重ねて、どんどん遠くに行けるようになった。ツーリングの様子を投稿しており、「フェイスブックは私の成長記録みたいになっています」と笑う。

 ツーリングをしていると、バイク仲間は優しく明るく接してくれて、声をかけてくれたり、手を振ってくれる。「バイクに乗り始めた時、自由の翼を手に入れたという気がしたんです。自分の好きな時に好きなところに行くことができる。それに、皆さん大型に乗っているので、もうちょっと大きなバイクに乗ってみたいな、なんてことも思っています。これからもバイク仲間を増やしながら、距離を伸ばしていきたいです」。とびっきりの思い出を作っていくつもりだ。

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