320万円で購入した“ワイスピ車両”、現在の価格は最高1350万円 それでも「売るつもりない」

世界的ヒット映画「ワイルド・スピード」シリーズに登場するタイプの“ワイスピ車両”が、多くのカーイベントで存在感を放っている。人気が高いモデルの1つが、「VeilSide RX-7 Fortune」だ。熱視線が注がれる愛車のオーナーたちに直撃した。

ハンが乗っていた“ワイスピ車両”がTOMOさんの愛車だ【写真:ENCOUNT編集部】
ハンが乗っていた“ワイスピ車両”がTOMOさんの愛車だ【写真:ENCOUNT編集部】

「この車は家族と同じぐらい大事なんです」 ワイスピVeilSide RX-7 Fortune

 世界的ヒット映画「ワイルド・スピード」シリーズに登場するタイプの“ワイスピ車両”が、多くのカーイベントで存在感を放っている。人気が高いモデルの1つが、「VeilSide RX-7 Fortune」だ。熱視線が注がれる愛車のオーナーたちに直撃した。

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 シリーズ3作目「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」で、人気キャラクターのハンが乗っていたのが、VeilSide RX-7 Fortune。オレンジ×黒の映画仕様のレプリカを所有するTOMOさん(38)は、VeilSideの大ファンで、もともとマツダ RX-7(FD)にフルエアロを施すなどカスタムして楽しんでいた。オイル交換をしに車屋に行った時に、たまたま見つけたのが、現在の愛車だ。

「この個体がセールに出ていたんです。憧れの車でしたが、間近で見たのは初めて。エンジンをかけたり、運転席に座らせてもらったり、40分間で決断しました」。前の車を下取りに出してローンを組んだ。2018年10月に購入したが、実は家族に内緒で契約した。「家族に黙ってハンコを押して買った車なんです。『前の車の方がよかった』『なんでこんな派手な車に乗り換えたの』と怒られました(笑)」

 ボディーキットが発表された当時からモデルカラーやデザイン・形状を気に入って憧れを持っていたが、映画のシーン自体は「うっすら知っている程度だったんです(笑)。車を買ってから急いで映画をしっかり見ました(笑)」とこぼれ話を明かす。

 普段から通勤で乗っており、渋谷の交差点をよく通る。劇中では、“渋谷”が設定の路上で激しいカーチェイスが繰り広げられる。映画ファンはアッと驚くだろう。「スクランブル交差点の一番前に止まって待っていると、よく声をかけられます。『これ、ハンの車ですよね?』という感じで。外国人の方から『ストップ、フォト、プリーズ』と写真を撮られたり。楽しい出会いがたくさんありますよ」と笑顔を見せる。

 購入当時は約320万円。現在の流通価格を調べると、「状態のいいタイプの車は一番高くて1350万円になっていて、色違いのタイプでも950万円ぐらいの値段になっています」という。海外などのコレクターからの購入希望の連絡を受けるが、断っている。「自分にとっての最後の車なのかなと考えています。売るつもりはないです。墓場まで持っていく、それぐらい乗り続けたいです。この車は家族と同じぐらい大事なんです」と、愛車への熱い思いを語る。

 普段使いだけに、70代の母親が乗ることもあるという。「これでサミットやイトーヨーカドーに母が買い物に行くこともあって。『若い子たちから声をかけられたわよ』って(笑)。こう見えて、中には買い物カゴを積んでいます」。世界のカーマニア垂ぜんの1台だが、ギャップがなんとも愛くるしい。

グレイッシュグリーンマイカがまぶしいクログレーさんのRX-7 Fortune【写真:ENCOUNT編集部】
グレイッシュグリーンマイカがまぶしいクログレーさんのRX-7 Fortune【写真:ENCOUNT編集部】

19歳の時に購入「その時は普通のRX-7でした(笑)」

 一方で、黒×グレーのクールな輝きが印象的なRX-7 Fortuneのオーナー・クログレーさん(42)。「免許を取った19歳の時にノーマルを買って、その時は普通のRX-7でした(笑)。そこからこの形にしました。だからずっと乗っているんです」。根っからのVeilSideのファンで、約10年前に現在のカスタム仕様に仕上がったという。

 お気に入りのグレーのカラーリングは「グレイッシュグリーンマイカと言って、80スープラの色なんですよ」。こだわり満載の1台で、「もう原型がないぐらい、いじっちゃっているんで(笑)」。エンジンはオーバーホールして排気系をポート加工、タービンをギャレットのTO4Zに交換するなど徹底。内装は赤×黒で統一し、一部は自ら施工。おしゃれ感を漂わせている。カスタム費用は「ずっとやっているんで、たぶん1000万円を超えているでしょうね」とのことだ。

「子どもの頃にミニ四駆で遊びましたよね、クルマをいじるのはあの感覚なんです。そのまま、クルマでも同じようなことをやっているイメージです」と、自慢の1台を優しい表情で見つめるクログレーさん。23年乗り続ける愛車は、年式は1995年式だ。「車体自体はもう旧車の域なんです。塗装をきれいにしながら整備して、これからも乗り続けていきたいですね」と思いを語った。

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