Z世代の22歳が国産スポーツカーの旧車に乗るワケ 驚きの「90年代“走り屋”風」カスタム
自分より、ほぼ“ひと回り”年上の国産スポーツカーを愛する若き男性オーナーがいる。22歳が持つマツダ・サバンナRX-7は、平成元年・1989年式だ。父親譲りのRX-7好き。そして、尊敬する先輩たちの背中を見つめる、旧車オーナーの覚悟とは。
「父は初代サバンナに40年間、ずっと乗っているんですよ」
自分より、ほぼ“ひと回り”年上の国産スポーツカーを愛する若き男性オーナーがいる。22歳が持つマツダ・サバンナRX-7は、平成元年・1989年式だ。父親譲りのRX-7好き。そして、尊敬する先輩たちの背中を見つめる、旧車オーナーの覚悟とは。
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「好きなものに全力投球するタイプなんです」。こう話しながら、爽やかな笑顔を浮かべる。愛車を手に入れたのは、3年前。真っ赤なサバンナRX-7の5人目のオーナーになった。
高校時代にガソリンスタンドでバイトをしまくって、お金を貯めた。しかし、折しも旧車の国産スポーツカーブームによる高騰化と重なった。「実は当時買いたいと思っていた個体はお店に頼んでいたのですが、値段が上がるのが早過ぎてどうにもならなくなりました。フェイスブック経由で個人売買で買いました」。今の愛車に巡り合い、最初に乗った時は「感無量」。中学時代からのRX-7に乗りたいという夢をかなえ、「マツダが苦労して作り上げたロータリーエンジンに心引かれたんです。ようやく乗れたという思いだったんです」と振り返る。
趣味そのものが車。それだけでない。現在、自動車整備の専門学校に通っており、来春から整備士の道を歩むことが決まっている。車には仕事としても生涯、深く関わっていく。まさに筋金入りだ。
旧車に乗るにあたり、いくら念願とはいえ「買った後にしっかり維持できるのか、直前になって心配になることもありました」。それでも、「今現在、中古車市場に出回っているものは、手が届かないぐらいの価格帯になっており、状態が悪いものも多いんです。ここで先延ばしにしたら、もう一生手に入らないかもしれない。そう思い直しました。この年でサバンナRX-7に乗れる。自分は運がいいと思っています」と実感を込める。
RX-7乗りになったのは、父の影響が大きい。「父は初代サバンナに40年間、ずっと乗っているんですよ」。言わば、“師匠”のような存在だ。父やRX-7をこよなく愛するオーナーたちは「目標にするべき人たち」という。「旧車なので、変な壊れ方をするんです。嫌になることだってあります。それでも、愛情を絶やさずに、壊れても直して乗って。1台の車にかける情熱、大事にする心。本当にすごいなと思います。皆さん愛情の強い方々ばかりで、簡単に手放す方はいないと思います。自分もこうなりたいです」。アツい思いを明かした。
電気自動車(EV)の台頭や時代の変化もあって、ガソリン車の今後は決して安泰とは言えない。どう思っているのか。「電気には電気のいいところがあります。それに、ガソリン車にしかないものもあります。実習でEVに乗る機会もあって、EVの快適さも感動的でした。両方に乗れればいいな、と思っています。このサバンナRX-7は可能な限り乗っていきたいです」
カスタムにも余念がない。Z世代でありながら、テーマは「90年代の“走り屋”風」だ。グラフィックイコライザーデッキを装着。車内のBGMはなんと、お気に入りという中山美穂の曲。愛車が発売された当時の雰囲気が満載だ。
エアロは最近新たに取り付けた。元のボンネットとの色調の違いが出ており、次にやりたいのは、全塗装だ。「まだ学生なので資金的に余裕がなくて。社会人になってから、これからです」。愛車の“先輩”と、理想のカーライフを築いていく。