クラリネット女性奏者の愛車は80スープラ さらなる改造「後ろにボンベ積んでいるんです」

イケイケな80スープラ、オーナーはなんと女性だ。その見かけから、高速では一度もあおられたことがないという。オーナーの石川亜紀さんは「もうすごい幸せです」と話すほど、エンジン音がお気に入り。吹奏楽団でクラリネットを担当しているという石川さんは、なぜこの車を選んだのか?

80スープラと石川亜紀さん【写真:ENCOUNT編集部】
80スープラと石川亜紀さん【写真:ENCOUNT編集部】

破格の車体価格「メーターがいっぱいついていて面白いなと」

 イケイケな80スープラ、オーナーはなんと女性だ。その見かけから、高速では一度もあおられたことがないという。オーナーの石川亜紀さんは「もうすごい幸せです」と話すほど、エンジン音がお気に入り。吹奏楽団でクラリネットを担当しているという石川さんは、なぜこの車を選んだのか?(取材・文=水沼一夫)

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 石川さんが1995年式のスープラを購入したのは6年前だった。

「きっかけは軽自動車で日産のモコを今も乗っているんですけど、その車を友人のクルマ屋さんにオイル交換で行ったときに、古い車を乗りたいんだよねという話をして、そしたらあるよって言われたんですよね。小さいクルマ屋さんなので、中古車をいっぱい置いているとかそういうクルマ屋さんではないんですよ。それで、あるよって言われて、車を見たらこれで。お客さんが長年乗っていたのを手放したいという話でそれでもったいないなと思って自分で乗ってもいいなと思って買い取ったらしいんですよ。それを私が見て、何か気に入って、1週間ぐらい考えて買うことに決めたんですよ」

 モコからスープラとはあまりに対極的だ。石川さんも「全然違います。モコは色がちょっとピンクと赤が混ざったような感じの中間色で、何かこうかわいらしい感じの、まったく対照的な車です」と語る。

 通勤用のモコに対し、スープラは趣味全開のようだ。愛車遍歴を聞くと、「以前はプレリュードとかセリカとか、スポーツカーだとそのぐらいですね」と答えた。

「かなり前ですけど、1995年ぐらいにセリカに乗っていて、そのときにこのスープラを見ていいなと思っていました。それもあって、(クルマ屋で)見たときにああ、ちょっとこれにしようかなって思いました」

 石川さんにとって運命めいた1台だった。

 スープラは現在、中古の価格が高騰している1台だ。いくらで買ったのだろうか。

「そのときはまだ値段が高騰していなくて、あとクルマ屋さんが友人なので、『売ってもいいけど、俺利益取らないからね』と言われました。それで元のオーナーさんから買い取った金額そのままで売るからって言われたんですよ。それだけで相当安いの、分かりますよね。車体自体は65で、それで車検を通してタイヤを変えて、あと塗装して、150で買いました」

 主要なカスタムは、前オーナーの志向を引き継いでいる。「違う部分はボンネットとサイドミラーぐらいかな。あとシート。シートはノーマルだったので、ダークグレーから赤に変えました。シートを変えるとしたら、レカロの赤って決めていたんですよ」。ウイングも一度取り外して、再びつけ直したという。

 強烈インパクトの車体に加え、一つ一つのパーツも魅力的だった。

「特にこれを見て気に入ったのは、中もカーボンになっていてそれがすごいなと。あとメーターがいっぱいついていて面白いなと思って」

 何よりも魅了されたのは、エンジン音だ。

「やっぱりエンジン音がすごく良くて、なんかもう幸せを感じました。最近プリウスとか、すごく静かな車がここ何年か出ているじゃないですか。静かでいいのかもしれないけど、静か過ぎちゃってなんかつまらないなと思っていて、それでやっぱりエンジンのいい音を聞きたくてしょうがなくて、だからもうすごい幸せです。フフフッ」

ウイングのついたリアショット【写真:ENCOUNT編集部】
ウイングのついたリアショット【写真:ENCOUNT編集部】

驚きの改造「後ろにボンベ積んでいるんです」 高速で注目?

 周囲からはスープラに乗る姿を見て、驚かれることもあるという。

「私、吹奏楽をやっているんですけど、これ乗って行くとすごくびっくりされます。他の楽団とかにエキストラで呼ばれたり、いろんなところに顔を出すんですけど、これで行くと、『エッ!』って顔されます」

 確かに、車のイメージとはギャップありすぎだ。「特に私クラリネットですごく真面目っぽいじゃないですか。クラリネットって、サックスとかトランペットと違いません? イメージが(笑い)」

 実は安心して吹奏楽団に通うために、さらなる改造を施した。「最近、車高を変えられるようにカスタマイズしたんですよ。後ろにボンベ積んでいるんです」。車高を調整できる機能をつけ、駐車場に止める際、車高を上げてスムーズに進入できるようにしたという。

 27年前の車で、小さい故障はつきもの。最近はヘッドライトに水滴がたまるようになって交換した。「預けている間にオートロックが壊れて、エエッていう感じで。どこまでこれを維持できるのかって思いました」。とはいえ、愛車への思い入れは強い。

 一見、近づき難い雰囲気は得をするところも。「あおられないんですよ。1回もあおられたことはないです。というか、高速を走っていると、どいてくれますね。なんでだろうって」と、石川さんはほほ笑んだ。

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