お寺のSNS担当者がバズりで“悟り” 「拡散力やカジュアルさはツイッターが一番」

神奈川県鎌倉市にあるお寺の公式ツイッターアカウントが投稿した1枚の写真が“想定外”の反響を呼んでいる。僧侶の男性2人が頬と頬を寄せ、手でハートマークを作っている。左隣にある「縁むすび地蔵尊」の石像と同じポージングをした構図だ。投稿元の「大船観音寺」の担当者に、バズった感想やSNSの活用について聞いた。

大船観音寺のツイートに大きな反響が寄せられている【写真:大船観音寺提供】
大船観音寺のツイートに大きな反響が寄せられている【写真:大船観音寺提供】

大船観音寺(鎌倉市) 「元々のお寺の堅いイメージを払拭」への熱い思い

 神奈川県鎌倉市にあるお寺の公式ツイッターアカウントが投稿した1枚の写真が“想定外”の反響を呼んでいる。僧侶の男性2人が頬と頬を寄せ、手でハートマークを作っている。左隣にある「縁むすび地蔵尊」の石像と同じポージングをした構図だ。投稿元の「大船観音寺」の担当者に、バズった感想やSNSの活用について聞いた。

 地蔵尊の石像が左で、僧侶2人が右に写っている。「←理想 現実→」の文字が添えられている。10月26日のこのツイートは拡散されまくり、現時点で3.1万件のリツイート、15.9万件のいいねを集めている。

 まず、撮影場所は大船観音寺ではなく、長野県軽井沢町の「浅間山 泉洞寺」だといい、「長野県のお寺との関係ですが、大船観音寺で勤めていただいている僧侶の方が泉洞寺の副住職もしており、今回いろいろな寺院の視察をする過程で、このお寺にも行こうという話になりました」とのことだ。

 投稿の意図について聞いてみると、「縁結び地蔵は人気のお地蔵様ですが、特に何か狙いがあったわけではありません。仲間内で撮ったものですが、あまりにも面白かったので投稿させていただきました」と教えてくれた。

 SNS上では、「どっちも可愛くて好き」「微笑ましいです 笑」「ご利益感すごいーー!!」などの反響に加え、「BL(ボーイズラブ)」に言及するコメントが見受けられる。また、「ボーズラブですかね」「ボーイズラブ ならぬ ボーズラブ」といった“だじゃれ”を考察する声もある。

 実際には、話題になっていることをどう考えているのか。確認すると、「皆さんいろいろな考え方をされるので面白いです。ボーイズラブだとかそれをモジってボーズラブだとか言われていますが、注目が集まって認知されること、話題になることがSNS運用の大きな目的なので、どんなコメントでもとてもうれしく思います。気に入ったらスクショもします」との回答だった。

 今年7月には、「エクセルを教わる僧侶たち さっぱりわからない」と5人の僧侶がパソコンをのぞき込む姿を投稿。これも現在21.9万件のいいねを獲得し、バズった実績を持っている。コミカルな内容だが、「エクセルを教わる僧侶たちは、これも偶然の産物です。普段一般企業の事務職をしている僧侶がおり、その方にエクセルを教わっていたところにいろんな僧侶が集まってきた形になります。その一瞬を切り取った写真です」。

 ツイッターは今年2月に開設。SNS運用は“真面目担当”と“ユーモラス担当”の2人で回しているという。「インスタとフェイスブックは今までしていましたが、拡散力やカジュアルさはツイッターが一番と考え始めさせていただいております。SNS運用のテーマというかそういうものは決まってはいませんが、一番は布教、大船観音寺の観音様を、曹洞宗を知っていただき、お参りしていただきたいという思い。そして、お寺は心のよりどころになれるような場所なんだと知っていただきたいという思いはあります」。熱い思いを持って発信しているという。

 最後に、「大船観音寺は比較的歴史の浅いお寺(1981年創建)です。住所は鎌倉市ですが、古都・鎌倉とは少し離れた大船地区に位置しておりますので認知はされづらい部分があります。元々のお寺の堅いイメージを払拭して皆さんに大船観音寺を、お坊さんを認知していただき、ご参詣いただければと思っております! また、来ていただいた時にいいお寺だ、また来たい、と思っていただけるように御朱印やお子様向けのイベントなどさまざまなことを頑張っていきたいと思っております」とのメッセージを寄せた。

次のページへ (2/2) 【写真】僧侶5人がバズりまくった「エクセル」ツイート
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