女優の長澤まさみが主演を務めるフジテレビ系月10ドラマ「エルピス‐希望、あるいは災い‐」の第1話が24日、放送された。冤罪事件を取り扱うという骨太な内容と今後を期待させる長澤の熱演に「完璧な第一話」と称賛の声が上がっている。

　長澤まさみ4年半ぶりの連ドラ主演作。スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーとバラエティー番組の若手ディレクターらが、10代の女性が連続して殺害された事件の冤罪（えんざい）疑惑を追う中で、1度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く。

　かつては大洋テレビの人気アナウンサーだった浅川恵那（長澤）。男性との路上キスを週刊誌に撮られるというスキャンダルが原因でゴールデンタイムのニュース番組を降板し、現在は“制作者の墓場”とやゆされる深夜の情報番組『フライデーボンボン』のコーナーMCを務めている。

　ある日、同番組の新米ディレクター・岸本（眞栄田郷敦）から、とある連続殺人事件に冤罪（えんざい）である可能性があること、そしてその事件の真相を追うために協力してほしいと声をかけられる。以前のニュース番組では冤罪（えんざい）事件を取り扱っていた経験のある恵那だが、岸本からの突然の申し出にとまどうばかり。空気の読めない岸本はそんな恵那の様子にもおかまいなしでどんどん話を進めていき、報道局のエース記者である斎藤（鈴木亮平）に話を聞きに行こうと恵那を誘うのだった。

　齋藤から特集を組んで世論を動かすことを提案されるも、自分が担当している番組では取り扱えないと悩む岸本。冤罪（えんざい）事件の報道に携わっていた経験のある恵那から「冤罪（えんざい）って、マジで大変だよ。蒸し返されたらまずい人がたくさんいて、そういう人がやたら圧をかけてくる」「私の特集もそれでズタズタにされちゃった」と諭されるも、「やるしかないんです」とそれを突っぱねる岸本。岸本の情熱に感化された恵那は企画書の作成を手伝うことを決め、2人は岸本の上司に冤罪事件を取り扱いたいという旨を相談する。

　岸本の上司である村井（岡部たかし）も、実は報道出身。岸本から企画書を受け取った村井は番組のカラーとは異なる内容に激高し、「冤罪を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと。分かる？」と岸本に迫る。村井の迫力に自分がやろうとしていることの責任の重さを痛感し、たじろぐ岸本をよそに、そのやりとりを横で見ていた恵那は「私はもう、分かりたくありません！」とヒートアップ。おじけづく岸本に「（村井の言葉を）真に受けちゃダメだよ。おかしいものはおかしいじゃん」とはっぱをかけるが、岸本はヘアメークの大山さくら（三浦透子）に弱みを握られていること、そして大山からこの事件を恵那にもちかけるようたのまれたことを明かし、自分は事件から手を引きたいと恵那に告げるのだった。

　事件から手を引くことを大山にも説明する岸本。そんな岸本に大山は自分の手に残る傷跡を見せる。その傷は母親の再婚相手によるもので、大山はこの男に虐待を受けていたという。そして、手に傷を負わされて家を飛び出した時、行き場のない自分をかくまってくれたのが、現在、連続殺人事件の犯人として捕まっている松本死刑囚であることを明かす。自分の手の傷を見てむせび泣く岸本をなだめ、岸本を脅すために所持していたテープレコーダーを彼に返す大山。しかし、岸本が泣いていたのは大山に同情したためではなく、手の傷を見たことで過去の“ある瞬間”がフラッシュバックしたためだった。

　泣き止まない岸本を慰めながら、松本死刑囚の冤罪を証明することを自分はあきらめないと話す大山。そんなとき、また新しい殺人事件が起こるのだった。

　冤罪事件を暴くという骨太な内容や、感情の揺れをリアルに表現する長澤の熱演に、SNSには「こんな高いクオリティの作品を民放が作れるのがすごい」「めちゃくちゃ面白かった！」と喜びの声が。

　また、恵那と斎藤が元恋人同士で、恵那がニュース番組を降板する原因となった路上キスの相手が斎藤であることも視聴者の興味をひいた様子で「まさか路上キスが鈴木亮平くんととは思ってなかった」「最初から色々あって展開早くてこれからどうなるの」と驚いた者も多い印象だった。

　すでに引き込まれている視聴者も多数見られ「これ以上ないくらい完璧な第一話だった。2話以降色々明かされていくと思うんだけどうますぎる」と次回を心待ちにするコメントも上がっている。