篠原かをりが昆虫アクセサリープロデュース ダンゴムシとトンボを選んだ理由

TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして活躍するタレント篠原かをりに肩書がまた一つ増えた。5つめとなる肩書は昆虫アクセサリーのプロデューサー。「ダンゴムシピアス」と「オープンハートトンボネックレス」をプロデュースして9月下旬から11月6日までの期間限定で発売している。タレント活動以外に慶大SFC研究所で分子生物学を研究する上席所員、さらに動物作家でもあり、動物文学を研究するため日大大学院芸術学研究科博士後期課程に在籍する学生でもある。今、なぜ昆虫アクセサリーをプロデュースするのか。なぜトンボとダンゴムシなのか。今後の野望も聞いた。

昆虫アクセサリーを披露する篠原かをり
昆虫アクセサリーを披露する篠原かをり

タレント、動物作家、研究者、学生に続く肩書は昆虫アクセサリープロデューサー

 TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして活躍するタレント篠原かをりに肩書がまた一つ増えた。5つめとなる肩書は昆虫アクセサリーのプロデューサー。「ダンゴムシピアス」と「オープンハートトンボネックレス」をプロデュースして9月下旬から11月6日までの期間限定で発売している。タレント活動以外に慶大SFC研究所で分子生物学を研究する上席所員、さらに動物作家でもあり、動物文学を研究するため日大大学院芸術学研究科博士後期課程に在籍する学生でもある。今、なぜ昆虫アクセサリーをプロデュースするのか。なぜトンボとダンゴムシなのか。今後の野望も聞いた。(取材・文=中野由喜)

「もともと、生き物を模したアクセサリーを集めるのが好きだったんです。今回、生物をリアルにかわいい形にすることが得意な『flowstar』という会社のデザイナーさんからお話をいただいてプロデュースすることになりました。生き物の中でも昆虫をモチーフにしたアクセサリーは人間にとっていい印象の昆虫などに限られていたので、なかなか気に入ったものがありませんでした。そこで自分でという思いになりました」

 トンボは戦国武将がカブトなど武具にあしらうなど日本では昔から人気の昆虫だという。今回の2作品のこだわりも聞いてみた。

「トンボは人気の昆虫で、標本みたいに代表的な形のアクセサリーは多いんです。今回はトンボの中でもイトトンボが交尾している最中のタンデムという状態をかたどったアクセサリーにしました。交尾シーンはオープンハートの形に似ているんです。これまで昆虫のこの瞬間のアクセサリーが欲しいとなると、自分の心に響くものがありませんでした。昆虫好きの人もアクセサリーが好きな人も両方の気持ちを満たせるものがいいなと考える中で生まれました」

 篠原はさすが研究者。昆虫についての知識は豊富だ。

「日本の本州の古代の呼び名に秋津島という言葉がありますが、トンボは古来、アキツと呼ばれており日本書紀にも登場するんです。トンボは前に飛び、後退しないので不退転の精神を表すとして、勝ち虫と言われて戦国武将には人気だったそうです。一方で西洋圏では、魔女の針と呼ばれ、あまり親しみのある昆虫ではないという見方もあります」

 続いて、なぜダンゴムシをアクセサリーにしようと思ったのか聞いてみた。

「ダンゴムシは実は昆虫というよりエビやカニに近く甲殻類の等脚目です。私が幼少期に最初に出会った小さな生き物が祖母の家の庭にいたダンゴムシでした。アクセサリーとの相性の良さもありますが、ダンゴムシは生態系のピラミッドの中で、落ち葉を食べて土に戻す分解者として縁の下の力持ちなんです。世界がダンゴムシに支えられていることを世の中の多くの人が認識せずにいます。さらに見た目の影響で不快害虫の仲間に入れられてしまうことさえあります。ダンゴムシは土の健康のために貢献していて敬意を払われるべき生き物です。そんなダンゴムシのイメージ回復になればと思いました」

 今後はどんなアクセサリーのプロデュースを考えているのか。

「昆虫に限らず、いろんな生き物の魅力的なシーンを切り取ったアクセサリーを世に送り出したいですね。なかなかアクセサリーになりづらかった生き物が持つ美しさをみんなに知ってほしいと考えています」

 具体的にイメージする生き物はあるのだろうか。

「自分がただただ欲しいのは私の大好きなドブネズミのアクセサリーです。ネズミのグッズはたくさんありますが、実は、ほとんどが小さくてかわいいハツカネズミなんです。ドブネズミはテディベアのように体に丸みがあり、ずんぐりむっくり感が魅力。素朴な懐かしいかわいらしさがあり、理知的で感情も豊かで頭もいいんです」

 ドブネズミはどんなアクセサリーとして似合うのか。

「ぽっちゃりしているのでドブネズミのかわいい丸みを帯びた姿がぶら下がったネックレスかなと思います」

 これまでスポットライトを浴びることなく、場合によっては敬遠されがちだった意外な生き物は数多いだろう。今後、篠原によってどんなアクセサリーが登場するのか楽しみだ。

「ダンゴムシピアス」と「オープンハートトンボネックレス」は11月6日まで「flowstar」(https://flowstar.design/products/list?category_id=53)で受注販売しているという。

□篠原かをり(しのはら・かをり)1995年2月20日、神奈川県横浜市生まれ。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターのほか動物作家としても活躍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員で日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程にも在籍中。幼少期から生き物が好きで、自宅でネズミ、タランチュラ、フクロモモンガ、イモリ、ドジョウ、ゴキブリ400匹などさまざまな生き物の飼育経験がある。著書は「恋する昆虫図鑑~ムシとヒトの恋愛戦略~」「LIFE―人間が知らない生き方」「ネズミのおしえ」「よし、わかった!いきものミステリークイズ」など。

次のページへ (2/2) 【写真】篠原かをりがプロデュースしたダンゴムシピアスとオープンハートトンボネックレス
1 2
あなたの“気になる”を教えてください