チャイルドシート、レンタカーやカーシェアではどうする? 賢い選択をメーカーに聞いた

いざというとき、我が子を事故から守るために必要なチャイルドシート。2000年の法制化から20年あまりがたつも、国内での着用率は約78%に留まっている。ほぼ100%の水準を誇る欧米諸国に比べると、完全に普及しているとは言い難い状況だが、子育て世代の中にはチャイルドシートに苦手意識を持つ人も。チャイルドシートの正しい着用方法について、ベビー用品メーカー大手のコンビ株式会社に聞いた。

いざというときに子どもの安全を守るチャイルドシート(画像はイメージ)【写真:写真AC】
いざというときに子どもの安全を守るチャイルドシート(画像はイメージ)【写真:写真AC】

一般的には成長に合わせて1度以上の買い替えが必要に

 いざというとき、我が子を事故から守るために必要なチャイルドシート。2000年の法制化から20年あまりがたつも、国内での着用率は約78%に留まっている。ほぼ100%の水準を誇る欧米諸国に比べると、完全に普及しているとは言い難い状況だが、子育て世代の中にはチャイルドシートに苦手意識を持つ人も。チャイルドシートの正しい着用方法について、ベビー用品メーカー大手のコンビ株式会社に聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

 一概にチャイルドシートといっても、乳児用、幼児用、学童用とその種類はさまざまだ。シートの着用が義務付けられているのは、生後すぐから6歳まで。一般的には成長に合わせて1度以上の買い替えが必要になるという。

「生後すぐから、4歳くらいまで使えるものが、いわゆるチャイルドシート。それとは別に、3歳から12歳頃まで使えるジュニアシートといわれるものがあります。ごく一部では1台で義務期間の6歳までをカバーできる製品もありますが、お子様の乗り心地、何より安全を考えるのであれば、1度は買い換えていただくのが一般的です」。チャイルドシートが6万円台なのに対し、ジュニアシートは2万円ほどで購入できるという。

 座席への取り付けはシートベルトを利用したタイプの他、近年では座席に直接バーを差し込むアイソフィックス型が増えている。2012年7月以降に生産された自動車にはアイソフィックス取り付け装置の設置が義務付けられており、使い方が簡単で間違いが起こりにくいため、現在ではアイソフィックス型が主流となりつつある。

「助手席はエアバッグが作動するので、チャイルドシートの設置は後部座席が基本です。生まれた直後から必要と知らなかったり、正しい使い方をできていない方も多い。メーカーとしても、より正しい知識に触れる機会を増やしていく必要性を感じています。寒さが増すこれからの季節、ダウンウェアやブランケットを着せた上からベルトをかける使い方も、代表的な間違いのひとつ。お子様の身体にベルトがフィットしていないと、衝突時にお子様が飛び出したりするおそれがあります」

 レンタカーやカーシェアリングという選択肢も広がり、車を持たないという人も増えてきている。普段乗ることがなくとも、たまに子どもと旅行やドライブに出かける家庭はどうすべきなのか。

「レンタカーであれば、オプションでチャイルドシートをつけられるプランがあります。最近はカーシェアリングの方で、車は持っていなくてもチャイルドシートは買うという方もいます。ただ、気をつけていただきたいのが、チャイルドシートは内部が壊れることで衝撃を吸収する仕組みになっており、一度でも強い衝撃を受けたチャイルドシートは、見た目はそのままでも安全機能が失われる為、買い替える必要があります。また、車種と型式を合わせて使用しないといけません。安心のためには、レンタルでなくなるべくご自身で用意されることをおすすめします」

 中にはチャイルドシートを嫌がる子もいるが、「チャイルドシートはもしもの時の安全装置なので、なるべく小さいうちから慣らせてあげた方がいい。一度泣いてつけなくてもいいという経験をさせてしまうと、ますますつけるのを嫌がって泣くようになってしまいます」とコンビの担当者。子どもの安全を第一に、着用率100%の世の中が来ることを願いたい。

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