本田翼が主演を務めるTBS系火曜ドラマ「君の花になる」（午後10時）の第1回が18日に15分拡大で放送された。ある出来事で挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花（本田）が、崖っぷちのボーイズグループ「8LOOM（ブルーム）」のメンバー7人の寮母となり、一緒に“トップアーティストになる”という夢に向かっていく胸キュンのオリジナルストーリー。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　ドラマを見て気が付くのはあちこちにちりばめられたK-POPぽい場面。あす花は突如、8LOOMが共同生活を送っている寮の“寮母”になったことをきっかけに、かつての教え子・佐神弾（高橋文哉）と再会。これはK-POPアイドルグループが共同生活をしながらレッスンに励んでいることをベースにしている。また、教師を辞めたあす花は、姉の仲町優里（木南晴夏）の家に転がり込み、優里が営むフードワゴンを手伝いながら日々を過ごしていた。そのフードワゴンの名前は「四角いキンパのお店　Genkotsu　House」となっている。「キンパ」とは韓国で人気の庶民的食べ物“のり巻き”のこと。また、おにぎりのことを韓国語で「チュモクパプ（拳＝げんこつ＝ご飯）」と呼んでいることも店名の由来になったようだ。

　8LOOMの同期でライバルの人気グローバルボーイズグループ「CHAYNEY（チェイニー）」のポスターには「Endless-shine」の文字がある。韓国の大手芸能事務所・SMエンターテインメント所属のボーイズグループ・SHINee（シャイニー）を意識しているのは明らか。しかも、CHAYNEYのメンバーを演じているのは、韓国発のサバイバルオーディション番組でTBS放送の「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」で結成されたボーイズグループ「INI」の木村柾哉、高塚大夢、田島将吾、藤牧京介、松田迅だ。8LOOMというグループ名も、宮脇咲良らが参加した日韓合同ガールズグループ・IZ*ONEのデビュー後初のフルアルバム「BLOOM*IZ」を思い出させる。

　世界的に人気のK-POPが日本のドラマにふんだんに盛り込まれているのはなぜか。実はTBSグループは韓国の大手総合エンターテインメント企業・CJ ENMと21年に戦略的パートナーシップ協定を結んでおり、今月14日から16日まで開催された「KCON 2022 JAPAN」に「君の花になる」のブースを出展している。この「KCON」を企画しているのが韓国の音楽専門チャンネルMnetで、主催はMnetの運営元であるCJ ENMなのだ。IZ*ONEを生んだ日韓合同オーディション「PRODUCE48」もMnetで放送された。

　8LOOM役の高橋、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝はKCON2日目の15日のプレショーに登場し、リーダー・佐神弾役の高橋が「アンニョンハセヨ！」とあいさつした後、19日リリースのドラマテーマソング「君の花になる」を披露した。振り付けを担当したダンサーでコレオグラファー・ReiNaは、NCT U「Make A Wish (Birthday Song)」、NCT 127「Favorite (Vampire)」、Stray Kids「Back Door」など多くの楽曲に関わっていることで知られている。

　今後、8LOOMは初のライブハウスツアー「君の花になる “Let’s 8LOOM” TOUR ～FIRST and LAST～」を東京、大阪、福岡の3か所で開催する。また、8LOOMのオーディションからドラマ放送までの1年間を追った密着＆応援動画コンテンツがTBS公式YouTubeチャンネル「YouTuboo」と動画配信サービス「Paravi」で配信中。ドラマと現実世界、日韓のコンテンツがリンクしていく「君花」の新たな取り組みにテレビ業界から関心が集まっている。

※高塚大夢の「高」は「はしごだか」