サウナで「前代未聞の悪戯」 客が140℃に勝手に変更、店側も怒り「ほんまに危ない」

大津市内の銭湯で、サウナ室の温度設定を客が操作して「140度以上」にされたと訴える緊急ツイートが大きな反響を呼んでいる。実際に客の健康被害はなかったというが、一歩間違えば生命に関わる事案だ。当事者の「都湯-ZEZE-」の担当者に聞いた。

銭湯におけるサウナ室の温度設定のいたずら事案が波紋を広げている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
銭湯におけるサウナ室の温度設定のいたずら事案が波紋を広げている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

もともと120度の高温ドライサウナが自慢 男湯の脱衣場に制御盤の設計

 大津市内の銭湯で、サウナ室の温度設定を客が操作して「140度以上」にされたと訴える緊急ツイートが大きな反響を呼んでいる。実際に客の健康被害はなかったというが、一歩間違えば生命に関わる事案だ。当事者の「都湯-ZEZE-」の担当者に聞いた。

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「ほんまに危ないです。絶対にやめてほしいです」。銭湯の男性担当者はこう悲痛な思いを吐露した。創業50~60年とされ、2016年に先代が亡くなったため1度閉店。男性が18年に再開させた老舗銭湯だ。銭湯猫マンガ「みゃーこ湯のトタンくん」のモデル店でもある。サウナを導入して30年、これまでこうしたいたずら被害は「1度もなかった」といい、驚きを隠せない。

 今月14日夜に事案が発生。店側は15日深夜のツイッターで、「本日21時~22時に来店された男性のお客様がサウナ室の温度セットを勝手に触り男女とも140℃以上にするという前代未聞の悪戯をされました。その時間いらした方には大変ご迷惑をお掛けしました。現在入口防犯カメラの映像をもとに被害状況を確認しています」と投稿した。このツイートが拡散した。

 都湯はもともと、120度の高温ドライサウナが売りだ。サウナ愛好家に好んでもらうようこだわって追求した水風呂に合うための温度設定だ。

 ところが、悲劇に見舞われた。男性は14日は、サウナフェス準備のため不在で、女性スタッフ2人だけで営業していた。女性スタッフは男湯には入らないという。「夜中に、『お客さんから熱過ぎて(サウナに)入れないと言われた』『不快で帰った人もいる』と店側から連絡を受けました。営業時間終了後でしたが、午前0時過ぎに急いで戻りました。温度の制御盤はすでに電源を落としてあったので電源を入れてみると、おかしいことに気付きました。温度設定は普段は『110度』にしてオーバーヒートなどの効果で室内が120度になるよう調整しているのですが、『140度』の設定になっていたんです。想像するに当時、サウナ室はすごく熱かったと思います」。

 昔ながらの銭湯だけに、男女のサウナ室の温度を管理する制御盤は男湯の脱衣場に、客の見える場所に設置されているといい、「目に入る場所にはありますが、温度調整のシステム自体は分かりづらいものではあります」という。

 店側では、男湯の客とみられる何者かが温度設定を高い状態にいじったと考えているという。当日に利用した常連客らから様子を聞き、温度が異常になった時間を推定したとのことだ。

 今回、ネット上では管理体制について指摘するコメントも見受けられた。男性は「30年で1度もなかったことなので大丈夫だと思っていましたが、今回悪ふざけを超えた出来事が起きました。再発防止のため、改善のためのいい勉強にもなりました」。現在、制御盤にカバーをかけて鍵を付ける、または、場所を移設するための工事について見積もりを取っており、「今後はスタッフしか触れないような仕組みの管理体制にするため、早急に対策に動いています」と説明した。

 幸いなことに、客の健康被害はなかった。「高齢者の方がサウナに入っていなくて、本当によかったです」と、安堵(あんど)の思いを口にした。「サウナを好んで来る人が熱過ぎて入れないというのは、相当なもの。低温やけど寸前だったかもしれません。こんなこと2度とやってほしくないです。店側の管理体制については、改めて気を引き締めていきたいです」。現在、取材が殺到しており、落ち着いた段階で速やかに被害届を提出するため警察に相談しに行くという。

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