地元・大阪から上京後わずか約2か月でTBS系火曜ドラマ「君の花になる」（午後10時）で主要キャストの座を射止めた山下幸輝は“ネクストブレイク”が期待される20歳だ。小学校1年生から続けているダンスを武器に芸能界という舞台で新たな道を進み始めている。（取材・文＝中村彰洋）

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　本田翼主演ドラマ「君の花になる」で劇中の7人組ボーイズグループ「8LOOM（ブルーム）」のメンバー・小野寺宝（おのでら・たから）役に抜てきされた山下。この大役は上京後わずか約2か月、オーディションで勝ち取ったものだった。

「素直にうれしかったです。最初は信じられませんでした。『合格です。決まりました』と言われて、最初はホンマに何か分からなかったです（笑）」

　小学1年生から続けているダンスでは数々の大会で入賞、中学1年生時にはアイドル活動をしていた一面も持つ。そんな山下にとってボーイズグループのメンバーいう役どころはこれ以上ない“ハマり役”だった。

「もともと中学1年生のときにアイドルをしていました。当時は歌に苦手意識があって『歌いたくない』って言っていました。6人グループだったんですけど、僕だけダンスのみで歌っていませんでした（笑）。今は歌のレッスンもあったり、すごい楽しいです。苦手意識もなくなって徐々に好きになってきています。ダンスは自分の武器なので、こういう形でハマってくれたので、『よっしゃぁ！』って感じです（笑）」

　高橋文哉、宮世琉弥ら期待の若手とともに「8LOOM」として活動しているが、現場の雰囲気は「騒がしいっすね。ごちゃごちゃしてます」と笑う。「撮影以外ではわちゃわちゃしてますけど、本当に撮影はいい雰囲気ですし、撮影になるとクッってスイッチが入ります。そういう切り替えをみんなができるのでいいメンバーです」。

「8LOOM」はドラマ内だけに留まらず、9月21日には1stシングル「Come Again」を配信し、デビュー。さらに、2ndシングル「君の花になる」を10月19日にリリースし、ミュージックビデオも公開されている。今後も物語と連動したライブやイベントなどを予定している。

「ドラマの中で推しを見つけるというのは今までになかったことだと思うので、そういう部分でも楽しめると思います。SNSを含めいろんな角度から楽しめるので、ドラマじゃない部分も楽しんでほしいです」

　2020年に「第33回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリスト進出を機に芸能界デビューを果たした山下。「勉強も何もやらずにとにかくダンス1本」という学生時代を過ごした。ジュノンボーイ応募のきっかけは友人からの紹介。「とりあえず受けてみるか」と応募したところトントン拍子に進んでいった。

「そのときは俳優をやりたいとは思っていませんでした。それまでは大阪でダンスの先生をしていたので、このままダンサーとして生きていくつもりでした」

　しかし、事務所からのスカウトをきっかけに心境も徐々に変化していった。そして、「このタイミングしかない」と考え、21年に上京を決断した。

　俳優を志した理由の1つには、6つ上の姉で女優の山下ナオの影響があった。「お姉ちゃんが舞台女優をやっていて、お芝居をずっと見てきていたので、そういう意味では頭のどこかでお芝居をやってみたいという思いがあったのかもしれないです。だから俳優という仕事にスッと入れたのかなと思います」。

　姉・ナオは山下の活躍をSNS上でもたびたびアピールするなど、きょうだい仲の良さがうかがえる。山下は「1番の相談相手」と姉の存在の大きさを明かした。

「けんかしたこともなく、仲はいいです。姉の影響は大きいですね。お姉ちゃんから『こうしたらいいよ』とアドバイスをもらって間違ったことは無いです。なにかに迷ったときに、お姉ちゃんに聞けば絶対に失敗しないと思っています」

　今後はドラマや映画など多くの作品に出演することを目標に掲げた。「そのために今を必死に生きている感じです」とその目はやる気に満ちている。

「今は演技をしっかりとやっていきたいです。楽しいと思えるようになってきて、自分を発散できる場でもあります、次の“ネクストブレイク俳優”を目指します」

□山下幸輝（やました・こうき）2001年11月7日、大阪府出身。小学1年生でダンスを始め、数々の大会で入賞。中学1年生時にはアイドル活動を経験。20年に「第33回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストとなる。22年10月、ドラマ「君の花になる」（TBS系、毎週火曜、午後10時）で劇中の7人組ボーイズグループ「8LOOM」の小野寺宝役として出演中。