2020年放送の人気ドラマを映画化した「七人の秘書 THE MOVIE」（公開中）で、クールな武闘派秘書・長谷不二子を演じるのが女優の菜々緒（34）。劇中でメンバーは息ピッタリだが、主演の木村文乃（34）とは、ある場所へ旅行に出かける程の仲の良さだと明かす。（取材・文＝平辻哲也）

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「七人の秘書」は、「ドクターX」などの中園ミホさんが脚本を手掛けた「現代版必殺仕事人」と言える痛快作。20年10月期の放送では初回13.8％でスタートしたが、最終回では16.7％を記録し、スペシャルドラマ＆映画版が作られた。（数字はビデオリサーチ調べ、関東地区）

「中園さんの作品は普段あまり日の当たらない人たちにスポットライトを当ててくれています。秘書は裏方で、表に出ている人を支える印象がありますが、一人一人がすごく重要な役割を持って、いろんな人を支えている。秘書はすごく大事なお仕事だなと思っています。ドラマ撮影の終盤に、みんなで『続編がありそうだよね』と話していたので、やっぱり！　と。こうやってまた一緒に撮影ができるっていうのがすごくうれしかったです」と振り返る。

　菜々緒が演じるのは、元警視庁警務部長秘書の不二子。正義感が強く、捜査一課の刑事だった時に男社会の組織の中で苦しんだ経験から秘書軍団に入る。スペシャルドラマでは1児のママになり、劇場版は信州一帯を支配する財閥を懲らしめる。

「不二子は男社会でもまれながらもたくましく成長していく女性。メンバーの中でも一番力強くてたくましくて、ガッツがありますね。スペシャルドラマから、お母さんになるという展開があって、女性はどんな時も強いなっていう印象があります。男社会での強さみたいなものは、私自身も持っていると思っています。自分に近いキャラクターだったんじゃないかな」

　映画版での不二子の見どころは雪上でのアクションだ。172センチの長身、長い足を生かして、華麗に敵を倒していく。

「アイスバーンでのアクションだったので、本当にコントのように滑りながらでした（笑）。『ごめんなさい。もう1回お願いします』みたいな感じでした。撮り直しはしましたが、それ以外は順調に撮影できました。私はスノーブーツを履いていたので、まだ滑らなかったけれども、スタントマンさんたちがみんな革靴でした。本当にすごいなと感心させられっぱなしでしたね」

　撮影はスペシャルドラマと映画の同時進行。関係性もでき上がっており、ブランクを感じることなかったという。休憩時間では雪遊びをしたのも思い出の一つだ。

「本当にきれいな雪がたくさん積もっていて、零下での撮影だったので、自分が映ってないシーンでは（寒さで）じっと待っていられなくて、ずっと（大島）優子ちゃんと雪だるまを作ったり、ちっちゃいかまくらを作ったり、機材を運ぶためのソリを借りて、滑ったりもしました」

　仲の良さは撮影だけではない。ダイビング歴4年の木村文乃と沖縄にも出かけたと明かす。

「文乃ちゃんは長いことダイビングをやっていて、私もずっとライセンスを取りたかったんです。最初はすごく怖かったし、耳抜きも慣れなかったのですが、ここまで来たら、絶対にライセンスを取ってやろうと思って、頑張りました。次はアドバンスを取ろうかなと思っています」とすっかり海の中に魅了された様子だ。

　劇中では、秘書7人のたまり場は、ラーメン屋だが、美意識の高そうな菜々緒は普段、ラーメンを食べる？

「ハハハ。普段はそんなには食べないですね。撮影のときはおいしくいただいています！　先日も、取材でラーメンを食べる企画があったときも、全力で食べさせていただいて、おいしくいただきましたよ」と笑う

　現在、34歳。30代に入ってからは一層、体のケアには気をつかうようになったそうで、「健康じゃないと、何でも楽しめないなと思っていますので、とにかく健康第一。元気に楽しく、仕事やプライベートも楽しんでいけたらいいなと思っています」と笑顔を見せた。

□菜々緒（ななお）1988年10月28日、埼玉県生まれ。主な出演作品は「土竜の唄 香港狂騒曲」（2016）、「銀魂」（17）、「マスカレード・ホテル」（19）、「ヲタクに恋は難しい」（20）、「地獄の花園」（21）。

◆ヘアメイク：吉田真妃（クララシステム）
◆スタイリスト：柴田一宏（ドラゴンフルーツ）