外出自粛でテレビ視聴率は上がっているのか、ビデオリサーチのデータが示す意外な結果

新型コロナウイルス感染拡大を受け、首都圏などで週末の外出自粛要請が出され、小中高校は休校が延長されている。その結果、自宅で過ごす時間が長くなり、テレビを視聴する時間も長くなっていると考えられるが、実際はどうなのか。また、どんな番組が見られているのか。ビデオリサーチの関東地区の視聴率データで、全体の傾向を調べてみた。

NHK
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報道番組だけでなく教育・教養・実用番組の視聴率が上昇

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、首都圏などで週末の外出自粛要請が出され、小中高校は休校が延長されている。その結果、自宅で過ごす時間が長くなり、テレビを視聴する時間も長くなっていると考えられるが、実際はどうなのか。また、どんな番組が見られているのか。ビデオリサーチの関東地区の視聴率データで、全体の傾向を調べてみた。

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「週間高世帯視聴率番組10.」の最新データ(3月23日~29日)をみると、報道番組と教育・教養・実用番組の視聴率が高いことがわかる。

 最新データによると、報道番組のトップ3は「ニュース」(NHK総合)22.4%、「NHKニュース7」(NHK総合) 22.4%、「報道ステーション」(テレビ朝日)19.9%で、教育・教養・実用番組は「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ)19.8%、「サンデーモーニング」(TBS)17.9%、「Mr.サンデー」(フジテレビ)15.2%。

 この数字はほかのジャンルの番組――たとえばドラマの1位「連続テレビ小説・スカーレット」(NHK総合) 20.8%、2位「麒麟がくる」(NHK総合) 14.3%、3位「日曜プライム・ドラマスペシャル・陰陽師」(テレビ朝日)10.7%や、スポーツの1位「S-PARK」(フジテレビ)6.5%、2位「みんなのKEIBA・高松宮記念」(フジテレビ)5.9%、3位「Going! Sports&News」(日本テレビ)5.6%と比較すると、1位のドラマをのぞき、かなり高い。その他の娯楽番組は1位「サンデー・ジャポン」(TBS)18.6%、2位「大改造!!劇的ビフォーアフターポツンと一軒家を匠がリフォームSP」(テレビ朝日)17.2%、3位「笑点」(日本テレビ)16.3%と、教育・教養・実用番組とはどっこいどっこいだが、報道番組より低い。
 
 この傾向は新型コロナの感染拡大を考えれば当然の結果ともいえるが、新型コロナウイルス感染症患者が日本で初めて確認された1月15日と同時期のデータと比較すると、報道番組、教育・教養・実用番組の視聴率がいかに上昇したかがわかる。

 1月13日から1月19日の「週間高世帯視聴率番組10.」を見ると、報道番組のトップ3は「NHKニュース7」16.0%、「首都圏ニュース845」(NHK総合)14.2%、「ニュース645」(NHK総合)14.1%。教育・教養・実用番組は「サンデーモーニング」14.3%、「ガッテン!」(NHK総合)14.2%、「シューイチ」(日本テレビ)12.7%だったのだ。

 同時期のドラマは1位「連続テレビ小説・スカーレット」19.2%、2位「麒麟がくる」19.1%、3位「テレビ朝日開局60周年記念相棒」(テレビ朝日)14.5%と、報道番組トップ3より高い視聴率だった。スポーツは1位「大相撲初場所・7日目」(NHK総合)18.1%をのぞくと一桁台だが、その他の娯楽番組も1位「ぐるぐるナインティナイン2時間SP」(日本テレビ)16.4%、2位「ポツンと一軒家」16.1%、「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)15.8%と、報道番組よりも高かった。報道番組の視聴率がこの間、いかに跳ね上がったかわかる。報道番組だけではなく、教育・教養・実用番組の視聴率も合わせて上昇していることが興味深い。

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