アイドルグループ「乃木坂46」が5日、大阪府のオリックス劇場で「乃木坂46 30thアンダーライブ」を開催。1期生・和田まあやは、本公演が乃木坂46としてのラストコンサートとなった。

　1998年4月23日生まれの24歳、広島県出身の和田は、2011年に実施された乃木坂46第1期メンバーオーディションに合格。11年間、縁の下の力持ちとしてグループを支え続けた彼女は、12月4日をもって乃木坂46から卒業をすることを発表していた。

　東京と大阪で計6公演の開催となったアンダーライブの最終公演は、和田がセンターを務める30thシングル・アンダー楽曲「Under’s Love」で幕開け。ラテン調なナンバーと情熱的なダンスで最高のスタートダッシュを切ると、「不等号」「あの日　僕は咄嗟に嘘をついた」「口ほどにもないKISS」「錆びたコンパス」「日常」といった歴代のアンダー曲も披露され、アイドル人生の集大成を見せつけた。

　本編最後のMCで和田は、「今を生きているって素晴らしいことと思っていて……」と切り出し、生まれてすぐに大きな病気を患っていたことを告白。涙を浮かべ「病院の先生には『助からない』と言われていました。お母さんは辛すぎて病室で『このベランダから一緒に飛び降りようと思ったこともあるくらい』と言われていて……。でも、お母さんは強いですね。家族のサポートを受けながら、必死に私の病気と戦ってくれました」と赤裸々に語った。

　さらに「明日が来るって当たり前じゃない。私は誰よりも強く心の中で思っていて、こうしてみんなと出会えてよかったなと、卒業が近づく度に思います。乃木坂46に入って、こんなにもすてきな人たちに出会うことができました。たくさん辛いこともありましたけど、すごくすてきな青春だったなと。13歳から24歳になって、この11年間たくさん乃木坂にささげてきました。ぜんぜん間違ってなかったし、みんなを信じて、自分を信じてやってきてよかった」と心境を吐露。

　ファンに向けては、「なかなか恩返しはできませんでしたが、今恩返しできているんじゃないか。最後まさか私がセンターに立つとも絶対に思ってなかったと思うし、最後こんなにすてきなステージを用意してもらって、集まってもらえてとても感謝しています」とメッセージを送った。

　アンコールのステージでは、8thシングル表題曲の「気づいたら片想い」、グループ初期の楽曲「狼に口笛を」「左胸の勇気」と続き、「左胸の勇気」の曲中にはメンバーが和田に黄色い花とメッセージを送るサプライズが。

　最終楽曲前、向井葉月は「私たち11人は、まーちゃん（和田）を送り出すことのできる選ばれたメンバーだと思うと、すごく誇りに思います。長い間、たくさん辛いも悲しいこともあったと思うけど、そういうのを出さない強さとか優しさは乃木坂が作ったんだと思うと、これからも私たちがつないでいかないといけないと思います」と伝えて大号泣。声を振り絞り「葉月たちのセンターでいてくれて本当にありがとう。こんなすてきな舞台に連れて来てくれてありがとう。すてきな景色をみせてくれてありがとう。これからもまーちゃんが守ってきたこの場所を葉月たちが守るから、これからもずっと乃木坂を好きでいてください」と感謝した。

　アンコール4曲目の「乃木坂の詩」では、会場が紫色のペンライトで染まり、歌唱後にはファンが一斉に「thank you まあや」と書かれたボードをあげ、卒業を祝福。鳴り止まない拍手に応えてのダブルアンコールでは、「他人のそら似」を11人で歌唱して、アイドル和田まあやのラストコンサートに幕を下ろした。

○乃木坂46 30thアンダーライブ＠オリックス劇場 DAY3セットリスト
出演メンバー：和田まあや、伊藤理々杏、阪口珠美、向井葉月、吉田綾乃クリスティー、北川悠理、黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、矢久保美緒（中村麗乃は新型コロナウイルス感染のため休演）

M01　Under’s Love
M02　不等号
M03　自由の彼方
M04　あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
M05　ポピパッパパー
M06　Against
M07　～Do my best～じゃ意味はない
M08　ワタボコリ
M09　音が出ないギター
M10　無表情(RAP Ver.)

M11　口約束
M12　低体温のキス
M13　欲望のリインカーネーション
M14　私のために 誰かのために
M15　生まれたままで
M16　口ほどにもないKISS
M17　錆びたコンパス
M18　Wilderness world
M19　ありがちな恋愛
M20　世界で一番 孤独なLover

M21　制服のマネキン
M22　日常
M23　Under’s Love

EN1　気づいたら片想い
EN2　狼に口笛を
EN3　左胸の勇気
EN4　乃木坂の詩