「六本木クラス」最終回の“土下座シーン”に賛否両論 「梨泰院クラス」との違いに関心高まる【変更点リストあり】

俳優の竹内涼真が主演を務めるテレビ朝日系連続ドラマ「六本木クラス」の最終回が29日夜に放送された。Netflixで配信され世界中で大ヒットとなった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の日本リメーク版。主人公の宮部新(みやべ・あらた)が父親を死に追いやった大手外食産業・長屋ホールディングスの長屋茂会長への復讐(ふくしゅう)を誓う青春群像劇で日韓共同プロジェクトとして制作された。この日の放送ではオリジナル版のエピソード15の中盤過ぎから同16までの部分が描かれ、クライマックスとなる“土下座シーン”の詳細が明らかになった。

竹内涼真【写真:ENCOUNT編集部】
竹内涼真【写真:ENCOUNT編集部】

ナイフと拳銃 オリジナルにはない凶暴性がエスカレート

 俳優の竹内涼真が主演を務めるテレビ朝日系連続ドラマ「六本木クラス」の最終回が29日夜に放送された。Netflixで配信され世界中で大ヒットとなった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の日本リメーク版。主人公の宮部新(みやべ・あらた)が父親を死に追いやった大手外食産業・長屋ホールディングスの長屋茂会長への復讐(ふくしゅう)を誓う青春群像劇で日韓共同プロジェクトとして制作された。この日の放送ではオリジナル版のエピソード15の中盤過ぎから同16までの部分が描かれ、クライマックスとなる“土下座シーン”の詳細が明らかになった。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 ヤクザに腹を銃で撃たれ意識不明で病院に運ばれてきた宮部新(竹内涼真)が意識を回復。そのニュースを目にした長屋龍河(早乙女太一)は父親の長屋茂会長(香川照之)に電話をかけて拉致した麻宮葵(平手友梨奈)と長屋龍二(鈴鹿央士)の居場所を伝えた。一方、龍河からメールを受け取った新は涙ながらに制止を訴える楠木優香(新木優子)を振り切って、痛む体を引きずりながら内山亮太(中尾明慶)と一緒に長屋会長のもとへ向かう。葵と龍二の居場所を聞く新に長屋会長は「この私に土下座できるか?」と迫る。その頃、倉庫内に監禁されていた葵と龍二は龍河に反撃して部屋から逃げ出すが、龍河とヤクザ一味に追い詰められる。命をかけて葵の救出を決意した新は監禁場所に乗り込みついに龍河を倒す。葵への愛を確認し打倒長屋の目標も果たした新はついに幸せを手に入れた。

「六本木クラス」はオリジナルの「梨泰院クラス」をリスペクトしつつもオリジナルなシーンを数多く盛り込んでいた。最終回では龍河とヤクザ一味がナイフと拳銃で武装するなど凶暴性がエスカレート。オリジナルは武器ではなく素手によるタイマン勝負にこだわっている。最終回の最大の関心事は香川演じる長屋会長の“土下座シーン”だった。「梨泰院クラス」ではオ・スアの内部告発によって大手外食産業グループ・長家(チャンガ)の経営が揺らぐ中、主人公パク・セロイが長家の買収に乗り出す。宿敵のチャン会長はセロイの店にやってきてセロイが調理した純豆腐チゲを食べた後、「カネがない。代わりにこれで払う」と力なくつぶやき、セロイの前で土下座をして長家買収の再考を頼み込んだ。これにセロイは「私は商売人ですよ。ビジネスしましょう、会長」と突き放す。「六本木クラス」も同様の流れだが、長屋会長がまさに土下座しようとしたとき、新は「土下座ですか。今のあなたが土下座をしたところで何の価値もありませんよ。これはビジネスなんです。会長」とさえぎった。

 この違いに関する視聴者の考察が興味深い。「一つの行為より愛や信念はそれで決まるものじゃないんですよと言われた気もした」「人間味あふれた心情がやっとわかった気がした」「この復讐劇を『あなたの土下座には何の価値もない』の一言でトドメ刺すの良かった。日本オリジナルの解釈でスカッとした」「特に会長にとっては土下座をさせてくれないのは逆に辛いのかも」「最後に会長に土下座をさせなかった新、真の復讐って感じでめっちゃ良かった」「もはや敵ですらない相手に対して上から『何の価値もない』と言い放つことほど屈辱的な復讐はないだろう」などテレ朝の新解釈による演出を称賛する声は多い。

 一方、オリジナルの「梨泰院クラス」をすでに視聴したとみられるファンからは「結局、会長土下座させなかったね。日本の作品てそういうとこあるよね。良いふうにまとめるみたいな…」「私はちゃんと原作通り土下座してほしかった。その上で『意味ない』って言った方がよりえげつない」「原作は土下座したのになんで土下座させなかったんだろう。原作の方がきれいだった気がする」「土下座が長屋会長には必要だった。原作はさせたのに」などの不満も漏れている。

 さまざまな制約がある中でゴールを迎えた「六本木クラス」は、「原作を見てみたい」という視聴者の関心を呼び起こし、Netflixで配信中の「梨泰院クラス」の視聴ランキングを押し上げる効果も生んだ。今回のリメークを機に今後、OTT(コンテンツのネット配信サービス)と日本のテレビ局のコラボがさらに増えていきそうだ。

※最終話の主な設定変更は以下の通り。

・「梨泰院クラス」チョ・イソを拉致したチャン・グンウォンが缶ビールを飲みながら父親のチャン会長に電話
→「六本木クラス」缶ビールはなし

・「梨」チョ・イソを監禁した部屋でチャン・グンウォンはグンスから棒で殴られる
→「六」同、木の椅子

・「梨」チョ・イソ救出のためパク・セロイが病室を抜け出す
→「六」麻宮葵救出のため宮部新が病室を抜け出す。銃で撃たれた脇腹をおさえながら歩く

・「梨」車に乗り込んだ後、チャン・グンウォンから届いたメールを確認
→「六」病室でメールを確認

・「梨」パク・セロイとチェ・スングォンが長家会長の自宅に急行
→「六」長屋ホールディングスに急行

・「梨」ヤクザ一味に対しチョ・イソはスコップ、チャン・グンスは鉄パイプで立ち向かう
→「六」麻宮葵と長屋龍二、ともにスコップ

・「梨」チャン・グンスがヤクザにナイフで足を切られる
→「六」麻宮葵が長屋龍河にナイフで切られる

・「梨」パク・セロイが車で道路を走行中、逃げ出したチョ・イソを発見。セロイの車とヤクザ一味の車が衝突
→「六」工場敷地内で宮部新が逃げ出した麻宮葵を発見。柵を乗り越えようとして失敗し落下した葵を新が抱き留める

・「梨」パク・セロイとチャン・グンウォンが素手でタイマン勝負
→「六」宮部新に長屋龍河がナイフで襲い掛かかる

・「梨」チェ・スングォンがヤクザの親分を素手でボコボコにする
→「六」内山亮太にボコボコにされたヤクザの親分が銃を向ける

・「梨」パク・セロイがチャン・グンウォンを素手で倒した後、パトカーが到着
→「六」ヤクザの親分が銃を向けたところにパトカーが到着

・「梨」オ・スアが長家の不正の証拠を警察に提出
→「六」同、検察庁

・「梨」パク・セロイが病室でチョ・イソを抱きしめる
→「六」このシーンはなし

・「梨」会長秘書が内部告発したオ・スアに本社1階ロビーで「なぜ?」と問い詰める
→「六」このシーンはなし

・「梨」パク・セロイが病室のベッドに正座しチョ・イソの母親に謝罪。青のスーツ姿
→「六」同、ベージュのスーツ姿

・「梨」追い詰められたチャン会長が自宅から電話をかけ資産家の老女に再投資を懇願
→「六」同、会長室。資産家の老女と対面

・「梨」チャン会長が車でタンバムを訪れ、パク・セロイが作った純豆腐チゲを食べる
→「六」長屋会長が1人で二代目みやべの店内に入ってきて、唐揚げを食べる

・「梨」チャン会長が土下座して謝罪。チョ・イソが同席
→「六」長屋会長が土下座しようとすると宮部新が制止し背中をどつく。麻宮葵の姿はなし

・「梨」理事会で正式に買収が決定。パク・セロイがあいさつ
→「六」このシーンはなし

・「梨」オ・スアが新規開店したレストランをチョ・イソとマ・ヒョニが偵察
→「六」このシーンはなし

・「梨」パク・セロイとチョ・イソが熱いキス
→「六」宮部新がコートを広げて麻宮葵の体を包み込む

・「梨」ビル屋上でパク・セロイと仲間たちが勝利の祝杯。ソウルの夜景が広がる
→「六」このシーンはなし

・「梨」湖畔でパク・セロイとチョ・イソがデートしてキス
→「六」このシーンはなし

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