元HKT48田島芽瑠が選んだ女優の道 新たな挑戦で「後輩たちの道しるべになりたい」

アイドルグループ「HKT48」を卒業し、本格的に女優の道を歩み始めた田島芽瑠(22)が、筋書きのない演劇「ドラマチックハイスクール」に出演する。本作は、俳優と構成作家が稽古を通し、理想の学園生活を語り合い作り出す“舞台史上最高の学園ドラマ”。予測不能な青春劇に挑む田島に単独インタビューを行い、本作への意気込み、女優としての未来について聞いた。

筋書きのない演劇「ドラマチックハイスクール」に出演する田島芽瑠【写真:イシイヒデキ】
筋書きのない演劇「ドラマチックハイスクール」に出演する田島芽瑠【写真:イシイヒデキ】

田島芽瑠 舞台「ドラマチックハイスクール」単独インタビュー

 アイドルグループ「HKT48」を卒業し、本格的に女優の道を歩み始めた田島芽瑠(22)が、筋書きのない演劇「ドラマチックハイスクール」に出演する。本作は、俳優と構成作家が稽古を通し、理想の学園生活を語り合い作り出す“舞台史上最高の学園ドラマ”。予測不能な青春劇に挑む田島に単独インタビューを行い、本作への意気込み、女優としての未来について聞いた。(取材・構成=イシイヒデキ)

――HKT48を卒業して5か月が経ちました。生活面では、どのような変化がありましたか。

「実家暮らしから東京で一人暮らしになり、グループでの活動から全て一人での活動になったので、すべてが変化したと感じています。やっと東京の生活に慣れてきて、電車やバスでの移動がスムーズにできるようになりました。自炊はできていませんが(笑)」

――心境の面ではいかがでしょうか。

「HKT48で活動していた頃は、12歳でアイドルを始めたので後輩に囲まれ、先輩メンバーとして仕切る役割というか自分の立ち位置が決まっていました。そんなポジションだったのですが、卒業してからは、どこの現場に行っても業界の先輩がたくさんいて、『若いね』と言われるのが新鮮でした。アイドル業とは違う女優の道を歩き始めて、一からお芝居を学んでいく段階なので、たくさん学びのある時期で毎日が充実しています」

――改めて、女優の道を選んだ理由を教えてください。

「もともとお芝居をすることは好きだったのですが、女優になりたいという夢を大きく掲げていたわけではありませんでした。女優の道を意識し始めたのは、兼重淳監督の映画『泣くな赤鬼』に出演して、堤真一さん、柳楽優弥さん、川栄李奈さん、大御所の方々と共演させていただいた時ですね。それまでは48グループの舞台に出演したことがあったのですが、プロの世界に踏み込んだことで、私が知らないお芝居の世界があるのだと知りました」

――プロの世界では、どんなことを感じたのでしょうか。

「大御所の方々の中で演技をして、自分はちっぽけで何もできないんだ……というのがくやしくて、ここで戦えるようになりたい、みなさんとまたご一緒させていただけるような女優になりたいと思い、今後もお芝居をやっていきたいと強く思うようになりました。兼重監督とお仕事させていただいたことは大きな人生の分岐点でした」

――HKT48卒業後はドラマ「吉祥寺ルーザーズ」(テレビ東京)に出演しました。ドラマの現場はいかがでしたか。

「共演した増田貴久さんや片桐仁さん、國村隼さん、お芝居の経験が豊富な方々ばかりで、私ひとり新人が迷い込んだみたいな感じで、一からいろんなことを教えていただきました。スタッフのみなさんにも温かく見守っていただき、卒業後初めてのドラマがこの作品で本当によかったです」

――「吉祥寺ルーザーズ」に出演して、どんな部分が変わりましたか。

「今までは台本を読んで考え込んでしまうタイプで、真面目とよく言われていたのですが、いい意味で遊べるようになりました。それが楽しくて、演技の奥深さを知ることができましたし、自分の中の引き出しも増えたと感じています。今回の舞台も、たくさんの学びがある現場なので、どう成長できるのか自分でも楽しみです」

田島が演じるのはスポコン系のバスケ部女子【写真:イシイヒデキ】
田島が演じるのはスポコン系のバスケ部女子【写真:イシイヒデキ】

夢は大河ドラマ出演「ピアスの穴を空けていません」

――今回出演する舞台『ドラマチックハイスクール』は、筋書きのない演劇、脚本が存在しない作品ということですが、こういった舞台に出演するのは初めてですよね。

「初めてですね。エチュードのようなお芝居は経験しているのですが、稽古場でエチュードを通して台本を作ってしまうんだ! と驚きました。ビジュアル撮影が終わりましたが、自分がどんなキャラクターを演じるのか分からない部分が多くて、ワクワクと不思議な気持ちがあります」

――田島さんが演じる鈴木祐実は「スポコン系のバスケ部女子。仕切りたがり」というキャラクター設定があります。(※今作は、稽古場で作り上げられていくもので、キャラクター設定はあくまでも目安。キャストの傾向や希望、ストーリー上の都合で設定が変わっていく可能性が大いにある)

「現段階では、その3つのワードしか決まっていないのですが、なんだか私っぽいのかな?と感じています(笑)。筋書きが無い舞台なので、鈴木祐実が他の登場人物とどう絡んで、どんなキャラクターになっていくのか。ここまで想像がつかない舞台が初めてなのですごく楽しみです」

――これまでの出演した作品では、役作りの際にどんなことを気をつけていましたか。

「自分だけにならないよう気をつけています。一人で突っ走ってしまったら、自分だけが楽しい作品になってしまうので、自分も楽しみつつ、演じるキャラクターがどうしたら共演者の方々がやりやすくなるかも考えなければなりません。ドラマで共演した國村隼さんから『作品というのは、みんなで作り上げて行くものだから、ひとりで抱え込まなくていいんだよ』とアドバイスをいただいて、共演者のみなさん、スタッフさんも含めて話し合って、みんなで作り上げていくことが大事だと実感しました」

――今回の舞台では、私立恵比寿中学の星名美怜さん、風見和香さん、元欅坂46の鈴本美愉さん、元AKB48の後藤萌咲さん、「アイドル」という共通点があるみなさんと共演します。

「女性陣はアイドルとして活動している方、アイドル経験者の方ばかりなので、分かち合えることがたくさんありそうですね。誰とでも仲良くなれるのが特技なので、みんなで楽しくお稽古をして、素晴らしい舞台を作り上げたいです」

――女優としての目標を教えてください。

「一番の目標は大河ドラマに出演することです。NHKオンデマンドに加入するくらい大河ドラマが好きで、いつか出演するために耳にピアスの穴を空けていませんし、乗馬ライセンスの資格を取得しました。お芝居の経験をたくさん重ねて、大河ドラマに出演できる実力をつけたいです」

――今年で芸能活動10周年を迎えます。10周年という節目を迎えて、どんなことを感じていますか。

「もう10年なんだと、しみじみ感じています。約10年間、HKT48として活動して、アイドルに思い残すことはなく、いい卒業を迎えられて新しいスタートを切ることができました。支えてくださった方々がいるので、よい報告ができる11年目にしたいと思っていますし、10年分のありがとうを伝えて、20周年も一緒に迎えられるように頑張りたいです」

――HKT48卒業生として、どんな先輩でありたいと思っていますか。

「HKT48は女優として活動しているメンバーが少ない方だと思うので、『芽瑠さんみたいに女優の道に進むこともできるんだ』と思ってもらえたら嬉しいですね。後輩たちの道しるべになりたいし、HKT48のみんなが頑張っているから、私も頑張らなくちゃ! と思えるので、ずっと応援し合える関係性でありたいです」

――最後にこの記事を読んでいるみなさんへメッセージをお願いします。

「筋書きがない演劇ということで、どんな舞台になるのか私も未知な部分があり、みなさんにもワクワクしていただける舞台になると思っています。私たちが青春でやりたかったことが叶えられる舞台、素敵な青春を思い出していただけるような作品、これから高校生活を送るみなさんにはこんな未来が待っているんだと希望を与えられるような作品にしたいです。みなさんにとっての青春が舞台上で表現されると思うので、一緒に青春を感じていただけたらうれしいです。私も22歳ですが、制服を着て頑張ります!(笑)」

□田島芽瑠(たしま・める)2000年1月7日、福岡県出身。12歳でHKT48の2期生として加入。デビューシングル「スキ!スキ!スキップ!」でセンターを務めるなど約10年間グループをけん引し、22年3月にグループを卒業。卒業後は女優として活動し、テレビ東京ドラマ「吉祥寺ルーザーズ」に出演した。

□「ドラマチックハイスクール」
会場:東京・品川プリンスホテル クラブeX
公演日程:2022年10月7日(金)~10月16日(日) ※全13回公演
公式HP:https://dramatic-highschool.com/

構成演出:川尻恵太(SUGARBOY)
出演:星名美怜(私立恵比寿中学)、佐奈宏紀、田村升吾、田島芽瑠、風見和香(私立恵比寿中学)、鈴本美愉、草地稜之(円神)、中本大賀(円神)、後藤萌咲、福島海太/村田充、唐橋充/馬場園梓/なだぎ武

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