高橋伴明監督 菅元首相の弔辞に異議「国葬見ていないが、自助公助という言葉は嫌い」
女優の板谷由夏(47)が主演する映画「夜明けまでバス停で」(10月8日、新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開、高橋伴明監督)の完成披露試写会が28日、東京・渋谷のユーロライブで行われ、筒井真理子(61)、柄本明(73)、高橋監督、脚本の梶原阿貴氏が登壇した。
ホームレスの女性が殺された悲劇をベースにした問題作
女優の板谷由夏(47)が主演する映画「夜明けまでバス停で」(10月8日、新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開、高橋伴明監督)の完成披露試写会が28日、東京・渋谷のユーロライブで行われ、筒井真理子(61)、柄本明(73)、高橋監督、脚本の梶原阿貴氏が登壇した。
2020年冬、渋谷区幡ヶ谷のバス停で寝泊まりするホームレスの女性が殺された悲劇をベースにした問題作。板谷がアクセサリー作りと居酒屋勤務を掛け持ちしながらもコロナ禍で仕事を奪われ、ホームレス生活をしなければいけなくなったヒロイン三知子を演じた。
「欲望」(2005)以来の映画主演となる板谷は「(高橋監督は)勝手に親鳥みたいな方だと思っています。20代の時に『光の雨』で呼んでくださった。監督らしい監督さんで、心のどこかに伴明さんがいたので、また呼んでもらってうれしかった。心地のよい現場でした」と話す。
クランクイン前に飲食店でアルバイトしたそうで、「実際に話を聞くと、(パワハラなどで困っている)弱い立場の人がたくさんいる。このことをスルーしてはいけないし、知ってほしい。困っている人は『助けて』と言ってほしい」。ホームレスになる過程では3キロ近く減量も体験。方法を聞かれると、「(ヒロインが食べられなくなるので)食べませんでした。残飯を漁っているシーンは本当におなか空いていないとできない。三知子役を追体験していく感じでした」と振り返り、「監督の怒りを感じてほしい」と締めた。
映画で久々に社会に毒づきたいと思ったという高橋監督は「昨日は大阪のキャンペーンで安倍(晋三)元首相の国葬を見ていないが、菅(義偉)元首相の弔辞の評判がいいと聞いている。だが、私は『自助公助』という言葉が大嫌い。政府は自助が大事というが、亡くなってしまってからでは、公助は意味がない。私はいろいろと怒っているが、みなさんももっと怒るべきだ」と言葉に力を込めていた。