プロ2戦目・三浦孝太が背負う父“キングカズ”の看板「汚したくないというのが1番」

格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN」(25日・さいたまスーパーアリーナ=ABEMAで完全生中継)でブンチュアイ・ポーンスーンヌーン(タイ)と対戦する三浦孝太(BRAVE)。昨年大みそかの鮮烈デビューからもうすぐ1年、改めて“キングカズ”の看板を背負って戦うことへの思いを聞いた。

9か月ぶりのリングの心境を語る三浦孝太【写真:山口比佐夫】
9か月ぶりのリングの心境を語る三浦孝太【写真:山口比佐夫】

9か月ぶりのリングはさいたまスーパーアリーナ

 格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN」(25日・さいたまスーパーアリーナ=ABEMAで完全生中継)でブンチュアイ・ポーンスーンヌーン(タイ)と対戦する三浦孝太(BRAVE)。昨年大みそかの鮮烈デビューからもうすぐ1年、改めて“キングカズ”の看板を背負って戦うことへの思いを聞いた。(取材・文=島田将斗)

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 格闘界に新たな風が吹いた。2021年9月19日に開催された「RIZIN.30」で三浦は初めてRIZINのリングに上がった。“キングカズの息子”の格闘家デビューは瞬く間にトップニュースに。世間の注目を一身に浴びることになった。

 デビュー戦が格闘技にとっては年間で1番大きな大会となる大みそか。三浦は元ホストのYUSHIと対戦し、スタンドでもグラウンドでも圧倒。サッカーボールキックも相手にお見舞いしてのTKO勝ち。鮮やかなデビューとなった。勝利後に父・三浦知良とした抱擁も話題になった。

 あれから9か月ぶりにリングに上がる。出場予定だった今年5月5日の「RIZIN LANDMARK vol.3」は直前に首のけが、7月31日の「RIZIN.37」では新型コロナウイルス感染によって欠場を余儀なくされていた。

 プロ2戦目が「超RIZIN」の舞台。三浦は「出してもらえるのは当たり前じゃない。そこはわきまえていきたい」と口にするとデビュー戦との心境の変化を明かした。

「あのとき(デビュー戦)は何かが始まるっていう感じでした。1回しか試合をしていないのに、ここまでSNSのフォロワーが増え、メディア露出も増えたので今の自分と去年の自分は全く違うのかなと思います」

「プレッシャーは感じない」としながらも、もっと経験が必要だと強く感じていた。8月に行われた“レジェンド”ブアカーオ・パンチャメーク(タイ)とのエキシビションマッチがきっかけだった。

「人生において、ああいう怖い経験をしたのは初めて。動物と同じ檻に入れられたような感覚でした。入場のときは楽しかったんですけれど、直前にリング上がりたくないなぁみたいな気持ちになりました」

 リングに入っても圧倒的なキャリアの差を痛感した。「向かい合ったときの恐怖心。何をしたらいいのか分からない。どう攻めていいのか分からない。蹴ったら足は痛くなるし、パンチも握って打つと跳ね返ってくる。怖い猛獣がリングにいるような感覚でした」としみじみと振り返った。

現役サッカー選手の父の存在を語る三浦孝太【写真:山口比佐夫】
現役サッカー選手の父の存在を語る三浦孝太【写真:山口比佐夫】

「親としてもキングカズとしても大好き」

 約1年間の格闘家生活を「あっという間」だったと振り返る。“キングカズの息子”のRIZIN参戦は新たな風を呼んだ。55歳でありながら現役サッカー選手の父の存在はどんなものだったか明かした。

「父の存在のおかげで自分は注目してもらえて、この舞台に立てています。その看板を汚したくないというのが1番ですし、自分はお父さんが大好き。しっかりとお父さんの息子でいる。自分もいち“キングカズ”のファンとして人として恥じないように生きていきたいと思っています」

 父の看板について話す孝太の目は輝いていた。

「親としてもキングカズとしても大好き。アスリートとして、自分が親になったときでもお父さんのようになりたいですし、そこを目指しています」

 父は、孝太の年のころにはすでに単身でブラジルに渡っており、活躍していた。1年間で少しでも近づけたのかと聞くと、質問をさえぎるかのように「それはまだまだ」とすぐに否定した。

「まだ始まってすらいないので。(父は)本当にすごいなと思います。実績とか置いておいたとしてああいうメンタル作り、あそこまでサッカーに愛を持つようなことを自分は格闘技でできていないです。そこに対しての向き合い方からスタートしたいですね」

 レジェンドが近くにいることは孝太の刺激にもなっていた。「お父さんは何に対しても自分がどう思っているかを軸に考えている。家族がどんなに反対しても、お父さんはこれをやると決めたら絶対自分でやる。自分がやりたいからやっているというのが一切ブレていない。それが人生に表れていると思います」と熱くなる。

 その上で「どういう分野においてもそういうのは大切。周りに流されずに自分のやりたいことに愛を貫く。人とのかかわり方も常に同じ。そういう部分は見習っていますね」とうなずいた。

「自分のためにやっている」。父からもらった孝太にとっての大事な言葉だ。

「自分がよければいいじゃないですけれど、そういう気持ちは大事なところなんじゃないかなと思います。応援してくれる人や家族、仲間を背負いますけれど、それでも周りのためにやっているわけではないんです」

 プロ2戦目。今は、ベルトなどは見据えていないとあっさり。決して焦らない。「自分だけにしかできないことを見せたい。1戦、1戦そのときに見える景色を大切にしたいです」と口にした。

「超RIZIN」では一本かKOと豪語する。格闘家・三浦孝太が成長した姿を見せつける。

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