NEWS加藤シゲアキが作家生活10周年「順風満帆じゃなかった」 人気ジャニーズと作家を両立
人気グループ「NEWS」のメンバーで作家の加藤シゲアキが23日、都内ホテルで単行本「1と0と加藤シゲアキ」(9月30日発売)の刊行記念イベントに出席した。
現在ツアー中、移動時間に執筆の多忙ぶり
人気グループ「NEWS」のメンバーで作家の加藤シゲアキが23日、都内ホテルで単行本「1と0と加藤シゲアキ」(9月30日発売)の刊行記念イベントに出席した。
作家生活10周年の節目を迎え、自らが企画、編集長を務めた単行本で、これまでを振り返る2.5万字超ロングインタビューや撮り下ろしグラビアのほか、豪華クリエイターたちとの対談、人気作家陣による創作寄稿などが収録されている。また、加藤自らが原作・脚本・監督・主演のすべてを担当したショートフィルム「渋谷と1と0と」も制作。記念イベントにはファンも招待し、作家生活にまつわるトークショーを行った。
できあがった単行本を手に「『やっとできたな』というのが第一印象」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、「プロジェクトが動き出したのが1年くらい前。そのころ予定していた発売日は3月だったけど、伸びて伸びて9月になってやっと(刊行できた)。結果的に全てやりたいことができた、自分でも夢のような本ができたと思います」と胸を張った。
12年1月に「ピンクとグレー」で文壇デビュー。当時のことを「すごく怖かったし、厳しい意見の方が多いだろうと思って始まった」と赤裸々に振り返り、「でも、ふたを開けると、たくさんの文芸界の方が歓迎してくれる雰囲気があって、『書き続けなくちゃ』と思って始まった。順風満帆じゃなかったけど、続けることを念頭に置いて頑張ってきました」と言葉に力を込めた。
単行本の中には、加藤の作家としての歩みを見守ってきた書店員による対談も収録。その中でデビュー当時の加藤を取り巻く雰囲気も紹介されていると明かし、「『おもしろいけれど、これで終わると思っていた』とか。すごい様子を見られた。でもそのおかげで、ちゃんと下積みを経験した。それがよかったし、腐らずにいられたのは読者の方のおかげ」と周囲に感謝した。
今後の展望を問われた加藤は「新人賞を取らずに文芸界に飛び込んで、『歓迎されない』と思って始まったチャレンジ。10年していろんな方が僕と支えてくださったり協力してくださり、やってきてよかったと思うことがこの1年とても多かった。自分の小説に関しては、書き続けて行かないといけないんだなと思いました」と次回作以降の創作にも意欲を見せていた。
また、報道陣からの質疑応答では「アイドルと作家としての頭の切り替え」について言及。「切り替えも速くなった。今はツアー中ですけど、移動のタイミングは作家業の時間になりやすい。基本的に原稿書いたりチェックしたりしていました」と話し、「ありがたいことに原稿の依頼が多いので、常に“作家でありアイドル”の状態を保たないと。正直、切り替えていられないというのもあります」と多忙ぶりを明かしていた。
加藤は1987年生まれ、青山学院大学法学部卒。NEWSのメンバーとして活動しながら、12年1月に「ピンクとグレー」で作家デビューを飾り、以降もヒット作を世に送り続けている。20年に刊行した「オルタネート」で、21年第164回直木賞候補となり、第42回吉川英治文学新人賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。