Toshl、羽生結弦からもらった手紙に感謝「僕の力になっています。人生に大きな影響を」

日本を代表するシンガーのToshlがディズニーの名曲や、昭和や平成の歌姫のラブソングなどをカバーしたアルバム「IM A SINGER VOL.3」を9月28日にリリースする。全11曲のアルバムには、大切な人と交わした言葉をモチーフにしたオリジナル曲も収録。Toshlはアイスショーで共演した羽生結弦から受け取った「手紙」が「僕の力になっている」と感謝する。3年ぶりの新盤についてToshlに聞いた。

3年ぶりの新盤を発売するToshlが羽生結弦との交流について語る【写真:ENCOUNT編集部】
3年ぶりの新盤を発売するToshlが羽生結弦との交流について語る【写真:ENCOUNT編集部】

日常で感じた生命の息吹をつづった自作曲も収録した3年ぶり新盤

 日本を代表するシンガーのToshlがディズニーの名曲や、昭和や平成の歌姫のラブソングなどをカバーしたアルバム「IM A SINGER VOL.3」を9月28日にリリースする。全11曲のアルバムには、大切な人と交わした言葉をモチーフにしたオリジナル曲も収録。Toshlはアイスショーで共演した羽生結弦から受け取った「手紙」が「僕の力になっている」と感謝する。3年ぶりの新盤についてToshlに聞いた。(取材・文=西村綾乃)

ドラマ、アニメ、アイドル、K-POP、スポーツ…大人気番組が目白押しのお得キャンペーンを実施中(Leminoサイトへ)

「IM A SINGER」はToshlが初のカバーアルバムとして2018年に立ち上げたシリーズ。唯一無二の歌声で、中島みゆきの「糸」、尾崎豊の「I LOVE YOU」などを歌い話題を集めた。第3弾では映画「美女と野獣」を歌手で俳優の石丸幹二と共演。美しいハーモニーを響かせた。

「石丸さんと共演した『美女と野獣』は、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも一緒に歌った曲。映画の主人公・ベルになり切り、石丸さんの歌声に包まれました。『イントゥ・ジ・アンノウン ~心のままに』はオーケストラとの共演。新しくチャレンジした『スピーチレス~心の声』はチェロ奏者の宮田大さんと共演することがかないました。ディズニーとのコラボは『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)さまにもご協力いただいて、クラシック音楽系のみなさんとの共演を果たすことができました」

 中森明菜の「難破船」、絢香の「三日月」。収録した11曲の中には、歌姫たちが切ない恋心を歌う名曲と共に、龍玄としとして作詞・作曲を手掛けたオリジナル2作を収めた。大切な人と過ごす最期の時をつづった「葉ざくら」は愛犬との散歩中に見た景色からインスパイアを受け生まれた。

「『葉ざくら』は、愛犬のチワワ『にゃんたろう』との散歩でよく通っていた桜並木で抱いた想いがモチーフになっています。蕾がふくらんで美しい花を咲かせ、そして散っていく……。当たり前のように変化していく木々。その幹にふと目をやったとき、太い幹にも小さな桜の花が咲いていることに気づいて、その周囲に小さな芽が出ていた。『命』を感じてとても感動したんです。ジーンとして立ち止まった僕を、『どうしたの?』という感じで見上げるにゃんたろうが愛おしくて、抱き上げたら、その体温の温かさと小さな心臓の鼓動が伝わって、なんだか涙が込み上げてきました……。歌詞には僕が感じた春の日の出来事、そして一緒にアルバムを制作していたスタッフが話してくれた亡きお父様への想いも込めています」

 周囲の人に耳を傾けた言葉を歌詞に込めたのは、ともに制作を続ける仲間への感謝でもあると語る。

「そのスタッフはアレンジャーさんなのですが、彼のプライベートスタジオに作業に伺ったときに、お父さまの遺影が置かれていたことに気づきました。生前に素直になることができなかった自分に、後悔があると打ち明けてくれました。彼の話を伺っていると、自分の亡き父への思いも湧き上がってきました。僕はレコーディングのときに、おススメのスイーツなどを持ち込んで、スタッフと一緒に食べながら休憩する“もぐもぐタイム”を設けているんです。音楽のことはもちろん、プライベートな話などいろいろな話題がありました。そんな腹を割ったコミュニケーションが、今回のレコーディングではとても重要なこととなっていきました。一緒に音楽を制作してくれている仲間が素直に話してくれた大切な心の内を、曲に盛り込みたい。そうしたらみんなの曲にもなると思ったんです。聴いてくださる方が、ご自分の思いも重ねて聴いていただけたら本望です」

 アルバムのラストを締めくくる「しあわせになるんだよ」は、バラエティー番組「モニタリング」(TBS系)に出演する際「サプライズをしたい」と申し出たToshlのひと言から企画が進んで行った。

「番組では、作詞・作曲・プロデュースをしたオリジナル楽曲を僕とツインボーカルで歌うためのオーディションを行ったのですが、そこで噺家の林家たい平さんと共演することが決まりました。どんな曲を書こうかとなったときに、『もぐもぐタイム』の中で、レコード会社のスタッフから、お嬢さんへの熱く切ない思いなどもいろいろ伺っていたのを思い出し、また、たい平さんにも、お嬢さまがいらっしゃっることを知り、たい平さんにもサプライズになるようにとの思いから、『ウエディングソング』にしようと思い立ちました。そして、モニタリングで披露する際も、結婚式のサプライズで、たい平さんと2人で歌うという内容にしていただきました」

「しあわせになるんだよ」の歌詞では、感謝を込めた「手紙」について触れる場所がある。

「印象深いのは、アイスショー(『ファンタジーオンアイス 2019』)で共演をした羽生結弦さんからいただいたお手紙です。羽生さんが僕の楽曲『マスカレイド』『CRYSTAL MEMORIES』に合わせて演舞してくださったのですが、このショーの最終日に直筆のお手紙をくださったんです。控室に置いてあったのですが、いただいたお言葉はいまも僕の力になっています。コロナ禍などで、心が弱くなってしまった時期にも羽生さんからの手紙を読み返しました。羽生さんからいただいた圧倒的な感動は、僕の人生に大きな影響を与えてくださいました。またご一緒できることがあれば、どこでも喜んで飛んでいきたいと思います。

 長年に渡りシンガーとして第一線で活躍する唯一無二の歌声はどのようにして保っているのだろう。

「なるべく規則正しい生活リズムを保つことを心がけています。朝、にゃんたろうと散歩に出かけることや、にゃんたろうと遊んだりすることが僕のストレス解消法です。お酒は体質的にほとんど飲めません。食事もなるべく体に良いものを食するように心がけています。睡眠時間は基本的に7時間くらいはとります。心身ともに健康であることが声の好調さに繋がっていると思います。そして何よりも、コンサートや自分の番組であるニコニコ生放送や、ブログなどのSNSで、ファンの皆さんと双方向のコミュニケーションを取れること、そこで、歌ったり、笑ったり、ふざけたり、本音を伝えたり、少しでもありのままの自分を曝け出すことをみなさんに受け入れていただいていることが、何よりも、僕のパワーの源になっていることは間違ありません。そんな奇跡のようなことが可能になった『今』が本当にありがたく、心から幸せを感じています」

□Toshl(とし)龍玄(りゅげん)としの別名義も持つ。ボーカリストとしてだけではなく、画家としての活動も「音の世界を描く」という独自のアート表現で、観る者の心に深い感動を与える作風が大きな反響を呼んでいる。

次のページへ (2/2) 【画像】Toshlの新作アルバム「IM A SINGER VOL.3」(初回盤)のジャケット写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください