愛車は日産レパード 「あぶない刑事」に憧れた32歳オーナー「ずっと好きな車ナンバーワン」
名作のなかに名車あり。日産レパードは、テレビドラマ「あぶない刑事」シリーズ(日本テレビ系)で主人公の舘ひろしや柴田恭兵が使用した車として知られる。埼玉県の田中賢太さん(32)は柴田の大ファンで、19歳のときに1988年式のレパードを購入。2016年に公開された映画「さらば あぶない刑事」ではエキストラを務めて本人や舘と対面、愛車は公式写真集にも掲載された。本放送のときは生まれていなかったという田中さんは、なぜ、ここまでレパードに引き込まれたのか。
部品の移植にもう1台購入 修理費だけで300万
名作のなかに名車あり。日産レパードは、テレビドラマ「あぶない刑事」シリーズ(日本テレビ系)で主人公の舘ひろしや柴田恭兵が使用した車として知られる。埼玉県の田中賢太さん(32)は柴田の大ファンで、19歳のときに1988年式のレパードを購入。2016年に公開された映画「さらば あぶない刑事」ではエキストラを務めて本人や舘と対面、愛車は公式写真集にも掲載された。本放送のときは生まれていなかったという田中さんは、なぜ、ここまでレパードに引き込まれたのか。(取材・文=水沼一夫)
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レパードは「あぶない刑事」シリーズに登場する代表的な警察車両。田中さんのレパードもドラマに登場する車種と同タイプで、前期型かつグレードは3.0アルティマ グランドセレクション、さらにゴールドのツートンカラーと存在感を放っている。
「ブランド自体はもうなくなっていて、車自体も今は作られていないんですけど、刑事ドラマの『あぶない刑事』で主役の柴田恭兵さんが乗っていたのがこのレパード。ファンの人の中で今でも結構人気があったりするんですよ」と紹介した。
購入したのは13年前。知り合いから40万円で譲ってもらった。発売当初の新車価格は416万円ほど。トヨタ・ソアラのライバル的な高級車で、生産台数もそれほど多くはない車だ。現在は旧車価格の高騰もあって、同仕様・同程度の車両であれば最低でも500万円ほどの値がつけられているという。
本放送のときには生まれていなかった田中さんが、「あぶない刑事」に興味を持ったのは、小学生のときだった。学校から帰宅すると、夕方テレビでの再放送にくぎ付けとなった。犯人を追いかけ、ときにはカーチェイスも繰り広げる。子ども心に刺激を与えてくれた車だった。
これまではあぶない刑事仕様ということで基本、純正で乗っていたが、最近は車高を下げ、ホイールもカスタムして変化を楽しんでいる。魅力はやはり、車そのもの。「乗り心地がいいかというとそんな良くないんですけど、もう全体的な雰囲気が好きですね。やっぱり今にはない、クラシカルな感じというか、周りでも見かけないですし、良い意味でも悪い意味でも目立ちます。手間がかかることもなんだかんだ言いつつ楽しんでいますね」。角ばったようなフロントの顔つきも気に入っている。
憧れの車だけに、愛着はひと一倍だ。免許を取って最初に手にした車でもある。
「部品もなかったりするんですけど、もう1台同じ車を買って“ニコイチ”というか、部品を取って移植してとかやりつつ、何とか持っている感じですね」
13年間で修理費だけで300~400万円ほどかかっているという。2年前にエンジンを、昨年はトランスミッションをオーバーホールした。
「最近の車にあんまり興味もないですし、それなりにお金もかけてきちゃったので、今から手放すとかもできないですね。走れる限り乗りたいですし、走れなくなったら、オブジェとして1分の1の“ミニカー”として家に持っていたい。小学校のときから32まで浮気せず、ずっと好きな車ナンバーワンできたので、たぶん死ぬまでこれ以上好きな車が出てこないんじゃないかなと思います」と不動の愛を明かした。
映画「さらば あぶない刑事」にまさかの出演
普段の通勤で車は使っておらず、乗るのはもっぱら休日だ。街に繰り出すと、ドラマのことを覚えている往年のファンから声をかけられる。
「ガソリンスタンドで給油しているときが多いですね。『懐かしいね』とか『昔乗ってたよ』『昔欲しかったけど、買えなかったね』とか声をかけられます。年配の人というか、リアルタイムの世代の方が多いですね」
そんな田中さんにとって、最もうれしかったことが映画「さらば あぶない刑事」にかかわったことだ。エキストラに選ばれ、作品に出演した。
「制服のお巡りさん役で出演したんですよ。それこそポスターにも恭兵さん、舘さんと私が3人で写っている写真がたまたま選ばれることもありました。もう何しゃべったか覚えてないぐらい緊張しちゃいましたけど、本当それはうれしかったです。エキストラの人は『ファンです!』とかは言っちゃダメだよってなっていたので、『じゃあ君ちょっとこっちに立って』とか、映画の進行のための会話でしたね」
さらに、愛車レパードも活躍した。「そのときに発売された公式の写真集があるんですけど、そこに私の車が使われて本に載ったんです。公式プラモデルの撮影にも車をお貸ししました」。それだけ数が少なく、貴重な車だった。エキストラの面接のときに、面接会場だった大泉の東映撮影所にレパードで乗りつけ、車への愛を語ったことが、担当者の目に留まったという。
映画の公開初日にも、銀座の東映本社にレパードを横付け。大勢の「あぶデカ」ファンの目を引いた。「それは勝手にやっただけなんですけど、『公開初日にレパードが集まる』みたいにニュースに取り上げられたこともあって、思い出に残っていますね」と、田中さんは笑顔で振り返った。