坂東玉三郎が赤井英和を祝福 40年以上のつきあい「赤井君は動物のようなものだった」

俳優・赤井英和のボクサー時代を描いたドキュメンタリー映画「AKAI」(監督・赤井英五郎)の公開記念舞台あいさつが10日、東京・新宿の新宿ピカデリーで行われ、赤井、赤井英五郎監督、花束ゲストとして歌舞伎俳優・坂東玉三郎が登壇した。

舞台あいさつにゲストとして登壇した坂東玉三郎【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつにゲストとして登壇した坂東玉三郎【写真:ENCOUNT編集部】

赤井英和「若旦那には感謝しかないです」

 俳優・赤井英和のボクサー時代を描いたドキュメンタリー映画「AKAI」(監督・赤井英五郎)の公開記念舞台あいさつが10日、東京・新宿の新宿ピカデリーで行われ、赤井、赤井英五郎監督、花束ゲストとして歌舞伎俳優・坂東玉三郎が登壇した。

 同作は、世界王者に挑戦した「ブルース・カリー戦」、引退の引き金になった「大和田正春戦」の試合、自伝を基に赤井自身が主演したデビュー映画「どついたるねん」の映像とともに、2020年春の緊急事態宣言下に行ったインタビューでつづられる。赤井の息子でプロボクサーの英五郎が編集・監督した。

 本作で「Special Thanks」としてクレジットされた玉三郎が大きな花束を持って祝福。「意外に思われるかもしれませんが、(赤井とは)縁が深かったんです。赤井君のアマチュア時代のお客様が、僕のお客様でした。試合のことは知っていましたが、その前後のことが膨らんでいて、赤井君の素顔が見られて、胸にささるものがありましたね」と出来栄えに太鼓判を押した。

 当時23歳だった赤井英和が背中を向けて全裸で立つ映画ポスターは写真家の篠山紀信さんが1983年に撮影したもの。この縁を結んだのも玉三郎だった。

「世界チャンピオンに挑戦するためにアメリカで特訓に行く時にトランジットで東京に寄ったんです。帰ってきたら、忙しくなってしまうから、今のうちに撮っておいた方がいい、と。僕は立ち会わなかったのですが、篠山さんが自然光スタジオで撮ったんです。みなさんの目に触れることのない記録だったので、人様の目に止まるとは思わなかった。(当時の赤井は)動物でした」と秘話を明かした。

 ポスターの英和は、英五郎監督にそっくりとの評判だが、「似ているね。赤井君に、こういう財産があるのは素晴らしいなと思います」と話した。

 恩人・玉三郎を前に赤井は恐縮しきり。「若旦那には感謝しかないです。篠山さんも紹介していただきましたし、この映画も若旦那がいなかったら、ありえなかったです」。英五郎監督も「頭が真っ白です。見てくださっただけでも感謝なのに、こうして登壇していただき、感想までいただけた」と話した。

 映画については、赤井は「勇気が出る映画になっています。よかったら、5人、10人に言っておいてください」。英五郎監督は「友達から『元気をもらった』と言われたのがうれしかった。思いが伝わった。映画は周りの力なしにはなかったので感謝しかないです。これからも心を込めて活動していきたいと思います」と誓った。

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