5人組V系バンド「the Raid.」がツアーファイナル断念 「1000万円の負担」も「ピンチはチャンス」

無観客の中野サンプラザホールでライブを行った5人組ヴィジュアル系バンド「the Raid.」
無観客の中野サンプラザホールでライブを行った5人組ヴィジュアル系バンド「the Raid.」

「小中学生・高校生のファンの方の親御さんからは『子どものことを考えると中止にしてほしい』との声も」

――中止は苦渋の決断だったのでは?

星七「9年かかって掴んだ夢を自分たちで取りやめることに対しての葛藤がありました。ファンの方々にも、『どうしても夢を叶えている姿を観たい』と言ってくれた方もいる一方で、小中学生・高校生のファンの方の親御さんからは『子どものことを考えると中止にしてほしい』との声も頂きました。正解はないと思いますが、様々な意見が飛び交い、僕たち自身もすごく悩みました。ただ、人の命は失ってしまったら取り戻すことができません。僕たちの夢のために誰かが傷つくのであれば……と考えたときに、自分たちが夢を諦める決断をすることでみんなが救われたらいいなと思い、中止にしました」

――無観客ライブはどんな気持ちでステージに立たれたのですか?

星七「今日はお客さんがゼロ人だったのですが、観てくださる方が目の前にたくさんいることを意識して、妥協せず、全力でライブを行いました。ライブはずっとやってきているので、たとえ目の前にいなくても、お客さんとの心の距離はしっかりと取れていました。緊張しましたし、色んな思いが交錯しました」

――YouTubeチャンネルでプレミア公開をされました。どうして公開しようと思ったのですか?

星七「お客さんと一緒にライブを楽しむことが難しい状況なので、ちょっとでも楽しんで頂きたいと思い配信することにしました。観て下さった方にとって、“また明日から頑張る力”になっていればいいなと思います」

――今後の活動はどうなりますか?

星七「中止にしたことで経済的な被害も及んでいるのですが、活動を止めることは選択肢としてありません。この状況を糧に、次からまたスタートしたいと思っています。今回の状況を受けて、次のツアーのタイトルを「ピンチはチャンス」にしました。こういうピンチだからこそ新しいスタートを切って、いい方向に持っていけたらと思います」

――7月リリースの次回シングルはどんな楽曲になっていますか?

星七「少女漫画の王子様がテーマになっています。女子の恋する気持ちを応援する曲になっています。恋では叶わないことの方が多いと思いますが、聞いて頂いて女子力アップに貢献できたらと思います」

次のページへ (3/4) 「『悔しい、悔しい』で終わるのではなくて、今回のことがあったからこそ先の未来があるのではないかなと前向きに」
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