ソロキャンプ中の性被害訴え…女性キャンパーの告白が波紋 専門家に聞いた解決策とは

今月5日、ある女性キャンパーがソロキャンプ中にレイプ未遂の被害に遭ったとする内容のツイッターを投稿、波紋が広がっている。

女性が安全にソロキャンプを楽しむための解決策とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
女性が安全にソロキャンプを楽しむための解決策とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

キャンプ場でソロキャンプ中、男性2人組にテントの中に引きずり込まれそうに

 今月5日、ある女性キャンパーがソロキャンプ中にレイプ未遂の被害に遭ったとする内容のツイッターを投稿、波紋が広がっている。

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 投稿によると、女性はキャンプ場でソロキャンプ中、たまたま居合わせた男性から火おこしの手伝いを頼まれ、それに応じたところ、テント内から現れたもう一人の男性にテントの中に引きずり込まれそうになったという。当時キャンプ場の管理人は不在で、運よく近くにいた自動販売機の補充業者が女性の悲鳴に気づき、その後警察に通報。辛うじて難を免れたという。一連の投稿は、個人特定のリスクなどの理由からすでに削除されているが、投稿当初から拡散され話題となった。

「何事もなくご無事で何よりでした」「男としてもキャンパーとしても人間としても許せません」と女性の身を案じる声が数多く寄せられた一方で、「女性のソロはリスクがあると思います。管理人さんが常駐してる、電波がちゃんと入るとか、リスク管理も大事です」「女性が気をつけなくてはいけない流れはおかしいのですが、ご自身を守るため防犯ブザー等をお持ちになるなどご検討ください」といった忠告も。今回に限らず、残念ながら一部では「女性が一人でキャンプしてたら襲われても仕方がない」という偏った見方もあり、女性のソロキャンプの是非をめぐっては度々議論が巻き起こっている。

 女性が安全にソロキャンプを楽しむにはどうしたらいいのか。「ソロキャンプの健全な普及」を目指して設立された任意団体、日本単独野営協会の小山仁代表は、管理人が常駐しているキャンプ場を選ぶ、テントに南京錠をつける、防犯ブザーを携帯するなどの具体的な対策をあげつつ、「大前提として、悪いのは襲った男性で、女性が一人でキャンプをすることには何ひとつ非難されるいわれはありません。なんで被害に遭う側が気をつけないといけないのか。こんな理不尽なことはありません」と現状を憂慮。その上で「我々としては、むしろ女性にどんどんソロキャンプをやってもらうべきだと思っているんです」と持論を語る。

「防犯はもちろん、トイレやお風呂の問題、女性が少ないので変な目で見られるなど、女性キャンパーが感じている悩みは男目線からは分からないことが多い。女性特有の問題を解決するためには、ソロキャンプ業界全体の女性比率を増やす必要があるんです。例えば、現時点で女性専用サイトを作ろうと思っても、キャンプ場は採算が合わないからなかなか難しい。ですが、女性の比率が上がってそういった声が増えれば、将来的にはそれも可能になるかもしれない」(小山代表)

 日本単独野営協会では、女性キャンパーの比率向上のための実践的な取り組みとして、無料の「ソロキャンプスタートアップ支援制度」というものを設けている。事前に申し込むことで、協会の幹部が現地に同行。初めてのソロキャンプを手取り足取り教えてくれるのかと思いきや、離れたところでキャンプをするだけで、一切話しかけることはないという。

「ソロキャンプを楽しみにきている以上、こちらから話しかけることは一切ありません。困ったことや分からないことがあって、電話をいただいたときだけアドバイスする。よく、女性がソロキャンプしていると、親切心で話しかける男性もいますが、これはマナー違反どころか今やご法度。女性側も警戒心からナーバスになっていて、話しかけられるだけで怖いという方もいます。あいさつは大事ですが、向こうから話しかけられるまでは話しかけない。男性側の意識改革も重要です」(小山代表)

 まだまだ女性にとっては安心してソロキャンプができるとはいいづらいのが現状だが、だからこそ、女性キャンパーの増加や女性を排除しないための仕組み作りが必要なようだ。

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