俳優の岡山天音が5日、都内で行われた映画「あの娘は知らない」（9月23日公開）完成披露試写会に登場した。当日は共演者の福地桃子と井樫彩監督も登壇し、同作をアピールした。

　MCから役作りについて聞かれた岡山は「（岡山が演じた）俊太郎が経験してきたことを僕が経験しているわけではないんですけど、俊太郎が感じた痛みや抱えている荷物みたいなものは自分の方に引っ張り込もうとせずとも、苦労せず、似たような経験はあったので……ただ、家でこのシーンを演じようと考えても仕方ない作品だなと思いました。（静岡県）伊東市でのロケでもあったので、実感が持てる場所から刺激などをもらいながら、お芝居をするということを大切に、即興じゃないですけど、その瞬間を取りこぼさないように大事にしようという思いでお芝居にのぞんでいましたね」と振り返った。

　相手役の福地について岡山は「とても品のある方だなというのがありましたね。あと声が小さい」と笑いを誘いつつ、「線の細さみたいなものはあるんですが、非常にパワフルに座長というポジションを全うしようとされていた。あまり出会ったことのない方だなと思いましたね。バランスが不思議だなと。繊細さと力強さみたいなものを現場では感じましたね」と絶賛していた。

　最後に岡山は「見る人によっていろんな感想が出る作品だと思っています。皆さんの中でこの映画がどういうあり方をしているのか気になりますね。皆様の元に届いたことがうれしく思います」と喜びの声を上げていた。

　同作では、海辺の町でひっそりと旅館を営む中島奈々（福地）と、失ってしまった恋人の足跡をたどりその町に行き着いた青年・藤井俊太郎（岡山）、お互いに「喪失」を抱えた二人の新しいつながりと希望を描く。