シンガー・ソングライターのあいみょんが8月31日、自身にとって過去最大規模となるアリーナツアー「AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”」のツアーファイナルを大阪城ホールで開催した。

　全国14都市28公演が行われた今ツアーは4月16日に兵庫・ワールド記念ホールからスタートし、当初は7月24日の神奈川・ぴあアリーナMMがファイナルとなる予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大阪と名古屋での公演が延期に。結果として5か月間に渡って全国を回り、再び関西に戻ってきた。

　マーチングのリズムに導かれての幻想的なオープニングから始まった1曲目は「マシマロ」。勢い良くステージに飛び出してきたあいみょんは、軽快なリズムに乗って、ステージを飛び跳ねながらハンドマイクで歌った。続く「桜が降る夜は」ではアコースティックギターを持ち、3曲目では早くも人気曲「マリーゴールド」を披露。サビでは観客が一斉に手を振って、会場には一体感が生まれた。

　MCで「大阪ファイナルにようこそ！」と呼びかけると、大きな拍手。ロッテの佐々木朗希投手が登場曲に使用していることでも話題となった「今夜このまま」を披露。続く「プレゼント」では耳に残るギターフレーズが繰り返され、「ハッピー」ではオルガンがフィーチャーされたりと、長いツアーを一緒に回ってきたバンドメンバーと息の合った演奏を見せた。そして、音楽への愛情をつづった「愛を知るまでは」を熱唱し、観客を魅了した。

　あいみょんのライブは歌や演奏はもちろんのこと、MCでのオーディエンスとのコミュニケーションも大きな魅力。今回のツアーではあいみょんの目に留まったオーディエンスをズームアップしてスクリーンに映し出す特別な双眼鏡が用意され、歴代のツアータオルを掲げたり、コミカルな動きでアピールするオーディエンスに対し、感謝を伝えたり、関西ノリでツッコミを入れたりとファンとの“会話”楽しんだ。

　次のブロックでは、ツアー中に発表された「初恋が泣いている」を披露。「ユラユラ」「鯉」と続け。横ノリの「スーパーガール」で盛り上げた。そして、「愛を伝えたいだとか」ではステージの両サイドに伸びた花道を使い、オーディエンスとより近い距離で熱量の高いパフォーマンスを繰り広げた。

　その後、「今回のツアーでこの曲は必ずやりたいと思った」という「◯◯ちゃん」から後半戦がスタート。弾き語りでの「君がいない夜を越えられやしない」、あいみょんとドラマーの2人だけで演奏する「生きていたんだよな」と続けた。そして、雰囲気が一転。「ひかりもの」を歌い上げると、ピアノをフィーチャーした「裸の心」を歌唱した。

　ツアーを一緒に回ってきたバンドメンバー、井嶋啓介（ベース）、八橋義幸（ギター）、伊吹文裕（ドラム）、山本健太（キーボード）、朝倉真司（パーカッション）、qurosawa（ギター）を紹介し、「ここから徐々にみんなと上がって行けたらいいなと思ってます」と「ジェニファー」を演奏。「ふたりの世界」「夢追いベンガル」と一気に場内はヒートアップした。その後も「貴方解剖純愛歌」で会場からは手拍子が。そのままの流れで「君はロックを聴かない」と披露した。

「まだまだ完璧とは言えないですけど、こうやって100％お客さんが入れられるようになって、みんなと熱い空間を過ごせることがホンマに幸せです」と感謝の思いを伝え、「ハート」を熱唱。「双葉」と続け、長かったツアーに思いをはせながらも、最後は笑顔で歌い切った。

　最後にあいみょんは「28本どれもすごくいいライブで、こんないいツアーあるんやと思ってやってきましたけど、今日はホンマにびっくりするくらいいいライブができたと思います」と万感。花道を回りながら名残惜しそうにあいさつをして、「最高のファイナルでした。ホンマにありがとう」と感謝を伝えてステージを下りた。その後、スクリーン全面にあいみょん自筆の「まある完走 みんなほんまに ありがとう!!」という言葉が映し出され、過去最大規模のツアーが幕を閉じた。