結成27年ロックバンド「SCOOBIE DO」の音楽の作り方「すべての答えが曲に入っている」

結成27年を迎えた4人組ロックバンドSCOOBIE DOがニューアルバム「Tough Layer」をリリースした。メンバー4人で所属事務所や音楽レーベルを立ち上げ、それぞれの役割を4人で分担しながら、年中全国を駆け回るライブバンドだ。まさにバンドマンの鑑であり、先輩後輩問わず多くのミュージシャンが彼らをリスペクトしている。そんな唯一無二のバンドの魅力を2回にわたって紹介する。2回目は「SCOOBIE DOの音楽の作り方」と題して、楽曲をすべて手掛けるリーダーのマツキタイジロウ、そしてフロントマンでボーカルのコヤマシュウに話を聞いた。

マツキタイジロウ(左)とコヤマシュウ【写真:山口比佐夫】
マツキタイジロウ(左)とコヤマシュウ【写真:山口比佐夫】

新作を通じて生きることを肯定できるような力強さを与えたい

 結成27年を迎えた4人組ロックバンドSCOOBIE DOがニューアルバム「Tough Layer」をリリースした。メンバー4人で所属事務所や音楽レーベルを立ち上げ、それぞれの役割を4人で分担しながら、年中全国を駆け回るライブバンドだ。まさにバンドマンの鑑であり、先輩後輩問わず多くのミュージシャンが彼らをリスペクトしている。そんな唯一無二のバンドの魅力を2回にわたって紹介する。2回目は「SCOOBIE DOの音楽の作り方」と題して、楽曲をすべて手掛けるリーダーのマツキタイジロウ、そしてフロントマンでボーカルのコヤマシュウに話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

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――今回は「SCOOBIE DOの音楽の作り方」と題してお聞きします。バンドの楽曲はすべてマツキさんが作っているとお聞きしました。

マツキ「はい。まず自分がバンドとしてやりたいと思う曲のデモを作ります。そのデモをみんなに渡してスタジオに入って演奏したときに4人がどう感じるのか。SCOOBIE DOの音楽はすべてそこに尽きるんです。決して作った通りに演奏するのではなく、ボーカル、ドラム、ベースがそれぞれ感じたことを形にしてもらい、それが合わさったときに初めてSCOOBIE DOの曲ができ上がるんです。だから『今回はこんなテーマで作りたい』といったメンバーへの説明は不要で、僕自身感覚的な部分で作っているのでまだその時点で言語化できていないんです。実際に4人で演奏したときに感じるものこそがバンドにとって一番大切な音楽だと思っています」

――コヤマさんはマツキさんの作った楽曲にどんな思いをのせて歌っているのでしょう?

コヤマ「曲をもらって、それを覚えるまで何度も歌います。覚えたらその時点で完成です。あとはリハーサルでみんなで演奏して、またちょっと変わったりしながら自然となじんでいくんです。そんな感じなので今まで歌詞の意味とか曲のコンセプトを確かめるような会話って一切ありません」

――その理由は?

コヤマ「なぜかというとすべての答えが曲に入っているんです。その曲を聴いて僕が『カッコいい!』って感じたもの、それが答えなんです。あとはそのカッコいいを追求して何度も何度も歌えば完成なんです。タイちゃんの歌詞は僕が好きな歌謡曲っぽさがあって、聴いた人それぞれがいろんな想像をできるような言葉になっているから好きなんです」

――マツキさんが曲作りで大切にしていることとは?

マツキ「聴いてもらった人が生きていることを肯定できるような力強さを与えられたら良いなって思っています。またバンドのルーツにブルースがあるので、『生きていく中には辛さもあるけどそれも分かった上で前を向いていこう』みたいなところも原点になっています。作っているのはマツキタイジロウですが、自分の中にいるSCOOBIE DOがバンドに合う曲を作ってくれているという説明がもしかしたら正しいのかもしれません」

ニューアルバム「Tough Layer」ジャケット写真
ニューアルバム「Tough Layer」ジャケット写真

ポップでキャッチーで元気になるニューアルバム

――そしてニューアルバム「Tough Layer」が完成しました。

マツキ「SCOOBIE DOは、『いつものバンドのいつもの定期的な新作が出ましたよ』みたいな感じになるのは嫌なので、毎回アルバムを作るたびにまだやっていないことや新しいチャレンジを必ず取り入れてやっています。今回も新た挑戦をしながら作りました」

――今回はどんな挑戦でしたか?

マツキ「今回はポップでキャッチーなメロディーがいっぱい詰まった元気が出るようなアルバムを作りたいと思って挑戦してみました。楽曲を聴いたとき、何か心に響くものがあって『もうちょっと頑張ろう!』って直感的に感じられるような音楽が今求められているのでは? と思ったので次のアルバムをそういうものを作りたいと思っていました」

――具体的には?

マツキ「聴いた人が思わず口ずさみたくなるようなメロディーをたくさん詰め込もうと。そこはたっぷり時間をかけました。シュウくんの歌がすごくうまくなって、いろんなメロディーを歌いこなしてくれるようになったので自分の中では曲作りの制限なく、とにかく良いメロディーをたくさん作ろうと思って集中してました」

――今回は古巣のビクターエンタテインメントからのリリースということでメジャーリリースになります。これまでのインディーとの違いは?

マツキ「スタンスとしてはこれまでと変わらないんです。前作と今作に関しては、僕たちの『CHAMP RECORD』がビクターさんとタッグを組ませていただき、より多くの人に僕たちの音楽を届けられるようなサポートをしていただいています。たくさんの人に聴いてほしいという思いで作ったアルバムですが、宣伝に関しては自分たち4人だけでやれる限界を大きく超えているので、今回は全国キャンペーンやメディア対応といったサポートを全国のスタッフさんにしていただける。そこはすごくありがたいです」

――最後に2人にSCOOBIE DOというバンドを続けていく上で大切にしていることをお聞きします。

マツキ「メンバーそれぞれ個性があってプレイヤーとしてシンガーとして自分の表現を持っているので、できるだけそれぞれを尊重するように心がけています」

コヤマ「同感です。1つの集合体ではなく4人であるってことです。あくまで4つだと。そこだと思います」

□SCOOBIE DO(スクービー・ドゥー)1995年結成。マツキタイジロウ(ギター/リーダー)、コヤマシュウ(ボーカル)、オカモト“MOBY”タクヤ(ドラム)、ナガイケジョー(ベース)。ROCKとFUNKの最高沸点“Funk-a-lismo!”貫くサムライ四人衆。“LIVE CHAMP”の名に恥じぬその圧倒的なライブパフォーマンスと完全自主運営なインディペンデント精神があらゆる音楽ファンに熱烈な支持を受けている。2022年8月24日デビュー20周年記念/NEW ALBUM「Tough Layer」リリース。

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