【映画とプロレス #8】プロレス入場曲の代名詞「スカイ・ハイ」 元々はカンフーアクション映画の主題歌だった(前編)

「スカイ・ハイ」劇中の飛行シーン (C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
「スカイ・ハイ」劇中の飛行シーン (C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

映画「スカイ・ハイ」とはどんな作品なのか?

 主演は香港のアクションスター、ジミー・ウォング。ブルース・リーの「燃えよドラゴン」(73年)をきっかけにカンフー映画が大ブームとなっていた時期であり、そこに007的アクションをプラスしたのがこの作品の特徴だ。敵役となる麻薬シンジケートのボスを演じるのはジョージ・レイゼンビー。つまりこの作品は、“片腕ドラゴン VS 2代目ジェームズ・ボンド”という夢の対決の様相を呈しているのである。

 そんなキャスティングによるカンフー・アクション。しかもそれだけでは収まりきらない面白さが、この「スカイ・ハイ」には散りばめられている。クエンティン・タランティーノに影響を与えたのではないかと思われる、ゲリラ撮影による公道でのカーアクション。観光気分にさせる撮影やラブシーンも含め、007シリーズにインスパイアされた場面の数々。

 そして、忘れた頃に現れるハンググライダーは、オーストラリアと香港の2地域を股にかけて飛んでいた。しかもテーマ曲の「スカイ・ハイ」はオープニングとエンディングでバッチリ流れる。プロレスファンなら、アガりにアガること間違いなし。終わってみれば、やはりこの作品のタイトルは「スカイ・ハイ」でよかったと思わせる爽快感(ベビーフェースの決着方法とはまるで思えない、映画史上類をみない残酷なフィニッシュでもあるのだが……)。

 ちなみに、この作品はオーストラリア初のマーシャルアーツ映画でもあった。あのサモ・ハン・キンポーがアクションシーンの殺陣を担当し、「マッドマックス」(79年)のヒュー・キース=バーンも出演。のちにバーンは、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15年)にて独裁者イモータン・ジョーとして文明崩壊後のオーストラリアに君臨。その部下でジョーに忠誠を尽くすのが、プロレスリングZERO1に参戦していたネイサン・ジョーンズとは! プロレスと映画のつながりをまざまざと感じさせるエピソードだ。

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