「コスプレに人生を救われた」 性自認に悩む男性がたどり着いたコミケという場所
世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット100」が13日、東京ビッグサイトで開催された。記念すべき100回目のコミケは3年ぶりの夏開催とあって、台風8号が接近するなかでも熱気十分。アツい会場内で一際視線を集めるコスプレイヤーたちの素顔に迫った。
物心ついたときから性自認の不一致に悩み
世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット100」が13日、東京ビッグサイトで開催された。記念すべき100回目のコミケは3年ぶりの夏開催とあって、台風8号が接近するなかでも熱気十分。アツい会場内で一際視線を集めるコスプレイヤーたちの素顔に迫った。
抜群のスタイルと完成度の高いコスプレで人目を引く「ChinRyu」さんは、「コスプレに人生を救われた」という一人だ。一見すると女性にしか見えないが、性別は男性。物心ついたときから性自認の不一致に悩みを抱えてきたという。
「性別がはっきり定まってないという感じで、男性扱いはされたくない。かといって心が女性というわけでもない。幼稚園くらいのときから自分の性別に違和感があって、親にも伝えてきたけど理解してくれるまでは時間がかかりましたね。ずっと言い続けてきて、女性や中性よりの服ばかり着て、高校を卒業したころでしょうか、ようやく少し理解してくれたような感じです」
コスプレと出会ったのは、2年半ほど前。ツイッターをきっかけにコスプレイヤーの友人ができ、なりたい自分になれるという世界に没頭した。コミケ参加は今回で2回目で、前回は人気ゲーム「Fate」シリーズのアルトリア・ペンドラゴン・オルタ、今回は「ニーア リィンカーネーション(ニーア オートマタ)」の2B(トゥービー)といずれも女性キャラの衣装で参加。「ポイントはメイク、なるべく女性らしい目元を意識しています」とこだわりを語る。
「仕方のないことですが、職場でも理解のある人もいれば、ない人もいる。そういう葛藤はずっと抱えて生きています。コスプレを趣味にしてからは、そういうどうしようもないストレスを発散できています。今日は記念すべき100回目のコミケに参加できて、すごく楽しいし、光栄です」と世界最大の同人イベント参加の喜びを語った。