亀田興毅、メイウェザーVS朝倉未来は「イベントとしては素晴らしい」 気になるのは“安全面”

元プロボクシング世界王者の亀田興毅ファウンダーがプロデュースするボクシングイベント「3150(サイコー)FIGHT」(8月14日、エディオンアリーナ大阪 第1競技場)の後に行われる「ABEMAスペシャルマッチ」にキックボクサーの皇治が参戦する(正式なルールは後日公表)。ボクシング関係者のなかには「ボクシングと格闘技は違う」と敬遠する声もある中で、亀田ファウンダーは異彩を放っている。そこで今回は、亀田ファウンダーが格闘技界をどう見ているのか。幅広い視点から話を聞いた。

「3150FIGHT」で正式に関わることになった亀田ファウンダーと皇治
「3150FIGHT」で正式に関わることになった亀田ファウンダーと皇治

「Breaking Down」も安全面だけしっかりと

 元プロボクシング世界王者の亀田興毅ファウンダーがプロデュースするボクシングイベント「3150(サイコー)FIGHT」(8月14日、エディオンアリーナ大阪 第1競技場)の後に行われる「ABEMAスペシャルマッチ」にキックボクサーの皇治が参戦する(正式なルールは後日公表)。ボクシング関係者のなかには「ボクシングと格闘技は違う」と敬遠する声もある中で、亀田ファウンダーは異彩を放っている。そこで今回は、亀田ファウンダーが格闘技界をどう見ているのか。幅広い視点から話を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 亀田ファウンダーがプロボクシングの元世界王者である以上、ひとつ確認しておきたいことがあった。それは現在、現WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級統一王者に君臨する井上尚弥についてである。

 井上は、世界で最も権威があるとされるアメリカのボクシング専門誌「ザ・リング」が格付けするパウンド・フォー・パウンド・ランキング(PFPランキング)において、第1位に選出されたが、世間で今、ボクシングといえば井上を指すと言ってもいい。

 これについて亀田ファウンダーは、「素晴らしいボクサーですよ。世界を代表するボクサーですよ。ああいう選手がこれからもどんどん出てこないと」と話した。

 バンタム級といえば、かつては亀田ファウンダーも活躍した階級だけに、それなりの言葉が返ってくるかと思っていたが、今回はそのまま彼の功績を認める見解を示した。興味深いのは、次のように言葉をつないだことだろう。

「でも彼だけでもダメですね。今のボクシング界は4回戦の選手が稼げていないから。4回戦から稼げる世界にしていかないと。一部の選手だけ、『すごい、すごい、すごい』って、その選手が引退したらどうなるんですか? また暗黒の時代が続くんですか? それより『ボクシング』にファンをつけないと。底辺を拡大しないとダメなんです」

 ボクシングの底辺拡大に役立っているのかは分からないが、現在、格闘技界を騒がせているイベントに「BreakingDown」がある。これは「1分最強」を掲げているとおり、1分間という非常に限られた時間のなかで最強を決める試合形式のこと。これだと格闘技経験の少ない素人でも比較的リングに上がって、自身の持つ技術を披露することができる。

「個人的には素晴らしいと思います。実際、盛り上がっているじゃないですか。ただ、賛否両論ありますよね。健康面だけしっかりやって、それができているんであればいいんじゃないですか? それができていて、ああいうふうにやっているなら、それはいいことですよ。格闘技に注目を集めているわけだから素晴らしいことですよ。実際、僕たちボクシング業界は、そこまで注目を集める興行をできていないわけだから」

くじ引きの結果、ヒロキング(左)とので闘うことが決まった皇治
くじ引きの結果、ヒロキング(左)とので闘うことが決まった皇治

「ようやく小学校1年生になりました(笑)」

 そしてもうひとつ、「9月に日本で」としか公表されてはいないが、前人未到のプロボクシング5階級制覇の実績を持つフロイド・メイウェザーが朝倉未来と闘う一戦についても、亀田ファウンダーに水を向けてみた。

 すると、これに関しても「イベントとしては素晴らしい。いいと思います」と話しながら、やはり「健康面」を指摘する。

「やっぱりそこも健康面ですよね。安全面ですか。ここはしっかりと。そこは気になりますよね」

 その理由を亀田ファウンダーは「(メイウェザーと朝倉に)実力差があるから」と答えた。

「今回、『ABEMAスペシャルマッチ』でも皇治VSヒロキングの試合をやりますけど、それにしても、すごく健康面、安全面はどうなっているのか。そこを僕は考えている。そこをしっかりやった上で試合をやらないと批判を浴びるわけですよね」

 振り返ると、亀田ファウンダーが現役時代には、常に賛否の渦中にあった。いや、好奇の目にさらされながら、賛否というより批判の対象にされていた時期もあっただろう。そんな亀田ファウンダーがプロモーターとなった今、安全面を声高に口にするのだから、そこが最低限のラインであることは自然と認識することができた。

 さらにいえば、間違いなくその頃に、今の自分の姿を思い描いていなかっただろうことだけは、容易に想像することもできた。

「あの頃は何一つ考えてなかったです。そのときは相手をしばくことしか考えてなかったから」

 そう考えると、人生とは実に面白い生き物だ。

「ちょっとだけ成長したんですよ(笑)。今、ようやく小学校1年生になりました(笑)」

 ちなみに、亀田ファウンダーがボクシング界でビジネスをしていこうという意識に至った今、最も影響を受けたのは誰になるのか。

「影響を受けたとかは特にないですね。ただ、現役時代からいろんな方に会って、人脈もそれなりにあって、ビジネスとしてのボクシングを考えたときに、これからのボクシングはどうしていくべきか。結構マニアックなので調べていったんです。そしたら、こうしていけば食えるビジネスになるんじゃないかって、ボクシングのプラットホームを作ったんですね」

 果たして亀田ファウンダーはジムの会長となり、「3150FIGHT」のプロモーターとなった。となれば、その動向は注視していく必要がある。

「昔のボクシングは世界戦しかテレビで放送しなかった。あとは前座扱いなんです。だけど『3150FIGHT』は全試合にスポットライトを当てて、Abemaさんで全試合生中継していただけるんです。だから全員が主役なんですね。今後はAbemaさんと一緒にやらせていただいて、全員にスポットライトを当てるようにしていきたいし、これから先々もそういうふうに持っていきたいなあと思っていますね」

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